ノートパソコンの価格は2026年夏に横ばい?12月~3月の値上がりと6月~8月の最新動向を解説

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2025年末から2026年にかけて、ノートパソコンの価格上昇が大きな話題になりました。特にメモリ(DRAM)やSSDに使われるNANDフラッシュの価格高騰を受け、2026年1~3月に価格改定を実施・検討するPCメーカーが相次いだため、「昨年12月頃より明らかに高くなった」と感じた人も少なくないでしょう。

では、2026年6月から8月末にかけてノートPC価格は横ばいになったのでしょうか。最新統計を見ると、年初のような「値上げ発表が相次ぐ局面」からは印象が変わっているものの、ノートPC市場全体を単純に「6~8月は横ばい」と判断するのは難しい状況です。むしろ部材価格は依然として高く、7月の国内出荷統計ではノートPCの平均単価が6月から大きく上昇しています。

この記事では、2025年末から2026年8月までのノートPC価格を、実売データ・国内出荷統計・メモリ市場の動向から整理します。

2025年12月~2026年春にPC値上げが注目された理由

2025年末からPC価格の先高観が強まった大きな理由が、メモリとSSDなど主要部材の価格上昇です。PC Watchが2025年12月に国内PCメーカーへ行ったアンケートでは、「すでに値上げを実施している」または「2026年1~3月までに値上げを実施する」と回答したメーカーが6割を超えていました。[参照] PC Watch「2026年、PCを値上げする?しない?13社にアンケート」

メーカーからはDRAM価格の急上昇やメモリ・SSDの調達コスト上昇について、企業努力だけでは吸収することが難しくなったとの説明も出ていました。そのため2026年初頭には実際に価格改定を行うメーカーが現れています。

つまり、2025年12月から2026年3月頃に「パソコンが一気に高くなった」という印象を持つこと自体には、十分な背景があります。ただし市場全体の平均価格は販売される製品構成にも左右されるため、すべてのノートPCが同じ割合で一斉に値上がりしたわけではありません。

ノートPCの実売平均単価は2026年3月に約14万円へ

全国の家電量販店やネットショップなどの実売データを集計するBCNランキングでは、ノートPCの平均単価は2026年3月に13万9,520円となり、同集計で2023年5月以降の高い水準を記録しました。

2026年5月も13万8,644円で、2023年5月の12万1,919円と比べて約13.7%高い水準でした。また2025年1~5月の平均13万2,121円に対し、2026年1~5月は13万6,308円となっており、前年同期比では約3%上昇しています。[参照] BCN+R「止まらない価格上昇に揺れるノートPC市場」

このデータからも、2026年春までにノートPCの価格水準そのものが前年より高くなっていたことが確認できます。

6月に価格が落ち着いて見えても「値下がり基調」とは限らない

国内PCの出荷統計では、2026年4月に平均単価が大きく上昇し、5月も高い水準となった一方、6月はいったん4~5月より低下しました。PC Watchも7月時点で、6月は4月・5月より平均単価が下がったものの、前年同月と比較すると明らかに高いと分析しています。[参照] PC Watch「もはや待っても安くならない?PC値上げ本格化」

そのため、6月頃の店頭価格だけを見て「値上げが完全に止まった」「これから下がる」と判断するのは早計です。PC市場の月別平均単価は、値札の変更だけではなく、その月に低価格モデルと高価格モデルのどちらが多く出荷・販売されたかでも大きく動きます。

例えば10万円の普及モデルが大量に売れた月と、20万円前後の高性能モデルが多く売れた月では、各商品の値段が変わっていなくても市場全体の平均単価は変化します。

7月はむしろノートPCの出荷平均単価が大きく上昇

2026年8月末時点で注目したいのが、最新の7月データです。JEITAの国内出荷実績を基にした集計では、PC全体の平均単価は2026年4月の約14.0万円から7月には約16.8万円となりました。

特にノートPCでは、6月の平均単価が約12.1万円だったのに対し、7月には約16.7万円へ上昇しています。したがって、少なくともこの出荷統計を見る限り、「6月から8月末までノートPC価格はずっと横ばいだった」とはいえません。[参照] BCN総研・JEITA 2026年7月PC国内出荷実績の解説

ただし、この16.7万円という数字を「6月に12万円だった同じノートPCが7月に16万円へ値上げされた」という意味に受け取ってはいけません。出荷平均単価には製品構成の変化が大きく影響するためです。

2026年上期全体でもPC平均単価は過去最高水準

月ごとの変動を避けてもう少し長い期間で見ると、価格上昇の傾向が分かりやすくなります。JEITA統計を基にした2026年上期(1~6月)の国内PC平均単価は12万3,095円となりました。

これは現行の調査方式となった2007年度以降、暦年の上期として過去最高で、前年同期比では10.7%上昇しています。2021年上期の10万3,306円と比べても約19.1%高い水準です。[参照] PC Watch「国内PC出荷、平均単価は上期過去最高に」

前年にはGIGAスクール向けの低価格端末が平均単価を押し下げたという特殊要因もあるため、10.7%をそのまま一般消費者向けノートPCの値上げ率とはみなせません。それでも、2026年のPC市場が高価格水準にあることを示す材料にはなります。

なぜ夏になってもノートPCが安くなりにくいのか

最大の要因は、PCメーカーが必要とするメモリやSSDの調達環境が改善しきっていないことです。生成AI向けデータセンターの急速な拡大により、半導体メーカーは収益性と需要の高いAIサーバー向けメモリへ生産能力を振り向けています。

その結果、一般的なPCで使用されるDRAMなどにも供給面の圧力がかかっています。BCNの実売データでは、PC用メモリの税別平均単価が2025年5月の9,001円から2026年5月には4万2,967円へ上昇していました。単純比較で約4.8倍です。[参照] BCN+R・メモリとノートPC価格の推移

もちろんメモリ単体の価格が4倍になったからといって完成品のノートPCが4倍になるわけではありません。しかし、現在は16GB以上のメモリや大容量SSDを搭載するモデルも多いため、主要部材の高騰はPCメーカーにとって無視できないコストになります。

7~9月は部材の「上昇ペース」が鈍っても価格はまだ上昇予測

今後を考えるうえで、「価格上昇が鈍化する」と「価格が下がる」は区別する必要があります。TrendForceの2026年第3四半期(7~9月)の予測では、DRAM契約価格は前四半期比13~18%、NANDは10~15%上昇するとされています。前四半期までと比較すると上昇率は鈍化する見通しですが、予測そのものは依然として上昇です。[参照] TECH+・TrendForce 2026年第3四半期予測

PC向けDRAMについても、メーカーが在庫補充を続ける一方で、メモリメーカーがサーバー向けへ生産能力を振り向けているため供給量が減少しており、高コストの部品がノートPCの販売価格へ反映される可能性が指摘されています。

したがって2026年8月末の時点では、「部材価格の急騰はピークアウトしたから、これからノートPCもすぐ安くなる」と判断できる状況ではありません。

平均価格と「欲しい機種の価格」は分けて考えるべき

ノートPCを実際に購入する場合、市場全体の平均単価だけを見ると判断を誤ることがあります。重要なのは、自分が購入候補にしている同じ型番・同じCPU・同じメモリ容量・同じSSD容量の価格を追うことです。

例えば平均単価が15万円から17万円へ上昇していても、狙っている13万円の旧モデルが在庫処分で10万9,800円になっていることはあります。反対に市場平均が横ばいでも、特定メーカーが価格改定を行えば欲しいモデルだけ2万円上昇することもあります。

また「Core Ultra 5、16GB、SSD 512GB」という条件が同じでも、ディスプレイ品質、重量、バッテリー、Officeの有無、保証、GPUなどが違えば適正価格も異なります。平均価格は市場の方向性を見る指標として利用し、購入判断では個別モデルの価格履歴を見る方が実用的です。

「秋まで待てば安くなる」とは限らない

従来のPC市場では、新モデル登場後に旧モデルが値下がりするというパターンがあり、「急がなければ待つ」という購入方法にも合理性がありました。しかし2026年はメモリ・SSDなどの部材高騰が続いているため、待てば市場全体が自然に安くなるとは言い切れません。

一方で、これは「今すぐ何でも買うべき」という意味でもありません。メーカー直販セール、家電量販店の決算セール、旧モデルの在庫処分などによって、市場全体が高値でも個別製品が安くなる機会はあります。

購入時期を数カ月調整できる場合は、市場平均価格を予想して底値を当てようとするより、必要なスペックを先に決め、その条件を満たす候補機種を2~5台程度に絞って価格を定期的に比較する方法が現実的です。

2026年夏の価格動向を簡単に整理

2026年8月末時点までの動きを整理すると、次のように考えると分かりやすくなります。

時期 主な動き
2025年秋~12月 メモリ・SSD価格が急上昇し、PC値上げへの警戒が強まる
2026年1~3月 PCメーカーの価格改定が相次ぎ、ノートPC実売平均単価も高水準へ
2026年4~5月 国内PC平均単価が高い水準で推移
2026年6月 出荷平均単価はいったん4~5月より低下。ただし前年より高い水準
2026年7月 JEITAベースのノートPC出荷平均単価が約16.7万円へ上昇
2026年8月末 メモリ高騰の影響が継続。夏全体を単純な横ばいとは評価しにくい

つまり、年初の急激な値上げ局面と比べれば「最近はあまり変わっていない」と感じる製品はありますが、統計上は6~8月を一括して横ばいと表現するのは適切ではありません。

まとめ:6~8月は「横ばい」というより高値圏で変動している

2025年12月頃から2026年3月にかけてノートパソコンが高くなった背景には、DRAMやSSDなどの部材価格上昇があり、実際に2026年1~3月には複数のPCメーカーが価格改定を実施・検討しました。

2026年6月になると国内PCの平均単価はいったん4~5月より下がりましたが、前年と比較すれば高い水準でした。さらに最新の7月国内出荷統計では、ノートPCの平均単価が6月の約12.1万円から約16.7万円へ上昇しています。ただし、この差には出荷された製品構成の変化も含まれるため、同一製品が約4.6万円値上がりしたという意味ではありません。

したがって8月末時点の状況を端的に表現するなら、「6~8月は完全な横ばいになった」というより、「年初から上がった価格水準を維持しながら、月や製品によって上下している」と見る方が実態に近いでしょう。

さらに2026年第3四半期もDRAM・NANDの契約価格には上昇予測が出ているため、PC全体が短期間で大幅に安くなることを前提に購入を先送りするのは難しい状況です。購入予定がある場合は市場平均だけで判断せず、欲しい機種の型番を決めて現在価格とセール価格を継続的に比較するのが最も確実です。

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