「この男は~です」のAI音声はどう作る?TikTok・ショート動画で使われる読み上げ音声の作り方を解説

音声、音楽

TikTok、YouTube Shorts、Instagramリールなどを見ていると、「この男は○○です」「この女性は○○をしました」といったナレーションから始まる短い動画を見かけることがあります。人間が録音したようにも聞こえますが、動画編集アプリのテキスト読み上げ(Text to Speech、TTS)やAI音声が使われているケースがあります。

作り方は意外とシンプルで、基本的には「動画を用意する→ナレーション原稿を書く→テキスト読み上げで音声化する→字幕とタイミングを合わせる」という流れです。自分でマイクに向かってナレーションを録音する必要はありません。

ただし、SNSで流行している特定の動画について、音声を聞かずに「必ずこのアプリのこの声」と断定することはできません。同じような声質を作れるサービスが複数あるためです。ここでは、特定の投稿に限定せず、現在一般的に使える方法を中心に解説します。

「この男は~です」のような音声はテキスト読み上げで作れる

このタイプのナレーションを理解するうえで覚えておきたい言葉が「Text to Speech(TTS)」です。日本語ではテキスト読み上げ、音声合成などと呼ばれます。

使い方は、読み上げさせたい文章を文字で入力し、声を選択して音声へ変換するだけです。例えばこの男は、毎朝5時に起きます。しかし、今日はいつもと様子が違いました。と入力すれば、その文章をAI・音声合成エンジンに読ませることができます。

生成した音声を映像に重ねれば、ショート動画でよく見るナレーション形式になります。さらに同じ文章を字幕として表示すれば、「映像+AIナレーション+字幕」という構成が完成します。

スマホならCapCutのテキスト読み上げが分かりやすい

スマートフォンだけで作りたい場合、選択肢の一つがCapCutです。CapCutにはテキスト読み上げ機能があり、入力した文章から音声を生成できます。公式サイトでもAIテキスト読み上げ機能が案内されています。[参照] CapCut公式「テキスト読み上げ」

基本的には編集する動画を読み込み、テキストを追加してナレーション原稿を入力し、そのテキストに対して読み上げ機能を適用します。利用できる音声や具体的な画面構成は、アプリのバージョン、地域、端末などによって変わる場合があります。

CapCutの利点は、音声生成だけでなくカット編集、字幕、BGM、効果音なども同じアプリ内で処理できることです。TikTokやYouTube Shorts向けの短い縦動画を作るなら、音声を別アプリから何度も移動させずに済みます。

CapCutでAIナレーション動画を作る基本手順

具体的には、まずCapCutで新しいプロジェクトを作り、ナレーションを付けたい動画や画像をタイムラインへ配置します。その後、ナレーションとして読み上げさせる文章をテキストとして入力します。

例えば冒頭にこの男は、10年間毎日同じ店に通い続けています。と入力します。そのテキストを選択して読み上げ機能を利用し、好みの声を選択します。

音声が生成されたら映像とのタイミングを確認します。「この男は」の部分で対象人物が画面に映るようにカット位置を調整すると、ショート動画らしいテンポになります。

最後に字幕の位置やサイズを調整し、必要ならBGMや効果音を追加して書き出します。ナレーションだけでなく字幕を付けることで、音を出せない環境でも内容が伝わりやすくなります。

TikTokにもテキスト読み上げ機能がある

TikTok内で動画を完成させたい場合は、TikTokのテキスト読み上げ機能を使う方法もあります。TikTok公式ヘルプでは、動画へ追加したテキストを読み上げ音声へ変換する機能が案内されています。[参照] TikTok公式ヘルプ「動画のアクセシビリティ」

基本的には動画作成画面でテキストを追加し、追加したテキストを選択して「テキスト読み上げ」を利用します。TikTokへ投稿する動画を簡単に作りたい場合には便利です。

一方、細かい編集、複数のナレーション、映像のテンポ調整などを行いたい場合は、動画編集アプリで先に完成させてから投稿する方法もあります。どちらがよいかは編集量によって変わります。

より自然なAI音声なら専用の音声生成サービスもある

動画編集アプリの読み上げより自然なイントネーションや表現を求める場合は、AI音声生成を専門とするサービスを利用する方法があります。代表例の一つがElevenLabsです。

ElevenLabsは日本語を含む複数言語のText to Speechに対応しており、入力した文章をAI音声へ変換できます。[参照] ElevenLabs「Japanese Text to Speech」

例えばElevenLabsでナレーション音声を作成し、その音声を動画編集ソフトへ読み込んで映像と合わせる、という制作方法ができます。この場合、音声制作と映像編集を別々に行うため少し手間は増えますが、ナレーションの品質を重視した動画を作りやすくなります。

無料で日本語ナレーションを作るならVOICEVOXも選択肢

WindowsなどのPCで動画を編集している場合は、無料で利用できる音声合成ソフト「VOICEVOX」も選択肢になります。VOICEVOXは文章を入力して音声を生成できる日本語の音声合成ソフトです。[参照] VOICEVOX公式サイト

文章をVOICEVOXへ入力して読み上げを調整し、生成した音声ファイルをDaVinci Resolve、Premiere Pro、CapCutなどの動画編集ソフトへ読み込めばナレーションとして利用できます。

ただし、VOICEVOXではソフト本体だけでなく各キャラクター・音声ライブラリごとに利用規約があります。YouTube収益化や広告など商用目的で利用するときは、使用する音声の規約やクレジット表記条件を公式サイトで確認してください。

「あの声とまったく同じ」を探すには元動画の確認が必要

SNSで聞いた特定のAI音声を再現したい場合は、まず元動画を確認する必要があります。「この男は~です」という文章の形式だけでは、TikTok、CapCut、ElevenLabs、その他のTTSサービスのどれが使われているか判断できないためです。

同じ読み上げサービスでも複数のボイスがあり、速度やピッチ、文章の区切り方によって印象が大きく変わります。また投稿者が生成後の音声を編集ソフトで高速化・低速化したり、ピッチを変更したりしている場合もあります。

そのため、特定の流行音声を探す場合は、元動画の投稿ページで使用音源の表示を確認したり、動画の説明欄やコメントで編集方法が公開されていないか調べたりすると手掛かりになります。

「この男は~です」風に聞こえる原稿の作り方

実はAI音声そのものだけでなく、原稿の書き方もショート動画らしさを左右します。冒頭で対象人物を示し、すぐに「何が普通ではないのか」を説明すると続きを見てもらいやすくなります。

例えばこの男は毎日8時間、同じ場所に立ち続けています。という1文から始め、その後にしかし、彼がここにいるのには意外な理由があります。と続ける構成です。

長い説明を一度に読ませるより、短い文に区切るとAI音声も自然になりやすくなります。「この男は、毎朝5時に起き、10キロ走り、それから仕事へ向かいます」のように読点を適切に入れると、読み上げの間を調整しやすくなります。

読み方がおかしい場合は漢字・数字・記号を書き換える

AI音声では、人名、地名、英単語、略語、数字などを間違えて読むことがあります。この場合は字幕として表示する文章と、読み上げ用の文章を完全に同じにする必要はありません。

例えば人名の漢字を誤読する場合、音声生成用テキストだけひらがなに変更します。「20km」を不自然に読むなら「20キロメートル」と書くなど、AIが読みやすい文章へ変更します。

また句読点を増減すると間の取り方が変わる場合があります。この男は……のような記号に頼るより、サービスごとの読み上げ結果を聞きながら文章を短く区切って調整するほうが確実です。

AI音声で他人の声を無断コピーするのは避ける

AI音声には、用意されたナレーター音声を使うTTSだけでなく、実在人物の声を学習・複製するボイスクローン技術もあります。しかし、有名人、配信者、知人など本人の許可なく声を複製し、本人が話しているような動画を作ることには注意が必要です。

単に「男性の落ち着いたナレーションが欲しい」のであれば、サービス側が正規に提供しているボイスを利用すれば十分です。特定人物になりすます必要はありません。

また商用動画では、AI音声サービスの契約プランによって商用利用条件が異なることがあります。収益化YouTube、企業広告、クライアント案件などに使う場合は、利用時点の規約を確認しておきましょう。

目的別にAI音声の作り方を選ぶ

どの方法を使えばよいか迷った場合は、動画を作る環境と求める音質から選ぶと分かりやすくなります。

目的 候補 特徴
スマホで簡単に動画まで作りたい CapCut 動画編集とテキスト読み上げをまとめて行いやすい
TikTok内で完結したい TikTok 投稿画面からテキスト読み上げを利用できる
自然なAIナレーションを重視 ElevenLabs AI音声を作って編集ソフトへ読み込める
PCで無料の日本語音声を使いたい VOICEVOX 日本語音声合成に強く、細かな読み方も調整しやすい

最も手軽なのは動画編集アプリ内のテキスト読み上げです。まずCapCutやTikTokで試し、音質や声の種類に満足できない場合に専用のAI音声サービスへ進むと分かりやすいでしょう。

まとめ:「この男は~です」風AI音声はテキスト読み上げから作れる

TikTokやYouTube Shortsなどで流れる「この男は~です」のようなナレーションは、テキスト読み上げ(Text to Speech)を使えば、自分で録音しなくても作成できます

スマートフォンで手軽に作るならCapCutやTikTokのテキスト読み上げ、より自然なAI音声を求めるならElevenLabs、PCで無料の日本語音声を作りたいならVOICEVOXなどが候補になります。

基本的な制作手順は「動画を用意→ナレーション原稿を入力→AI音声へ変換→映像に合わせる→字幕を追加→書き出す」です。最初は「この男は、毎日○○をしています」のような短い文章を使って試すと仕組みを理解しやすくなります。

ただし、SNSで流行している特定の声がどのサービス・ボイスなのかは、文章だけでは特定できません。同じ声を探したい場合は元動画の音声や使用音源情報を確認し、一般的なナレーションを作りたい場合は正規に提供されているTTS音声から近い声質を選ぶのが安全で確実です。

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