REAPERでMIDIアイテムを編集していると、アイテムプロパティの音量(Volume)を下げることはできるのに、上げても音量が変わらないという現象に遭遇することがあります。これは故障や不具合ではなく、MIDIデータとオーディオデータの仕組みの違いが関係しているケースがほとんどです。この記事では、MIDIアイテムの音量が上がらない理由や対処法について詳しく解説します。
MIDIアイテムの音量とオーディオアイテムの音量は仕組みが違う
まず理解しておきたいのが、MIDIアイテム自体には音声データが入っていないという点です。MIDIは「どの音を、どの強さで、どのタイミングで鳴らすか」という演奏情報を記録しているだけです。
一方、オーディオアイテムは実際の音声波形を持っています。そのため、オーディオアイテムの音量を+6dBや+12dBにすると、そのまま音量が大きくなります。
しかしMIDIアイテムの場合、最終的な音量は音源プラグインやMIDIベロシティによって決まるため、アイテムプロパティの音量を上げても期待したほど変化しない場合があります。
音量を下げられるのに上げられない理由
REAPERのMIDIアイテム音量は、基本的に減衰方向には確実に作用します。しかし増幅方向では音源側の上限に達している場合があります。
例えばベロシティがすでに127(最大値)になっているMIDIノートを鳴らしている場合、それ以上強く演奏するという情報はMIDI規格上存在しません。
そのため、アイテムゲインを上げても音源側で制限され、結果的に音量変化がほとんど感じられないことがあります。
| 状況 | 音量変化 |
|---|---|
| MIDIアイテム音量を下げる | 反映されやすい |
| MIDIアイテム音量を上げる | 音源の上限次第 |
| ベロシティ127付近 | ほぼ変化しない場合あり |
まず確認したいベロシティ設定
MIDIエディタを開き、ノートのベロシティを確認してみましょう。
ベロシティが低い状態なら、ベロシティを上げることで音量やアタック感が向上する可能性があります。
逆にすべてのノートが120〜127付近になっている場合は、MIDI情報としてはほぼ最大出力になっているため、別の方法で音量を稼ぐ必要があります。
音源プラグイン側の出力レベルも確認する
Kontakt、Serum、HALion、EZDrummerなど多くのソフト音源には独自のボリューム設定があります。
REAPERのMIDIアイテム音量を変更しても、音源側のマスター音量が低く設定されていると十分な変化が得られません。
特にサンプラー系音源ではベロシティと音量が完全には連動していないこともあるため、音源内部のボリュームフェーダーや出力設定を確認することが重要です。
確実に音量を上げる方法
MIDIアイテムの音量で変化しない場合は、以下の方法が有効です。
- トラックフェーダーを上げる
- 音源プラグインの出力レベルを上げる
- ベロシティを調整する
- JS VolumeやReaEQなどのプラグインでゲインを追加する
- レンダリング後にオーディオとして増幅する
これらの方法はMIDIの制約を受けないため、より確実に音量を上げられます。
アイテムプロパティが効かないように見えるケース
音源によってはMIDIボリューム(CC7)やエクスプレッション(CC11)が設定されており、アイテムゲインよりも優先される場合があります。
またオートメーションでトラック音量が固定されているケースや、リミッター・コンプレッサーによって音量変化が抑えられているケースもあります。
アイテム音量だけでなく、トラック全体の信号経路を確認すると原因が見つかることがあります。
まとめ
REAPERのMIDIアイテムで音量を下げられるのに上げられない場合、多くはMIDIデータの特性や音源側の出力上限が原因です。MIDIアイテムはオーディオデータではないため、アイテムゲインを上げても必ずしも音量が大きくなるとは限りません。
まずはベロシティ、音源プラグインのボリューム、CC7やCC11の設定を確認し、それでも不足する場合はトラックフェーダーやゲインプラグインを活用するのがおすすめです。原因を切り分けることで、意図した音量調整ができるようになります。


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