SOLIDWORKSでモデリングをしていると、「同じ線上に異なるRのフィレットをつなげたい」という場面がよくあります。しかし、正接しているエッジに対して通常のフィレットを使うと、エッジ全体がまとめて認識されてしまい、思った通りに別々のRを設定できず困ることがあります。この記事では、SOLIDWORKSで正接エッジ上に異なる半径のフィレットを作成する方法や、エラーになりやすい原因、実務でよく使われる回避方法まで詳しく解説します。
なぜ正接する線上では別Rフィレットが難しいのか
SOLIDWORKSでは、接線連続しているエッジを自動的に「1本の連続エッジ」として扱うことがあります。
そのため、フィレット機能で1か所を選択すると、意図せず全体に同じRが適用されるケースがあります。
特に以下のような形状で発生しやすいです。
- スプラインと直線が滑らかにつながっている
- 押し出し後に面同士が接線状態になっている
- 曲面主体のモデル
これはSOLIDWORKSの「接線伝播(Tangent Propagation)」機能によるものです。
最も簡単な方法は「接線伝播」をOFFにする
まず試したいのが、フィレット設定内の「接線伝播」を無効化する方法です。
操作手順
- フィレット機能を起動
- 対象エッジを選択
- 左側プロパティマネージャ内の「接線伝播」のチェックを外す
これにより、接線方向に自動選択されなくなり、個別エッジとしてR指定できる場合があります。
実務でもまず最初に試す定番方法です。
それでも分割できない場合の対処法
形状によっては、そもそもエッジ自体が1本化されており、接線伝播OFFでも分離できない場合があります。
その場合はエッジを物理的に分割します。
分割線(Split Line)を使う方法
異なるRを適用したい境界位置にスケッチを作成し、「分割線」機能で面を分割します。
するとエッジも分離されるため、別々のフィレットが適用可能になります。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 接線伝播OFF | 簡単・最初に試す |
| 分割線 | 確実だが少し手間 |
| 面フィレット | 高品質形状向け |
実務では「フィレット順番」もかなり重要
SOLIDWORKSでは、フィレットをかける順番で成功率が大きく変わります。
一般的には、
- 小さいR → 大きいR
- 細かい部分 → 全体
の順に作ると失敗しにくいです。
逆順だと、後から作るフィレットの逃げ場がなくなり、「ジオメトリ計算エラー」になりやすくなります。
可変サイズフィレットを使う方法もある
もしRが徐々に変化するような形状なら、「可変サイズフィレット」も有効です。
これは1本のエッジ上でR値を変化させる機能です。
向いているケース
- 滑らかにRを変えたい
- デザイン重視
- 工業デザイン形状
ただし、画像のように「はっきり別Rで切り替えたい」場合は、通常フィレット+エッジ分割の方が管理しやすいことが多いです。
面フィレットを使うと成功することもある
通常フィレットで失敗する場合でも、「面フィレット」に切り替えると成功するケースがあります。
特に曲面主体モデルでは有効です。
面フィレットは、エッジではなく面同士の関係で処理するため、複雑形状に強い特徴があります。
ただし処理は少し重くなります。
よくある失敗パターン
初心者がよく遭遇するトラブルも整理しておきます。
Rが大きすぎる
そもそも隣接面のスペース不足で作れないケースがあります。
特に小さい部品では発生しやすいです。
ゼロ厚みエラー
フィレット同士が干渉し、厚み0になると失敗します。
これはSOLIDWORKSで非常に多い代表的エラーです。
エッジ選択順の問題
選択順で計算結果が変わる場合もあります。
一度フィレットを分けて作ると解決することがあります。
実務でよく使われる考え方
実際の設計現場では、「後工程で修正しやすい形」を意識して作ります。
そのため、無理に1つのフィレット機能で完成させるより、
- エッジ分割
- 複数フィレット化
- 面フィレット分離
など、履歴を分かりやすくする作り方が好まれます。
後からR変更が入った時にも修正しやすくなります。
まとめ
SOLIDWORKSで正接する線上に異なるRフィレットを入れたい場合は、まず「接線伝播」をOFFにするのが基本です。
それでも分離できない場合は、「分割線」でエッジを分ける方法が実務でもよく使われます。
また、フィレットの順番や面フィレットの活用によって成功率はかなり変わります。
複雑な形状ほど、1回で完成させようとせず、段階的にフィレットを構築すると安定しやすいでしょう。


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