SNSやQ&Aサイトで、イラスト風、アニメ風、フィギュア風、写真のようにリアルな人物など、似たテイストのAI生成画像を頻繁に見かけるようになりました。そのため「この画像はどのアプリで作ったのだろう」と気になることもあります。
ただし、完成した画像だけを見て、使用された生成AIやアプリを正確に特定することは基本的に困難です。現在は複数の画像生成AIが似た表現を作れるうえ、生成後に別のアプリで加工したり、SNSへ投稿する際に画像情報が失われたりすることもあるためです。
そのため、特定の画像について調べる場合は、見た目だけでアプリ名を断定するのではなく、投稿文、透かし、画像のメタデータ、投稿者の説明なども確認する必要があります。ここでは、最近のAI画像を作成できる代表的なサービスと、元画像から使用ツールを推測するときのポイントを解説します。
- 結論:画像だけから「このアプリ」と断定するのは難しい
- 最近のAI画像を作れる代表的なサービス
- ChatGPTでもAI画像を作成できる
- Midjourneyも有力なAI画像生成サービス
- Adobe Fireflyなら画像生成と加工を組み合わせやすい
- Stable Diffusion系では同じ仕組みでも絵柄が大きく変わる
- 「最近よく見る同じテイスト」になる理由
- AI画像の「テイスト」はプロンプトで大きく変えられる
- 画像からアプリを推測するときに確認したいポイント
- ファイルのメタデータから分かる場合もある
- 画像に透かしがあれば重要な手掛かりになる
- AI生成画像かどうか自体も100%判定できるとは限らない
- 同じような画像を作りたいならアプリ名より特徴を言葉にする
- 自分の写真をAI風に加工したい場合
- 無料で作れるかはサービスによって異なる
- 商用利用やSNS投稿では利用規約も確認する
- 「どのアプリ?」を特定したいときの現実的な調べ方
- まとめ|AI画像は見た目だけではアプリを断定できない
結論:画像だけから「このアプリ」と断定するのは難しい
AI生成画像には「この絵柄なら必ずこのアプリ」という明確な対応関係はありません。同じような画像を複数の生成AIで作れるからです。
例えば、柔らかいアニメ調の人物、映画のワンシーンのような写真、3Dフィギュア風のキャラクター、絵本風の動物などは、現在では複数の画像生成サービスで作成できます。
画像のテイストだけを根拠に「これは○○で作った画像」と決めつけるのは避け、「○○などで作れる可能性がある」と考えるのが適切です。
最近のAI画像を作れる代表的なサービス
AI画像を作成できるサービスは非常に多く、スマートフォンだけで利用できるものから、パソコンで細かく調整するものまであります。代表的な選択肢としては、ChatGPT、Adobe Firefly、Midjourney、Googleの画像生成機能などがあります。
| サービス | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| ChatGPT | 会話しながら画像を生成・修正できる | 初心者、写真加工、イラスト、デザイン案 |
| Adobe Firefly | 画像生成や生成塗りつぶしなどAdobe製品との連携が充実 | デザイン、広告素材、画像加工 |
| Midjourney | スタイル性の高い画像生成で広く利用されている | コンセプトアート、イラスト、雰囲気重視の作品 |
| Googleの画像生成機能 | Googleの生成AIモデルを利用した画像生成・編集 | 会話形式の生成、画像編集、アイデア作成 |
| Stable Diffusion系 | モデルや設定を変更して細かく調整できる環境が多い | 高度なカスタマイズ、特定画風の研究 |
サービスによって料金、利用回数、対応端末、商用利用条件などは変わります。また生成AIの機能は頻繁に更新されるため、利用前には各サービスの公式情報を確認することが重要です。
ChatGPTでもAI画像を作成できる
現在のChatGPTには画像生成・編集機能があり、「○○のような雰囲気の画像を作って」と文章で伝えて画像を作成できます。さらに、作成された画像について「背景を夜に変更」「服を別の色にする」といった会話形式の修正もできます。
OpenAIはChatGPTの画像生成について、テキストの指示だけでなく、アップロードした画像を基にした編集などにも対応しています。OpenAI公式・画像生成について[参照]
そのためSNSで見かけるAIイラストや写真風画像についても、ChatGPTで似た方向性の画像を作れる場合があります。ただし、「似た画像を作れる」ことと「元画像がChatGPT製である」ことは別です。
Midjourneyも有力なAI画像生成サービス
AI生成画像でよく名前が挙がるサービスの一つがMidjourneyです。文章による指示から画像を生成でき、人物、風景、ファンタジー、コンセプトアートなど幅広い表現に利用されています。Midjourney公式サイト[参照]
過去には「Midjourneyらしい絵柄」と言われる特徴が目立つ時期もありましたが、モデルの進化や設定の多様化によって表現できる範囲は広がっています。
そのため「絵がきれいだからMidjourney」「映画のようだからMidjourney」といった見た目だけの判定は信頼できません。ほかの生成AIでも近い雰囲気を再現できる場合があります。
Adobe Fireflyなら画像生成と加工を組み合わせやすい
Adobe Fireflyも代表的な生成AIサービスです。テキストからの画像生成に加え、画像の一部分を生成AIで変更するといった編集にも利用できます。Adobe Firefly公式サイト[参照]
例えば、人物写真の背景だけを変更したり、画像内の不要な物を削除して別の物へ置き換えたりする使い方があります。
このように「AIで作った画像」と呼ばれているものでも、実際には最初から最後までAIが生成した画像とは限りません。実写写真を生成AIで加工した作品や、AI生成画像をPhotoshopなどで仕上げた作品もあります。
Stable Diffusion系では同じ仕組みでも絵柄が大きく変わる
Stable Diffusion系の画像生成環境では、使用するモデルや追加データ、プロンプト、生成設定などによって仕上がりを大きく変えられます。
同じ「Stable Diffusion系」という分類でも、リアルな写真に近い人物を得意とするモデル、アニメイラストを得意とするモデル、3D調を得意とするモデルなどが存在します。そのため完成画像から使用環境を一意に特定することはさらに難しくなります。
また、ローカルPCで生成する人もいれば、Stable Diffusion系モデルを採用したWebサービスやアプリを利用する人もいます。「どのAIモデルか」と「どのアプリで操作したか」が一致しないこともあるわけです。
「最近よく見る同じテイスト」になる理由
異なる生成AIを使っているのに、SNS上で似た画像が大量に見つかることがあります。その理由の一つが、流行しているプロンプトや加工方法が共有されることです。
例えば、SNSで特定のAI画像表現が話題になると、その作り方や指示文をまねする投稿が増えます。同じアプリを使っているケースだけでなく、似た指示を別のAIへ入力して再現しているケースもあります。
さらに画像生成サービス側にも、写真風、アニメ風、3D風、レトロ風などのプリセットが用意されていることがあります。こうした要素が重なると、異なるツールでも似た作品が生まれます。
AI画像の「テイスト」はプロンプトで大きく変えられる
生成AIでは、使用するアプリ以上に「どのような指示を与えたか」が画像の雰囲気を左右する場合があります。この文章による指示は一般にプロンプトと呼ばれます。
例えば単に「猫を描いて」と指定する場合と、「柔らかな自然光が差し込む室内に座る猫、浅い被写界深度、暖かな雰囲気の写真」と指定する場合では、同じ生成AIでも結果が大きく変わります。
イラストの場合も、色調、線の太さ、構図、背景、光、質感、時代感などを具体的に伝えることでテイストを調整できます。そのため、気に入った画像を再現したい場合は「どのアプリか」だけでなく、「その見た目を構成している特徴は何か」を分析することが重要です。
画像からアプリを推測するときに確認したいポイント
元画像しか手元にない場合でも、いくつか確認できる情報があります。見た目だけで推測するより、周辺情報を調べたほうが精度は上がります。
- 投稿本文にAIサービス名が書かれていないか確認する
- ハッシュタグにサービス名やモデル名がないか確認する
- 画像の隅にロゴや透かしがないか確認する
- 投稿者の過去投稿で制作方法を説明していないか確認する
- ダウンロードした原本ならメタデータが残っていないか確認する
- 同じ投稿のコメント欄で作成方法が説明されていないか確認する
特に投稿者本人が「○○で作成」と明記している場合は有力な情報です。それ以外はあくまで推測として扱うのが安全です。
ファイルのメタデータから分かる場合もある
画像ファイルには、作成ソフトなどに関するメタデータが保存されている場合があります。元ファイルを入手できる場合は、その情報から制作環境について手掛かりを得られることがあります。
ただしSNSへアップロードするとメタデータが削除されたり、画像が再圧縮・再変換されたりすることがあります。また、Photoshopなどで加工して保存し直せば、最後に使用した編集ソフトの情報だけが残る場合もあります。
したがって、メタデータがないことは「AI生成ではない」という証拠にはならず、逆に特定のソフト名があったとしても、そのソフトだけで最初から生成されたとは限りません。
画像に透かしがあれば重要な手掛かりになる
一部の画像生成サービスやアプリでは、生成画像へロゴや透かしが付く場合があります。この場合はサービスを特定する有力な手掛かりになります。
ただし、画像をトリミングすれば透かし部分を除去できることがありますし、サービスのプランや生成方法によって透かしの有無が異なることもあります。そのため「透かしがないから、そのサービスではない」とまでは言えません。
また、画像の端に小さなマークがあるからといって、それが必ず生成AIのロゴとは限りません。投稿アプリや編集アプリによって追加された表示の可能性もあります。
AI生成画像かどうか自体も100%判定できるとは限らない
生成AIの性能が向上したことで、画像を見ただけではAI生成か実写か判断しにくいケースも増えています。手指、文字、背景などの不自然さは手掛かりになることがありますが、これらも絶対的な判定方法ではありません。
逆に、実写写真にも手ぶれ、圧縮ノイズ、奇妙な遠近感などが発生します。「指がおかしいように見える」「背景が少し不自然」というだけでAI生成だと断定することも避けるべきです。
特定の人物や出来事について真偽を確認する必要がある場合は、画像の見た目だけではなく、出典、投稿日時、撮影元、報道機関など複数の情報を確認する必要があります。
同じような画像を作りたいならアプリ名より特徴を言葉にする
気に入ったAI画像と似た雰囲気を自分でも作りたい場合は、「この画像を作ったアプリ」を完全に特定できなくても問題ありません。現在の生成AIでは、画像の特徴を言語化することで近い方向性を目指せます。
例えば人物画像なら、「写真風かイラスト風か」「顔のデフォルメ具合」「光は柔らかいか強いか」「背景は室内か屋外か」「色はパステル調か鮮やかか」「3Dフィギュアのような質感か」といった要素に分解します。
そのうえで、使用する画像生成AIへ「柔らかな光」「パステルカラー」「ミニチュアフィギュア風」「背景をぼかす」など、求める特徴を具体的に伝えます。特定の作品や存命のクリエイターの作風をそのまま再現することにこだわるより、視覚的特徴を具体的な言葉で指定するほうが調整しやすくなります。
自分の写真をAI風に加工したい場合
最近よく見かけるAI画像には、完全にゼロから人物を生成したものだけでなく、本人やペットの写真をアップロードして加工したものもあります。
例えば「この犬の写真をぬいぐるみ風にする」「自分の写真を3Dキャラクター風にする」「部屋の写真をミニチュア風にする」といった編集です。このタイプの画像は、元写真の構図や人物の特徴がある程度残るため、ゼロから生成した画像とは作り方が異なります。
自分の写真をアップロードする場合は、そのサービスのプライバシー設定や利用規約も確認しましょう。特に他人の顔写真を本人の許可なくアップロード・加工・公開することには注意が必要です。
無料で作れるかはサービスによって異なる
AI画像生成サービスには無料枠を提供しているもの、有料プランが中心のもの、契約プランによって生成回数や機能が変わるものがあります。
また料金体系は頻繁に変更されます。「以前は無料だった」「SNSでは無料と紹介されていた」という情報が現在も有効とは限らないため、利用時点の公式料金ページを確認することが重要です。
単発で試したい場合は、すでに利用している生成AIサービスに画像生成機能が含まれていないか確認するとよいでしょう。本格的に大量生成したい場合は、料金だけでなく生成回数、画質、編集機能、利用規約などを比較します。
商用利用やSNS投稿では利用規約も確認する
個人的にAI画像を作って楽しむ場合と、ブログ、広告、商品、YouTube、SNSの収益化投稿などで利用する場合では確認すべき点が異なります。
サービスによって生成物に関する利用条件や商用利用の条件が定められています。また、生成AIサービスの規約とは別に、実在人物、企業ロゴ、キャラクター、著作物などを含む画像には別の権利問題が生じる可能性があります。
仕事や販売目的で使う場合は「AIで生成できたから自由に何でも使える」と考えず、使用するサービスの最新の利用規約と、画像に含まれる要素の権利関係を確認することが大切です。
「どのアプリ?」を特定したいときの現実的な調べ方
特定のAI画像について使用アプリを調べるなら、画像そのものの絵柄当てをするより、情報源をたどる方法が現実的です。
まず元の投稿を探し、本文・ハッシュタグ・コメントを確認します。それでも分からなければ、投稿者が制作過程や使用ツールを別の投稿で公開していないか確認します。本人へ質問できる状況なら、使用したサービスを尋ねるのが最も確実です。
画像しか残っておらず、出典もメタデータもない場合は、ChatGPT、Midjourney、Adobe Firefly、Googleの画像生成機能、Stable Diffusion系など複数の候補を挙げることはできても、原則として一つへ断定することはできません。
まとめ|AI画像は見た目だけではアプリを断定できない
最近SNSなどで見かけるAI画像は、ChatGPT、Midjourney、Adobe Firefly、Googleの画像生成機能、Stable Diffusion系をはじめ、さまざまなサービスで作成できます。
現在の画像生成AIは表現できる範囲が広く、プロンプトやモデル、編集方法によって同じサービスでもまったく異なる画像になります。反対に、別々のサービスから非常によく似たテイストの画像が生成されることもあります。
そのため、元画像を見ただけで「このアプリで作られた」と断定するのは難しく、投稿文、ハッシュタグ、透かし、メタデータ、投稿者本人の説明などを確認することが重要です。
同じような画像を自分で作りたいだけであれば、元のアプリを完全に特定する必要はありません。写真風・イラスト風・3D風といった大まかな方向性に加え、光、色、構図、背景、質感などの特徴を言葉にして画像生成AIへ伝えることで、近い雰囲気を目指せます。
なお、特定の画像について正確に使用アプリを推測したい場合は、画像そのものに加えて、元投稿や透かしなどの情報が重要になります。画像がない状態では特定のアプリ名を断定せず、複数の候補を考えるのが適切です。


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