気象庁ホームページの「過去の気象データ・ダウンロード」では、都道府県単位で「県内全地点選択」を行えますが、全国すべての観測地点を一度に選択する機能は用意されていません。
しかし、ブラウザ上の操作を自動化するスクリプトやExcel VBAを利用すれば、47都道府県の地点選択を手作業で繰り返す必要はありません。この記事では、専門的な開発環境を使わず、VBAやブラウザの開発者ツールで実現する方法を解説します。
気象庁の過去データ取得で全国地点選択が難しい理由
気象庁の「過去の気象データ・ダウンロード」では、観測地点を都道府県ごとに管理しています。そのため、画面上では「北海道内全地点」「東京都内全地点」のような選択はできますが、「全国すべて」というボタンはありません。
これは、気象庁が提供するデータ量が非常に多いためです。全国の気温や降水量などを長期間取得すると、数十万件以上のデータになることもあり、利用者が必要な地域だけを選べる仕組みになっています。
例えば、過去30年間の全国の気温データを取得する場合、手作業で47都道府県を順番に開いて地点を選択するのは非常に時間がかかります。そのため、自動化することで作業時間を大きく短縮できます。
方法1:ブラウザのJavaScriptで地点選択を自動化する
気象庁のページはブラウザ上で動作しているため、JavaScriptを利用すると、現在表示されているページ内のボタン操作を自動実行できます。
Chromeなどのブラウザで気象庁の地点選択画面を開き、開発者ツール(F12キー)から「Console」を表示します。そこへJavaScriptを入力することで、画面上の選択処理を繰り返し実行できます。
例えば、ページ内のすべてのチェックボックスを選択する基本的な処理は以下のようになります。
document.querySelectorAll('input[type="checkbox"]').forEach(function(e){e.checked=true;});
ただし、気象庁のページ構造は変更される可能性があります。そのため、実際には地点選択ボタンや都道府県選択ボタンのHTML構造を確認して調整する必要があります。
方法2:Excel VBAからブラウザ操作を自動化する
普段Excelを利用している場合は、VBAを使ってクリック操作を自動化する方法もあります。VBAなら、一覧表から都道府県コードや地点コードを読み込み、自動的に選択処理を行う仕組みを作れます。
例えば、Excelに以下のような表を作成します。
| 地域 | 都道府県コード |
|---|---|
| 北海道 | 01 |
| 東京都 | 13 |
| 大阪府 | 27 |
この一覧をもとにVBAでURLを切り替えたり、必要な地点情報を順番に処理したりすることで、全国データ取得用の作業を自動化できます。
ただし、最近のブラウザではセキュリティ上の理由から、VBAだけでWebページのボタンを自由に操作することは難しくなっています。その場合は、Excel VBAからPower AutomateやSeleniumなどを組み合わせる方法が現実的です。
方法3:地点コードを利用して直接データ取得する
大量の地点を扱う場合、画面操作よりも地点コードを利用してデータ取得する方法がおすすめです。
気象庁では各観測地点に固有の番号が設定されています。この地点番号を一覧化すれば、47都道府県を順番にクリックする必要がなくなります。
例えば、全国のアメダス地点一覧をExcelに保存し、地点番号ごとに必要な期間のデータ取得処理を繰り返す方法があります。これは研究用途や気象データ分析でもよく利用される方法です。
初心者でも扱いやすい自動化の流れ
プログラミング経験が少ない場合は、最初から全国一括取得を目指すより、以下の流れで作成すると失敗しにくくなります。
- 1つの都道府県だけ自動選択する
- 複数の都道府県を順番に処理する
- 全国47都道府県の処理へ拡張する
- 取得したCSVファイルをExcelで整理する
例えば、最初に東京都だけを対象にVBAやスクリプトを作成し、正常に動作した後で北海道、大阪府などを追加していく方法です。
いきなり全国処理を作ると、途中でエラーが発生した場合に原因を特定しにくくなります。小さい単位から拡張することが効率的です。
気象庁データ自動取得時の注意点
気象庁のWebページを自動操作する場合は、短時間に大量のアクセスを繰り返さないよう注意が必要です。
例えば、全国1300地点以上のデータを取得する場合でも、処理間隔を設定したり、一度取得したデータを保存して再利用したりすることで、サーバーへの負荷を減らせます。
また、ページ構造の変更によってスクリプトが動かなくなる場合があります。そのため、長期間利用する場合は地点一覧や取得方法を定期的に確認することが重要です。
まとめ
気象庁の過去の気象データ・ダウンロードでは、標準機能だけで47都道府県すべての地点を一括選択することはできません。
しかし、JavaScriptやExcel VBAを利用すれば、地点選択作業を自動化できます。初心者の場合は、まず1県単位の処理から作成し、徐々に全国対応へ広げる方法がおすすめです。
大量の気象データを扱う場合は、画面操作の自動化だけでなく、地点コードを利用したデータ取得方法も検討すると、より効率的に全国データを扱えるようになります。


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