スチームパンク系のイラストや、古びた鉄板、ネジ、ギア、配管、エンジン、タイヤなどを組み合わせた武器・衣装・メカの資料を探していても、「スチームパンク」という検索語だけでは似た作品ばかり出てしまうことがあります。
実際には、求めている表現によって「ヴィクトリア調のスチームパンク」「ジャンクメカ」「インダストリアルデザイン」「レトロフューチャー」「ハードサーフェス・コンセプトアート」など検索ジャンルを分けたほうが、参考になる作家へたどり着きやすくなります。
この記事では、歯車や蒸気機関を中心とした王道スチームパンクから、寄せ集め感のある機械・武器・装備デザインまで、資料として参考にしやすいイラストレーターやコンセプトアーティストを紹介します。
- 王道スチームパンクならBrian Kesinger
- 巨大メカや武器ならChris Delarazan
- キャラクター衣装と機械装備ならMarc Ng
- 荒々しいメカ・ジャンク感なら横山宏のMa.K.
- 騎兵・兵器系スチームパンクならIgnacio Bazan-Lazcano
- 工場・歯車・建築まで描きたいならAnna Deligianni
- 純粋な機械部品の描写ならChristine Berrie
- スチームパンクとガラクタ系は検索ワードを分けると見つけやすい
- 「ガラクタ武器」ならディーゼルパンクやポストアポカリプスも探す
- 武器デザインでは部品の役割を考えると説得力が出る
- 衣装では金属部品を付けすぎないのがポイント
- おすすめ作家を目的別に整理
- まとめ|スチームパンクだけでなく「ジャンク・ディーゼルパンク・工業デザイン」まで広げて探す
王道スチームパンクならBrian Kesinger
王道的なスチームパンクの雰囲気を探しているなら、Brian Kesingerは確認しておきたい作家の一人です。アメリカのイラストレーター・アニメーションアーティストで、ヴィクトリア朝的な世界観とスチームパンクを組み合わせた作品で知られています。
潜水艦、歯車、機械装置、古典的な衣装などを組み合わせた世界観を得意としており、「機械だけでなく人物と服装まで含めたスチームパンク」を研究したい場合に向いています。Disneyで『Atlantis: The Lost Empire』などに関わった経歴もあり、機械と物語性を両立させたビジュアルが特徴です。Brian Kesingerの概要[参照]
単純に歯車を貼り付けるのではなく、「その機械がその世界で実際に使われていそう」と感じさせるデザインを学びたいときに参考になります。
巨大メカや武器ならChris Delarazan
スチームパンク風の巨大メカや武器デザインを見たい場合は、コンセプトアーティストのChris Delarazanも参考になります。
ArtStationでは「Steampunk Arctic Mech」として、蒸気機関を思わせる機械構造と武装を組み合わせたメカデザインを公開しています。大型の砲、背面機構、配管、装甲などを組み合わせており、「ガラクタを寄せ集めた兵器」という方向に近い資料として使えます。Chris Delarazan:Steampunk Arctic Mech[参照]
特に武器を描きたい場合は、完成イラストだけでなくシルエット検討やターンアラウンドを見ると、「機械の情報量をどこへ集中させるか」という考え方も学べます。
キャラクター衣装と機械装備ならMarc Ng
人物の衣装へギアや工具、機械部品を組み込みたい場合は、Marc Ngのキャラクターデザインも参考になります。
「Engineer (Steampunk Fantasy)」では、スチームパンク世界のエンジニアをテーマに、衣服・工具・装備をキャラクターとして一体化させています。人物単体で説得力のある機械装備を作りたい場合に参考にしやすい作例です。Marc Ng:Steampunk Engineer[参照]
「機械を着せる」のではなく、職業や役割から持ち物を決めている点が重要です。例えば整備士ならレンチ、圧力計、工具袋、補修した革服など、キャラクター設定から小物を増やすことで自然なデザインになります。
荒々しいメカ・ジャンク感なら横山宏のMa.K.
純粋なヴィクトリアン・スチームパンクとは少し違いますが、古びた金属、溶接跡、装甲板、実在機械の部品を寄せ集めたようなSFメカを探しているなら、横山宏の『Maschinen Krieger(Ma.K.)』は非常に参考になります。
横山宏はイラストレーター、モデラー、SFクリエイターとして活動し、代表作『Maschinen Krieger』では独特の曲面装甲や工業製品的なディテールを持つメカを数多くデザインしています。プロフィールでも映画・ゲーム・玩具のメカデザインを多数手掛けてきたことが紹介されています。横山宏プロフィール[参照]
特に「新品の機械ではなく、何度も修理されながら使われている兵器」を描きたい人には向いています。錆、塗装剥げ、増加装甲、配線、ボルトなど、機械に使用歴を感じさせる考え方を学べます。
画集やスケッチを探すなら『横山宏Ma.K.スケッチブック』や『Maschinen Krieger profile』などの関連資料があります。国立国会図書館の検索結果でも複数の関連書籍が確認できます。横山宏の関連書籍[参照]
騎兵・兵器系スチームパンクならIgnacio Bazan-Lazcano
人物と大型兵器を組み合わせた重厚なコンセプトアートを探すなら、Ignacio Bazan-Lazcanoも候補です。
ArtStationのポートフォリオには「Steampunk Cavalry」「Mech Steampunk」などの作品があり、スチームパンクと軍事デザインを組み合わせた作例を確認できます。Ignacio Bazan-Lazcanoのポートフォリオ[参照]
ガラクタ風というよりは完成度の高い軍用機械寄りですが、「兵器として説得力のある形」と「スチームパンク的装飾」を両立させたい場合に参考になります。
工場・歯車・建築まで描きたいならAnna Deligianni
キャラクターや武器だけでなく、機械そのものが密集した都市や建築を描きたい場合はAnna Deligianniの作品も面白い資料になります。
Behanceで公開されている「Small Scale Projects, Vol II : steampunk version」では、歯車、車輪、配管、建築物、橋などが一体化した細密なスチームパンク世界が描かれています。インクと水彩による線の多い画面構成も特徴的です。Anna Deligianniのスチームパンク作品[参照]
「部品をたくさん描いているのに画面が散らからないようにするにはどうするか」を研究する資料にも向いています。大小の歯車や建物を均等に並べず、大きな形と細部を組み合わせている点を見ると構成の参考になります。
純粋な機械部品の描写ならChristine Berrie
スチームパンクのキャラクターを描く前に、実在する古い機械や工業製品の形を勉強したい場合はChristine Berrieも参考になります。
Christine Berrieは、ガスメーター、ダイヤル、スイッチ、制御箱、機械、電化製品など、工業製品をテーマにしたイラストで知られる作家です。Christine Berrieの概要[参照]
ガラクタメカを説得力のあるものにするには、「架空の歯車」を大量に描くだけでなく、実物のボルト、メーター、スイッチ、接合部を観察することが重要です。そうした実在部品の形を研究する資料として使えます。
スチームパンクとガラクタ系は検索ワードを分けると見つけやすい
求めている絵が「真鍮の歯車とシルクハット」という典型的なスチームパンクではなく、廃材・鉄くず・タイヤ・エンジンを集めた武器や衣装なら、「steampunk」だけで検索しないほうが見つかりやすくなります。
例えばArtStationやPinterest、Behanceなどで次のような英語キーワードを使うと検索範囲が広がります。
- junk mech concept art
- scrap metal weapon concept art
- kitbash mechanical design
- dieselpunk character design
- industrial fantasy concept art
- rusty machinery concept art
- scrap armor character
- post apocalyptic mechanic character
- steampunk weapon concept
- clockwork machinery illustration
特に「junk」「scrap」「kitbash」「industrial」「dieselpunk」を加えると、ピカピカのスチームパンクではなく、使い古された金属や寄せ集めメカに近い作品が見つかりやすくなります。
「ガラクタ武器」ならディーゼルパンクやポストアポカリプスも探す
ネジ、エンジン、タイヤ、鉄板などを集めて作った武器を探している場合、ジャンルとしてはスチームパンクよりディーゼルパンクやポストアポカリプスに近い作品も多くあります。
スチームパンクは19世紀的な蒸気機関、真鍮、時計機構などが中心になりやすい一方、ディーゼルパンクではエンジン、鋼鉄、油汚れ、軍用機械などが増えます。さらにポストアポカリプス系になると、自動車部品や廃材を再利用した武器・装甲が多くなります。
そのため「steampunk illustrator」で見つからなければ、「dieselpunk concept artist」「post apocalyptic weapon concept」「scrap armor design」と検索すると、目的に近い画像へたどり着く可能性が高くなります。
武器デザインでは部品の役割を考えると説得力が出る
ガラクタ系の武器を描くときは、とにかく歯車やネジを貼り付ければよいわけではありません。「なぜここにこの部品があるのか」を考えることでデザインが強くなります。
例えば圧力式の銃なら、タンク、圧力計、バルブ、ホース、排気口などを一つの機構として配置します。回転式の武器なら、ギア、チェーン、軸受、モーターなど動力がどこからどこへ伝わるかを考えます。
実際の工業製品を参考にすると、架空のメカでも「動きそう」に見えます。イラストレーターの完成絵だけでなく、古い工作機械、バイクエンジン、農業機械、船舶部品などの写真も資料にすると効果的です。
衣装では金属部品を付けすぎないのがポイント
スチームパンク衣装では、ゴーグル、ギア、時計、ベルト、工具などを大量に付けたくなりますが、すべての場所へ機械部品を置くとシルエットが読みにくくなります。
例えば「片腕だけ機械義手」「腰に工具とタンク」「背中に動力機構」というように、機械情報を一部へ集中させるとキャラクターとして見やすくなります。
キャラクターデザインでは、まず職業や役割を決めてから装備を考える方法も有効です。「廃品回収屋」「蒸気機関整備士」「機械猟師」など設定を決めれば、必要な部品や武器の形も自然に決まってきます。
おすすめ作家を目的別に整理
探したい方向性によって、最初に見る作家を変えると効率的です。
| 探している方向 | 参考にしやすい作家 |
|---|---|
| 王道ヴィクトリアン・スチームパンク | Brian Kesinger |
| スチームパンク大型兵器 | Chris Delarazan |
| 機械装備を持つ人物 | Marc Ng |
| 錆びたSFメカ・寄せ集め感 | 横山宏 |
| 軍用スチームパンク | Ignacio Bazan-Lazcano |
| 機械都市・歯車・建築 | Anna Deligianni |
| 実在工業部品の観察 | Christine Berrie |
同じ「機械系」でも作家ごとに方向性がかなり違うため、1人の絵柄だけを追うより複数ジャンルを横断して見るほうが、自分のデザインへ応用しやすくなります。
まとめ|スチームパンクだけでなく「ジャンク・ディーゼルパンク・工業デザイン」まで広げて探す
歯車や蒸気機関を中心とした王道スチームパンクならBrian Kesinger、兵器や大型メカならChris DelarazanやIgnacio Bazan-Lazcano、人物装備ならMarc Ng、古びた寄せ集め機械の質感なら横山宏のMa.K.が参考になります。
また、細密な機械世界ならAnna Deligianni、現実の工業製品そのものを研究するならChristine Berrieの作品も役立ちます。
「古びた鉄製品、ネジ、ギア、エンジン、タイヤをかき集めた武器や衣装」を探したい場合は、steampunkだけでなく「junk mech」「scrap weapon」「kitbash」「dieselpunk」「industrial fantasy」「post apocalyptic」という検索語まで広げるのがポイントです。
特定の作家をそのまま模倣するのではなく、複数の作品と実在する機械資料を組み合わせて、部品の用途や動力の流れまで考えると、単なる装飾ではない説得力のあるガラクタメカやスチームパンク装備を描きやすくなります。


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