Exact Audio Copy(EAC)でCDを取り込んだとき、保存先のMUSICフォルダへ「01-曲名.m4a」「02-曲名.m4a」のように曲ファイルが直接並び、アーティスト名やアルバム名のフォルダが自動作成されないことがあります。
これは取り込み自体の失敗ではなく、EACの「ファイル名」タブに設定されている命名規則によるものです。EACではファイル名の指定に「\\」を含めることでフォルダ階層を作れるため、iTunes・Apple Musicに近い「アーティスト名→アルバム名→曲ファイル」という構成に変更できます。
例えば保存先を「D:\\MUSIC」に設定し、命名規則を適切に設定すると、「D:\\MUSIC\\アーティスト名\\アルバム名\\01 曲名.m4a」のような形で自動保存できます。
- EACでフォルダが作られない理由
- iTunesに近い保存形式ならこの命名規則が分かりやすい
- 「%artist%」より「%albumartist%」がおすすめな理由
- EACの「ファイル名」タブを設定する手順
- 保存先のMUSICフォルダは「ディレクトリ」タブで指定する
- 曲名を「01 曲名」にするか「01 – 曲名」にするかは自由
- m4aという拡張子は命名規則に書かなくてよい
- オムニバス・コンピレーションCDは別の命名規則にすると便利
- アルバムアーティスト情報が正しく入っているか確認する
- すでに取り込んだ曲は設定変更だけでは自動移動されない
- iTunes・Apple Musicへ読み込む場合はタグ情報も重要
- 完全にiTunesと同じフォルダ名になるとは限らない
- 複数枚組アルバムならディスク番号を追加する方法もある
- CUEシートを利用する場合はフォルダ階層に注意
- おすすめ設定を整理
- まとめ|「\」を入れればEACが自動でフォルダを作成する
EACでフォルダが作られない理由
EACの「EACオプション」→「ファイル名」タブには「命名規則(Naming scheme)」という設定があります。ここが例えば%tracknr2% - %title%だけになっている場合、EACは保存先フォルダの直下に曲ファイルだけを作成します。
%tracknr2%は2桁のトラック番号、%title%は曲名を意味します。そのため1曲目なら「01 – 曲名.m4a」、2曲目なら「02 – 曲名.m4a」のようになります。
ここへアーティスト名やアルバム名とバックスラッシュ「\\」を追加すると、EACがその部分をフォルダ階層として扱います。つまり、ファイル名タブは単なるファイル名だけでなく保存先の下位フォルダ構成も指定できる仕組みです。
iTunesに近い保存形式ならこの命名規則が分かりやすい
一般的なiTunes・Apple Musicの管理方式に近づけたい場合は、アーティストごとのフォルダ、その中にアルバムごとのフォルダ、その中に曲ファイルという構成が分かりやすいでしょう。
EACの「命名規則」へ次のように入力します。
%albumartist%\\%albumtitle%\\%tracknr2% - %title%
例えばアーティストが「Example Band」、アルバムが「First Album」、1曲目が「Hello」なら、保存結果は次のようになります。
MUSIC\\Example Band\\First Album\\01 - Hello.m4a
ポイントは「%albumartist%」と「%albumtitle%」の後ろに「\\」を入れることです。この区切りによってEACが自動的にフォルダを作成します。
「%artist%」より「%albumartist%」がおすすめな理由
EACには%artist%と%albumartist%という似た変数があります。通常のアルバムでは同じ名前になることが多いですが、コンピレーションアルバムでは意味が異なります。
%artist%は基本的に各曲のアーティスト、%albumartist%はアルバム全体のアーティストを表します。そのためアーティスト単位でフォルダを整理する場合には%albumartist%のほうが扱いやすいことがあります。
例えば1枚のアルバムに複数の歌手が参加している場合、%artist%をフォルダ名に使うと曲ごとに別フォルダへ分かれてしまう可能性があります。%albumartist%ならアルバム単位で一つのフォルダへまとめやすくなります。
EACの「ファイル名」タブを設定する手順
EACを起動したら、メニューから「EAC」→「EACオプション」を開き、「ファイル名」タブを選択します。英語表示の場合は「EAC Options」→「Filename」です。
「命名規則」または「Naming scheme」の欄へ、例えば次の文字列を入力します。
%albumartist%\\%albumtitle%\\%tracknr2% - %title%
設定を保存したらCD情報を取得し、アーティスト名、アルバム名、曲名が正しく入力されていることを確認してから取り込みます。EACのFilenameタブでは%albumartist%、%albumtitle%、%tracknr2%、%title%などの変数を利用できます。[参照:Exact Audio Helper・EAC Filename設定例]
保存先のMUSICフォルダは「ディレクトリ」タブで指定する
ファイル名タブで指定するのは、基本的にMUSICフォルダより下の構造です。MUSICフォルダそのものは「EACオプション」→「ディレクトリ」タブで指定できます。
例えばディレクトリの保存先をD:\\MUSICにして、ファイル名タブを%albumartist%\\%albumtitle%\\%tracknr2% - %title%にすると、最終的にはD:\\MUSIC\\アーティスト\\アルバム\\曲.m4aという構造になります。
つまり、保存先の親フォルダと、その中の整理方法を別々に設定すると理解すると分かりやすいでしょう。EACで音楽ライブラリ用のフォルダを作る例としても、保存先ディレクトリを指定し、Filename側に%albumartist%\\%albumtitle%\\%tracknr2% %title%のような階層を設定する方法が紹介されています。[参照:EACのフォルダ構成設定例]
曲名を「01 曲名」にするか「01 – 曲名」にするかは自由
曲ファイル名の見た目は好みに合わせて変更できます。フォルダ構造に影響するのは「\\」の部分なので、それ以外は読みやすい形式を選べます。
| 命名規則 | 作成される曲名の例 |
|---|---|
%tracknr2% %title% |
01 Hello.m4a |
%tracknr2% - %title% |
01 – Hello.m4a |
%tracknr2%. %title% |
01. Hello.m4a |
iTunes風にすっきりさせたいなら「01 曲名」のような形式でもよく、見分けやすさを重視するなら「01 – 曲名」でも問題ありません。
例えば%albumartist%\\%albumtitle%\\%tracknr2% %title%とすれば、「アーティスト→アルバム→01 曲名.m4a」というシンプルな構成になります。
m4aという拡張子は命名規則に書かなくてよい
命名規則へ.m4aまで入力する必要は通常ありません。EACでAAC・ALACなどのエンコーダーを利用してM4A形式へ変換している場合、使用しているエンコーダーやEAC側の設定によって適切な拡張子が付与されます。
そのため%tracknr2% - %title%.m4aのように拡張子まで手入力するのではなく、基本的には%tracknr2% - %title%までにしておくほうが安全です。
将来FLACやWAVなど別形式へ変更した場合も、命名規則を変更せずに利用しやすくなります。
オムニバス・コンピレーションCDは別の命名規則にすると便利
複数のアーティストが参加するコンピレーションアルバムでは、通常アルバム用とは別の保存規則を設定できます。EACのファイル名タブには「Various Artists用の命名規則を使用する」といった設定があります。
例えばコンピレーションを「Various Artists」フォルダへまとめたい場合は、次のような構成が考えられます。
Various Artists\\%albumtitle%\\%tracknr2% - %artist% - %title%
すると、例えばMUSIC\\Various Artists\\Best Hits\\01 - Artist A - Song A.m4aのように保存できます。各曲のアーティスト名をファイル名へ含めることで、誰の曲なのかも分かりやすくなります。
アルバムアーティスト情報が正しく入っているか確認する
%albumartist%を使っても、EAC上のアルバムアーティスト情報が空欄だったり間違っていたりすると、期待したフォルダ名にならないことがあります。
CDを挿入してメタデータを取得したら、取り込み前にアルバムタイトル、アルバムアーティスト、各トラックのタイトルなどを一度確認することをおすすめします。
例えば「The Example Band」のアルバムなのにAlbum Artist欄が「Various Artists」になっていると、そちらの名前でフォルダが作られます。フォルダ構造はメタデータをそのまま利用するため、取り込み前の確認が重要です。
すでに取り込んだ曲は設定変更だけでは自動移動されない
ファイル名タブを変更しても、すでにMUSICフォルダ直下へ保存した01-xxx.m4aなどのファイルが自動的に新しいフォルダへ移動するわけではありません。
設定変更は基本的に次回以降の取り込みへ適用されます。すでに取り込んだ音源については、自分でアーティスト・アルバムフォルダを作って移動するか、必要であれば再度CDから取り込み直します。
タグ情報が正しくm4aファイルへ書き込まれている場合は、音楽ファイル整理ソフトを使ってタグを基準にフォルダ分けする方法もあります。ただし枚数が少ないなら手作業で整理したほうが簡単な場合もあります。
iTunes・Apple Musicへ読み込む場合はタグ情報も重要
フォルダ構造をiTunesと同じようにしても、iTunes・Apple Music上の表示はファイル名だけで決まるわけではありません。アーティスト、アルバム、曲名、トラック番号などのタグ情報が重要です。
例えばファイルがMUSIC\\Artist A\\Album A\\01 Song.m4aという完璧なフォルダ構成でも、m4a内部のArtistタグが間違っていればApple Music上では別のアーティストとして表示されることがあります。
そのためEACで取り込む際には、フォルダ命名規則だけでなく、エンコーダー側へアーティストやアルバムなどのタグが正しく渡されていることも確認するとよいでしょう。
完全にiTunesと同じフォルダ名になるとは限らない
EACで「アーティスト→アルバム→曲」という階層を再現することはできますが、iTunes・Apple Musicが自動生成するフォルダ名と一字一句同じになるとは限りません。
例えばコンピレーション、ディスク番号を含む複数枚組アルバム、特殊文字を含むアーティスト名などでは、Apple側独自の整理ルールによってフォルダ名が変わる場合があります。
一般的な音楽ライブラリとして管理する目的なら、iTunesの内部フォルダ構造を完全コピーすることより、タグ情報を正しく設定し、アーティスト→アルバム→曲という分かりやすい階層に統一することを優先すると管理しやすくなります。
複数枚組アルバムならディスク番号を追加する方法もある
2枚組、3枚組のアルバムを頻繁に取り込む場合は、ディスク番号をフォルダ名やファイル名へ追加することもできます。EACには%cdnumber%などディスク番号に利用できる変数があります。
例えばアルバムの中へDisc 1、Disc 2というフォルダを作りたい場合、環境に合わせて次のような命名規則を利用できます。
%albumartist%\\%albumtitle%\\Disc %cdnumber%\\%tracknr2% - %title%
ただし通常の1枚組CDでもDisc 1フォルダができるため、すべてのCDへこの設定を使う必要はありません。複数枚組だけ手動で変更する方法もあります。
CUEシートを利用する場合はフォルダ階層に注意
EACのファイル名設定へフォルダ階層を含める方法は便利ですが、CUEシートを使ってCDを再構成する運用では注意点があります。一部のEAC設定ガイドでは、ファイル名にディレクトリ構造を含めるとCUEシート内部にもそのパスが記録され、後からファイルを移動した際に修正が必要になる場合があると説明されています。[参照:EAC設定ガイド・CUEシートに関する注意点]
単純にm4aへ取り込み、Apple Musicや一般的な音楽プレーヤーで聞くことが目的なら大きな問題になりにくいですが、CUEシートを使ったCDの完全バックアップを重視する場合は運用方法を確認しておいたほうがよいでしょう。
「音楽ライブラリとして整理すること」が目的なのか、「CDをCUE付きで完全保存すること」が目的なのかによって、最適な命名規則は少し変わります。
おすすめ設定を整理
通常の音楽CDをiTunesに近い形で整理したい場合は、次の設定が分かりやすいでしょう。
| 項目 | 設定例 |
|---|---|
| 保存先ディレクトリ | D:\\MUSIC |
| 通常アルバムの命名規則 | %albumartist%\\%albumtitle%\\%tracknr2% - %title% |
| 曲ファイル例 | 01 - Song.m4a |
| Various Artists用 | Various Artists\\%albumtitle%\\%tracknr2% - %artist% - %title% |
| 拡張子 | 命名規則には通常入力しない |
この設定なら、MUSICフォルダ直下へ曲が大量に並ぶ状態を防ぎ、アーティストとアルバムごとに整理できます。
まとめ|「\」を入れればEACが自動でフォルダを作成する
EACで取り込んだm4aファイルがMUSICフォルダへ直接保存されてしまう場合は、ファイル名タブの命名規則が%tracknr2% - %title%のようにファイル名だけになっている可能性があります。
iTunesに近い「アーティスト→アルバム→曲」という形式にしたい場合は、%albumartist%\\%albumtitle%\\%tracknr2% - %title%のように設定します。「\\」がフォルダの区切りになるため、EACが取り込み時に必要なフォルダを自動作成してくれます。
保存先のMUSICフォルダ自体は「ディレクトリ」タブで指定し、その下の構造を「ファイル名」タブで設定すると考えると分かりやすいでしょう。すでに取り込んだファイルは設定変更だけでは自動的に移動しないため、手動で整理するか再取り込みが必要です。またApple Musicで正しく分類するにはフォルダ構成だけでなく、アーティスト名・アルバム名・トラック番号などのタグ情報も正しく設定しておくことが重要です。


コメント