部品や治具の製作図を作成する際、Excelの図形機能を使って図面を作成している方は少なくありません。特に加工業者とのやり取りで寸法が明確に記載されていれば、簡易図面でも製作できるケースは多くあります。しかし、修正や流用、寸法変更が増えるとExcel図面の限界も見えてきます。この記事では、Excel感覚で使いやすく、寸法入力による作図ができるCADソフトについて解説します。
なぜExcel図面が使われ続けるのか
Excelはほとんどのパソコンに導入されており、操作に慣れている人が多いため、簡単な図面作成には非常に便利です。
四角形や円、寸法線、注記なども比較的簡単に配置できるため、加工業者との打ち合わせレベルであれば十分に通用する場合があります。
一方で、実寸管理ができない、寸法変更時に図形を修正する必要がある、DXFやDWGで出力できないなどの課題があります。
Excel感覚で使いやすいCADの条件
Excel図面からCADへ移行する場合、高機能であることよりも操作の分かりやすさが重要です。
特に次のような機能があると習得しやすくなります。
- 寸法を入力して図形を作成できる
- 円や長方形のサイズを数値指定できる
- 座標入力で穴位置を指定できる
- 日本語情報が多い
- 2D図面中心で利用できる
おすすめの無料CADソフト
Jw_cad
国内で非常に利用者が多い無料CADです。
建築分野の利用が多いものの、機械部品や簡易図面にも利用できます。数値入力による作図が可能で、日本語の解説サイトや動画も豊富です。
AutoCADほど高機能ではありませんが、Excel図面から移行する場合の第一候補になるでしょう。
LibreCAD
2D専用の無料CADです。
矩形や円を寸法指定して作成できるため、Excelの図形機能に近い感覚で利用できます。
機能がシンプルなので、複雑な設計をしない人には扱いやすいソフトです。
DesignSpark Mechanical
3D CADですが、直感的な操作が特徴です。
寸法を入力しながら形状を作ることができるため、Excelで図形を描く感覚から移行しやすいという評価があります。
実はCADより3D CADの方が簡単な場合もある
AutoCADなどの従来型2D CADが難しいと感じる人は少なくありません。
最近の3D CADは、長さや穴径を入力して押し出すだけで形状が完成するため、むしろ初心者には分かりやすい場合があります。
例えば100mm×50mmの板に直径10mmの穴を端から20mmの位置に開ける場合、数値を入力するだけで完成するソフトもあります。
| 作業内容 | Excel | CAD |
|---|---|---|
| 四角形作成 | 手動調整 | 寸法入力 |
| 穴位置変更 | 再配置 | 数値変更のみ |
| 寸法変更 | 再作図 | パラメータ変更 |
| 加工データ化 | 不可 | 可能 |
加工業者が求める図面とは
加工業者が重視するのは、図面の作成ソフトではなく寸法や公差、材質などの情報が正確に伝わることです。
そのためExcel図面でも製作できるケースは多くあります。
ただし、将来的に図面数が増える場合や、同じ部品を何度も改良する場合はCAD化しておく方が管理しやすくなります。
Excel図面ユーザーにおすすめの移行方法
いきなりAutoCADを習得しようとすると挫折しやすいため、まずはJw_cadやLibreCADなどの無料2D CADで矩形や円の作図だけ覚えることをおすすめします。
慣れてきたら穴位置の座標入力や寸法記入を覚え、徐々にCADの機能を活用していくと無理なく移行できます。
Excel図面で問題なく製作できている場合でも、将来的な図面管理や修正効率を考えるとCAD化のメリットは大きいです。
まとめ
Excelで作図する方法は簡単で実務でも十分通用する場面がありますが、寸法変更や再利用を考えるとCADの方が圧倒的に効率的です。
Excel感覚で使いたい場合はJw_cadやLibreCADが有力候補です。また、従来の2D CADが難しいと感じる場合は、直感的な3D CADも検討してみる価値があります。
まずは無料CADで簡単な部品図から作成し、数値入力による作図の便利さを体験してみるのがおすすめです。


コメント