Premiere Proでナレーションを録音したものの、音量が小さくて聞き取りづらい、ゲインを上げると音がザラザラするという悩みは動画制作ではよくあります。単純に音量を上げるだけではノイズや歪みも一緒に強調されてしまうため、適切な音声処理が必要です。この記事では、Premiere ProやAdobe Auditionを使って、録音済みの小さい音声をできるだけ音質を保ちながら大きくする方法を解説します。
小さい録音音声を無理に大きくすると音質が悪化する理由
録音された音声の音量が小さい場合、単純にクリップゲインやボリュームを上げるだけでは、声だけではなく録音時に入り込んだノイズやマイクの環境音まで一緒に大きくなります。
例えば、元の音声が小さい状態で録音されている場合、後から20dB以上持ち上げると、サーというホワイトノイズや部屋の反響音が目立つようになります。また、音声データの限界を超えて増幅すると、音が割れたりガビガビした歪んだ音になります。
そのため、音量アップでは「音を大きくする処理」と「不要なノイズを減らす処理」を組み合わせることが重要です。
Premiere Proだけで音声を自然に大きくする方法
Premiere Pro内でも、ナレーションを聞きやすい音量へ調整することは可能です。まずはクリップゲインだけで最大まで上げるのではなく、複数のエフェクトを順番に使用します。
おすすめの基本的な流れは、以下のようになります。
- オーディオゲインで適切な音量まで調整する
- ノイズリダクションで不要なノイズを軽減する
- イコライザーで声の聞き取りやすい帯域を調整する
- コンプレッサーで音量差を整える
- リミッターで最大音量を制御する
例えばYouTube用のナレーションなら、声の低い部分を持ち上げ、高い部分を少し抑えるコンプレッサー処理を入れることで、音量を上げても自然で聞きやすい声になります。
Premiere Proのエッセンシャルサウンドを使った改善方法
Premiere Proには、ナレーション向けの調整が簡単にできるエッセンシャルサウンド機能があります。
音声クリップを選択し、エッセンシャルサウンドパネルで「会話」を指定すると、声を聞き取りやすくするための処理を簡単に適用できます。
特に以下の設定が効果的です。
- ラウドネスを自動一致させる
- ノイズ除去を少し適用する
- ダイナミック処理で音量差を調整する
- 明瞭度を適度に追加する
ただし、設定を強くしすぎると声が不自然になったり、ロボットのような音になる場合があります。少しずつ調整することが大切です。
Adobe Auditionを使うとさらに高品質に補正できる
本格的にナレーション品質を高めたい場合は、Adobe Auditionを使用する方法がおすすめです。Premiere Proと連携できるため、動画編集の流れを大きく変えずに音声編集ができます。
Adobe Auditionでは、録音した音声からノイズだけを分析して除去したり、細かな音量調整を行ったりできます。
一般的なナレーション補正では、以下のような処理を行います。
- ノイズリダクションで環境ノイズを除去
- パラメトリックイコライザーで声質を調整
- コンプレッサーで音量を均一化
- ハードリミッターで最終音量を調整
例えば、少し離れた位置で録音して小さくなった声でも、ノイズ処理とコンプレッサーを組み合わせることで、聞き取りやすいナレーションに改善できる場合があります。
録音時に音量を小さくしないためのポイント
編集で音量を上げるよりも、最初の録音段階で適切な音量を確保する方が音質は大きく向上します。
録音時は、声を出した時に音量メーターが-12dBから-6dB程度になるようにマイク入力を調整すると、ノイズを抑えながら十分な音量で録音できます。
また、Premiere Proで直接録音することも可能ですが、より品質を求める場合はAdobe AuditionやAudacityなど録音向けソフトを使用し、録音後にPremiere Proへ読み込む方法も有効です。
ナレーション用マイク選びも音質改善には重要
録音音量が極端に小さい場合、編集方法ではなくマイクや接続環境が原因の場合もあります。
例えば、PC内蔵マイクや低感度のマイクでは、声を大きく録音するために後処理が必要になり、ノイズが増えやすくなります。
YouTubeやTikTok向けの動画制作では、USBマイクやオーディオインターフェースを使用したマイク環境を整えることで、編集時の負担を減らし、クリアな音声を作りやすくなります。
まとめ:音量アップは増幅だけでなく音声処理の組み合わせが重要
Premiere Proで小さい音声をきれいに大きくするには、単純にゲインを上げるだけではなく、ノイズ除去、イコライザー、コンプレッサー、リミッターなどを組み合わせることが重要です。
特に音がガビガビになる場合は、音量を上げすぎている可能性があるため、録音状態の改善やAdobe Auditionでの補正も検討すると効果的です。
動画の印象は映像だけでなく音声品質にも大きく左右されます。録音環境と編集方法を見直すことで、YouTubeやTikTokでも聞きやすいナレーションを作れるようになります。

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