静岡県伊東市の前市長・田久保真紀被告をめぐる学歴問題では、偽造されたとされる大学の卒業証書について、「パソコンで何のソフトを使って作ったのか」と疑問を持つ人もいるでしょう。筆まめや筆ぐるめ、Microsoft Word、画像編集ソフトなど、文書を作成できるソフトはいくつもあります。
しかし、2026年8月時点で確認できる主要報道では、押収されたパソコンから卒業証書を作成する際に使われたとみられるデータが見つかったことは報じられているものの、具体的なソフト名までは公表されていません。
そのため、「Wordを使った」「筆まめだった」「画像編集ソフトだった」などと特定するのは現時点では根拠のない推測になります。この記事では、現在までに公表されている事実、まだ分かっていないこと、なぜソフト名を簡単には特定できないのかを整理します。
- 田久保真紀被告をめぐる卒業証書問題とは
- 2026年8月にパソコンから卒業証書データが見つかったと報道
- 具体的な作成ソフトの名前は公表されていない
- 筆まめや筆ぐるめだったと考える根拠も現時点ではない
- Wordだった可能性もあるが断定はできない
- パソコンにデータがあれば作成ソフトを特定できる場合はある
- ファイル形式が分かれば候補を絞れることもある
- 「データが見つかった」と「本人が作成した」は同じ意味ではない
- 印鑑についてはネット注文したと検察側が主張している
- 百条委員会では卒業証書そのものが提出されなかった
- 「どのソフトなら作れるか」と「事件で使われたソフト」は分けて考える
- 裁判が始まればソフト名が明らかになる可能性もある
- ネット上の推測を事実として引用しないことが重要
- 現時点で分かっていること・分からないこと
- 「被告」という表現にも注意が必要
- まとめ:田久保真紀被告の卒業証書に使われたソフト名は現時点では不明
田久保真紀被告をめぐる卒業証書問題とは
田久保真紀被告は、東洋大学を卒業したとの経歴をめぐって問題となり、その後、偽の卒業証書を作成して市議会の正副議長らに示したなどとして、有印私文書偽造・同行使などの罪で在宅起訴されています。
報道によると、起訴内容では、大学を除籍されていたにもかかわらず卒業者として氏名を記載し、業者へ発注したとされる大学学長らの印鑑を押して卒業証書を偽造したとされています。
ただし、これはあくまで検察側の起訴内容です。田久保被告側は偽造への関与を否定し、卒業証書が偽物であるなら第三者が作成した可能性があるとして無罪を主張する方針と報じられています。刑事裁判で最終的な判断が確定する前に、起訴内容を確定した事実として扱わないことが重要です。
2026年8月にパソコンから卒業証書データが見つかったと報道
2026年8月25日から26日にかけて、田久保被告宅から押収されたパソコンを静岡県警が解析したところ、偽造された卒業証書を作る際に使ったとみられるデータが見つかっていたことが複数の報道機関によって報じられました。
テレビ朝日は、押収されたパソコンから卒業証書の偽造データが見つかり、それを印刷したうえで、ネット注文した東洋大学学長らの名前の印鑑を押したと捜査側がみていると報じています。[参照]
共同通信系の記事でも、パソコンをサイバー捜査で解析した結果、証書を作る際に使ったとみられるデータが見つかったと報じられています。[参照]
具体的な作成ソフトの名前は公表されていない
ここで重要なのは、「卒業証書とみられるデータがパソコンに存在した」という報道と、「どのソフトで作ったか判明した」という話は別だということです。
2026年8月時点で確認できる主要な報道では、データについてMicrosoft Word、Excel、PowerPoint、Adobe Illustrator、Photoshop、筆まめ、筆ぐるめなど、具体的なアプリケーション名は明らかにされていません。
ファイル形式についても、Word文書の「.docx」だったのか、PDFだったのか、JPEGやPNGなどの画像ファイルだったのか、あるいは別の形式だったのかは主要報道では明確になっていません。
筆まめや筆ぐるめだったと考える根拠も現時点ではない
筆まめや筆ぐるめは、年賀状や宛名印刷、はがき、ラベルなどを作成するソフトとして知られています。文字、画像、図形などを配置できるため、「卒業証書のような文書も作れるのでは」と連想する人もいるかもしれません。
しかし、現在公表されている捜査情報から筆まめや筆ぐるめが使われたと判断できる材料はありません。
「文書をレイアウトできるソフトだから使った可能性がある」ということと、「実際にそのソフトが使われた」ということはまったく別です。証拠がない段階で特定の製品名を挙げることは避けたほうが適切です。
Wordだった可能性もあるが断定はできない
Microsoft Wordは文字、画像、罫線、テキストボックスなどを自由に配置できるため、賞状や証明書風の文書を作ること自体は技術的に可能です。
そのためネット上では「Wordでも作れるのでは」と推測されることがありますが、田久保被告の事件でWordが使用されたことを示す公的な情報や主要報道は、現時点では確認されていません。
同様に、PowerPointや画像編集ソフトなども文書レイアウトに利用できますが、それだけを理由に使用ソフトを推定することはできません。
パソコンにデータがあれば作成ソフトを特定できる場合はある
デジタル・フォレンジックでは、パソコン内に残されたファイルからさまざまな情報を調べられる場合があります。
例えばファイルの拡張子、作成日時、更新日時、内部メタデータなどには、作成に使われたアプリケーション名やバージョンが記録されることがあります。
具体例として、Wordで作成した文書ならOffice関連の情報がファイル内部に残る場合があり、PDFでも生成したソフト名がメタデータへ記録されるケースがあります。ただし、こうした情報が必ず残るわけではなく、変換・編集・削除などによって変化することもあります。
ファイル形式が分かれば候補を絞れることもある
もし押収データが「.docx」であればMicrosoft WordなどOffice Open XML形式を扱うソフトが候補になります。「.psd」であればAdobe Photoshop、「.ai」であればAdobe Illustratorを使用した可能性が高まります。
一方、見つかったファイルが単なるPDFやJPEGだった場合、そのファイルだけから元の作成ソフトを確実に断定できるとは限りません。
例えばWordで文書を作ってPDF化することもできますし、画像編集ソフトからPDFへ書き出すこともできます。スキャンした画像を保存しただけという可能性も理論上はあります。
「データが見つかった」と「本人が作成した」は同じ意味ではない
今回の事件を考えるうえでは、この点も重要です。ある人が所有・使用していたパソコンから特定のファイルが見つかったとしても、それだけでその人自身がファイルを作成したことまで自動的に証明されるわけではありません。
メールやUSBメモリ、クラウドストレージなどを経由して外部からファイルが保存された可能性も理論上は考えられます。そのため刑事事件では、作成日時、ユーザー情報、編集履歴、印刷履歴、周辺データなどを含めて証拠全体が評価されます。
田久保被告側が「第三者が作成した可能性」を主張する方針と報じられているため、パソコン内データが誰によってどのように作成・保存されたのかは、今後の裁判における争点の一つになり得ます。
印鑑についてはネット注文したと検察側が主張している
ソフト名は分かっていませんが、卒業証書に使用されたとされる印鑑については、より具体的な報道があります。
テレビ朝日などの報道では、田久保被告が東洋大学学長らの名前の印鑑をインターネットで注文し、パソコンで作ったとされる卒業証書を印刷した後に押印したと捜査側がみているとされています。[参照]
この点も刑事裁判で検察側が立証を目指す内容であり、被告側は偽造への関与を否定していることに注意が必要です。
百条委員会では卒業証書そのものが提出されなかった
伊東市議会の調査特別委員会、いわゆる百条委員会では、田久保氏に対して卒業証書などの資料提出が求められましたが、提出されなかったと報告されています。
市議会が公表した調査報告では、田久保氏に対して記録の提出請求を行ったものの拒否されたことなどが記載されています。[参照]
そのため当時は、卒業証書の細かな印刷状態や作成方法を外部から詳細に検証できる材料が限られていました。
「どのソフトなら作れるか」と「事件で使われたソフト」は分けて考える
一般論として、現在のパソコンでは文書作成ソフト、プレゼンテーションソフト、DTPソフト、画像編集ソフトなど多くのアプリで証書風のレイアウトを作れます。
しかし、事件について知りたい場合に重要なのは「作成できるソフトの一覧」ではなく、捜査や裁判で具体的に何が確認されたかです。
現段階では「パソコンから作成に使われたとみられる卒業証書データが見つかった」というところまでは報道されていますが、その作成アプリケーションについては公表情報が不足しています。
裁判が始まればソフト名が明らかになる可能性もある
田久保被告の事件では、公判前整理手続きが行われており、検察・弁護側が主張や証拠を整理していると報じられています。
今後の公判で、パソコンから見つかったデータが重要な証拠として提出される場合、ファイル形式、作成日時、編集履歴、使用ソフトなど、これまで報道されていなかったデジタル・フォレンジック情報が明らかになる可能性があります。
ただし、証拠のすべてが一般公開されるとは限らないため、裁判が始まってもソフト名まで報じられるとは限りません。
ネット上の推測を事実として引用しないことが重要
注目度の高い事件では、SNSや掲示板などで「このフォントだからWordだろう」「この枠線なら○○ソフトだ」などさまざまな推測が出ることがあります。
しかし、印刷物の外観だけから作成ソフトを特定するのは通常困難です。同じフォントや罫線、画像は複数のアプリで再現できるからです。
事件について正確に知りたい場合は、捜査関係者への取材を基にした主要報道、公判で示される証拠、裁判所の判断などを優先して確認するのが適切です。
現時点で分かっていること・分からないこと
2026年8月時点の情報を整理すると次のようになります。
| 項目 | 公表状況 |
|---|---|
| 卒業証書とみられるデータ | 押収PCから見つかったと報道 |
| 具体的な作成ソフト | 公表されていない |
| Wordかどうか | 確認できる根拠なし |
| 筆まめ・筆ぐるめか | 確認できる根拠なし |
| データのファイル形式 | 主要報道では明らかでない |
| 印鑑 | 学長らの名前の印鑑をネット注文したと検察側が主張 |
| 被告側の立場 | 偽造への関与を否定し無罪主張の方針と報道 |
つまり、ソフト名について答えるために必要な情報は、現時点では公に確認できていません。
「被告」という表現にも注意が必要
田久保真紀氏は現在、刑事事件で在宅起訴されているため「被告」と報じられています。しかし、起訴されたことは有罪が確定したことを意味しません。
刑事裁判では検察側が犯罪事実を立証し、弁護側が反論し、最終的に裁判所が判断します。田久保被告側は無罪を主張する方針とされています。
記事やSNSでこの問題を扱う場合も、「偽造した」と断定するのではなく、「偽造したとして起訴された」「捜査側はこうみている」「被告側は否認している」と立場を分けて書くことが正確です。
まとめ:田久保真紀被告の卒業証書に使われたソフト名は現時点では不明
田久保真紀被告をめぐる卒業証書問題では、2026年8月、静岡県警が押収したパソコンから卒業証書を作成する際に使ったとみられるデータが見つかったと複数の報道機関が伝えています。
一方で、そのデータがどのソフトで作られたのかについて、筆まめ、筆ぐるめ、Microsoft Word、画像編集ソフトなど具体的な製品名は主要報道や公表資料では明らかになっていません。
したがって、現時点で特定のソフト名を答えることはできません。「Wordなら作れそう」「筆まめでも可能」といった話は一般論としての可能性にすぎず、この事件で実際に使用されたことを示す証拠にはなりません。
今後の裁判でパソコン内のデータが証拠として詳しく示されれば、ファイル形式、作成日時、使用アプリなどが明らかになる可能性はあります。ソフト名については、そのような信頼できる情報が公表されるまでは「不明」として扱うのが適切です。
また、田久保被告側は卒業証書の偽造への関与を否定し、第三者が作成した可能性を主張して無罪を求める方針と報じられています。刑事裁判の結論が出る前であるため、捜査側の主張と被告側の主張を区別して情報を見ることも重要です。


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