AIを活用して、フォルダ内のテキストファイルを読み込み、特定の行を書き換えて保存するマクロを作成した経験は、単なる偶然ではありません。現在ではプログラミング経験が少ない人でもAIを活用することで、これまで専門職に依頼していたような業務改善を自分自身で実現できる時代になっています。
一方で、「AIにコードを書いてもらっただけだから大したことではない」と感じる人もいます。しかし、業務の問題点を発見し、原因を調査し、必要な処理を考えてAIに適切な指示を出し、実際に動く形まで完成させることは立派なスキルです。この記事では、AIを使ったマクロ作成の価値や、従来のプログラマーによる開発との違いについて解説します。
AIを使って業務改善することが難しい理由
AIに「フォルダ内のテキストファイルの8行目を書き換えるマクロを作って」と依頼するだけなら簡単に見えます。しかし、その前段階には多くの判断が必要です。
例えば、元データがテキストファイルであることを確認し、どの項目が不足しているのか調査し、8行目が対象だと発見したことは、人間が行った重要な分析です。
プログラムを書く作業だけを見るとAIが補助できますが、「何を自動化すべきか」「どこを変更すれば問題が解決するか」を考える力は人間側の能力です。
昔なら専門職が担当していた作業を個人で実現できる時代
以前であれば、今回のような作業はシステム担当者やプログラマーへ依頼するケースが一般的でした。
担当者は現状確認、仕様確認、プログラム作成、テスト、修正という工程を踏むため、簡単な修正でも数日から数週間かかることがあります。
しかし現在は、現場の業務を一番理解している人がAIを使って小さな自動化ツールを作ることが可能になりました。これは企業にとって大きな価値があります。
AIがあっても問題解決能力がなければマクロは作れない
AIは万能な開発者ではありません。指示が曖昧であれば、目的と違うコードを作ることもあります。
今回のケースでは、「特定の項目が空欄になっている」「テキストファイルを見ると8行目が該当している」という原因分析ができたからこそ、AIに正しい依頼ができています。
例えば、「仕事で毎日100個のファイルを修正しています。自動化してください」とだけ伝えても、AIは正確な処理内容を判断できません。どのファイルを対象にするのか、どの部分を変更するのか、保存方法はどうするのかを整理する必要があります。
プロのプログラマーが見るコードと業務改善の価値は別物
専門のシステム開発者が見ると、AIが作成したコードには改善点がある場合があります。エラー処理が不足していたり、効率が悪かったり、保守性が低かったりすることもあります。
しかし、業務改善の価値はコードの美しさだけで決まりません。現場の時間を短縮し、ミスを減らし、誰かの負担を減らせたこと自体に大きな意味があります。
例えば、毎日30分かかっていた作業を自動化できれば、年間では数十時間以上の削減になる可能性があります。小さなマクロでも会社全体では大きな効果になることがあります。
AI時代に評価されるのは問題発見と改善の力
これからの時代は、単純にプログラムを書ける人だけが評価されるわけではありません。業務の中から無駄を見つけ、改善方法を考え、AIなどのツールを使って形にできる人の価値が高まっています。
特に現場で働いている人は、その業務の細かい問題を一番理解しています。その知識とAIを組み合わせることで、システム部門だけでは気づけなかった改善が生まれることがあります。
「AIに作らせたから自分の力ではない」と考える必要はありません。電卓を使って計算することと同じように、便利な道具を使って成果を出す能力も重要なスキルです。
AIで作ったマクロを業務で使う場合の注意点
一方で、業務利用する場合は作成したマクロの動作確認やバックアップを忘れないことが大切です。
特に元データを書き換える処理では、間違った条件で実行すると大量のファイルを変更してしまう可能性があります。テスト用データで確認してから本番利用することが安全です。
また、後から修正できるように「何をするマクロなのか」「どのファイルを対象にするのか」など簡単な説明を残しておくと、保守もしやすくなります。
まとめ
AIを使って半日で業務用マクロを作成できたことは、決して小さなことではありません。重要なのはコードを書く速度ではなく、問題を発見し、原因を調べ、適切な解決方法を考えた点です。
AIによってプログラミングのハードルは下がりましたが、AIを使って価値ある改善を生み出すには、人間の観察力や発想力が必要です。現場の知識を持つ人がAIを活用して業務改善することは、これからさらに重要な能力になっていきます。


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