OpenUTAUで自作音源を使って歌声を制作していると、通常の発声だけでは表現しにくい「がなり声」や「グロウル表現」を作りたくなることがあります。特にLimu coverのような力強い歌唱表現では、短いシャウトではなく、長く維持されるSustained Growl(持続するがなり声)が重要になります。
しかし、単純に音源を加工するだけでは不自然な唸り声になったり、音程が崩れたりすることがあります。この記事では、OpenUTAUで自作音源から自然なSustained Growlを作成するために重要なポイントを解説します。
Sustained Growlとはどのような歌声表現なのか
Sustained Growlとは、通常の歌声に低い唸りや粗い倍音成分を加えた状態を長時間維持する発声表現です。ロックやメタル系のボーカル、力強いカバー作品などでよく使用されます。
短い「ガッ」という瞬間的ながなりとは異なり、Sustained Growlでは音程を保ちながら声の荒さを維持する必要があります。そのため、単純なノイズ追加や音量アップだけでは自然な表現になりにくいです。
OpenUTAUでは音源の録音状態、原音設定、エンベロープ、ピッチ操作など複数の要素を調整することで、持続するグロウル表現に近づけることができます。
自作音源でGrowlを作る場合に重要な録音ポイント
Sustained Growlの品質は、加工技術だけではなく元となる音源の品質に大きく影響されます。通常音源だけを加工すると、声の芯が弱くなったり機械的な印象になったりする場合があります。
可能であれば、自作音源には通常発声とは別に、少し低めで荒い発声を録音した音素を用意すると効果的です。
- 通常音源
- 強音源(力強い発声)
- 息成分を含む音源
- 低めの唸りを含んだ特殊音源
例えば「あ」の母音を通常発声と少し喉を締めた発声の2種類で録音しておくと、後からOpenUTAU上で切り替えながら自然なグロウル表現を作りやすくなります。
OpenUTAUでGrowlを作る基本的な調整方法
OpenUTAUでは、まず歌声の土台を安定させた上で加工を行うことが重要です。最初から強いエフェクトをかけると、音程感が失われたり音源の個性が消えてしまうことがあります。
基本的な調整ポイントは以下の通りです。
| 調整項目 | ポイント |
|---|---|
| 音量 | 通常歌唱より少し強めに調整 |
| ピッチ | 大きく揺らしすぎず芯を残す |
| BREなどの声質調整 | 息や荒さを加える |
| エンベロープ | 立ち上がりと維持部分を調整 |
特に長く伸ばす音では、音の後半部分で声の荒さが消えないように調整することが重要です。
長く維持するGrowlを作るための具体的なコツ
Sustained Growlで最も難しい部分は、音の始まりではなく維持部分です。最初だけ荒くても、伸ばしている途中で通常声に戻ってしまうと、自然なグロウルには聞こえません。
そのため、伸ばす母音部分に対して以下のような調整を行うと効果的です。
- 母音部分の荒い成分を残す
- クロスフェードで急激な変化を避ける
- 音量変化を滑らかにする
- 低域と中域のバランスを整える
例えば「Aーーー」というロングトーンを作る場合、最初の「あ」だけを加工するのではなく、伸ばしている母音全体にグロウル成分が存在するように調整すると自然になります。
エフェクト処理で自然なグロウル感を出す方法
録音した音源だけで十分な荒さが出ない場合は、外部エフェクトを利用する方法もあります。
代表的な処理としては、軽い歪み(Distortion)、サチュレーション、コンプレッサーなどがあります。ただし、強くかけすぎると声が潰れてしまうため注意が必要です。
実際の歌声でも、がなり声は単純な大音量ではなく、倍音や声帯の振動によって特徴的な質感が生まれています。そのため、加工では「荒さを追加する」だけではなく「声の芯を残す」ことが重要です。
音源設定や原音設定を見直すポイント
OpenUTAUで特殊な歌唱表現を作る場合、原音設定も大きく影響します。特に長い音では、先行発声や固定範囲の設定が適切でないと、音の途中で不自然な変化が起こることがあります。
以下の点を確認すると改善する場合があります。
- 長い母音部分が十分確保されているか
- 固定範囲が適切に設定されているか
- クロスフェード部分が不自然になっていないか
自作音源の場合は、通常歌唱用の設定だけではなく、特殊発声用に原音設定を調整した音素を作成すると表現の幅が広がります。
まとめ
OpenUTAUでSustained Growlを作成するには、単純な加工だけではなく、音源作成時の録音品質、原音設定、ピッチや音量の調整を総合的に考えることが重要です。
特に長く維持するがなり声では、最初の強さよりも、伸ばしている間も荒い質感と音程の安定を保てるかがポイントになります。
自作音源に特殊発声を用意し、OpenUTAU上で丁寧に調整することで、Limu coverのような力強く表現力のある歌声制作に近づけることができます。


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