AutoCADで図面をPDF化した際、文字が「AutoCAD SHX Text」として認識されるかどうかは、文字の種類やPDF出力設定によって変わります。特にマルチ引出線(MLEADER)で作成した文字だけがSHX Textにならない場合、単純なPDFSHX設定だけでは解決できないことがあります。
この記事では、AutoCADでマルチ引出線の文字がPDF変換後にSHX Textとして扱われない原因や、確認すべき設定、回避方法について詳しく解説します。
AutoCADのPDFSHX設定だけでは解決しない場合がある
AutoCADにはPDFSHXというシステム変数があり、SHXフォントで作成された文字をPDF内で検索可能な文字として変換するかどうかを制御できます。
PDFSHXを「1」に設定すると、SHX文字は通常PDF内で「AutoCAD SHX Text」として保存されます。しかし、この設定が有効でも、すべての文字オブジェクトが対象になるわけではありません。
例えば、マルチテキスト(MTEXT)では正常に変換されるのに、マルチ引出線(MLEADER)の文字だけ変換されない場合は、PDFSHXではなくオブジェクト側の仕様や文字設定が影響している可能性があります。
マルチ引出線とマルチテキストの文字処理の違い
AutoCADでは、マルチテキストとマルチ引出線は似たように見えても、内部的な管理方法が異なります。
マルチテキストは独立した文字オブジェクトとして処理されますが、マルチ引出線は引出線情報と文字情報を組み合わせた特殊なオブジェクトです。
そのため、PDF変換時にはマルチ引出線内の文字が通常のSHX文字変換処理の対象外になる場合があります。
例えば、同じSHXフォントを使用していても、MTEXTではPDF上で検索可能になる一方、MLEADERでは図形として出力されるケースがあります。
マルチ引出線スタイルの文字設定を確認する
まず確認したいのが、マルチ引出線スタイル(MLEADERSTYLE)の設定です。
以下の項目を確認してください。
- 使用している文字スタイルがSHXフォントになっているか
- マルチ引出線スタイルで指定されている文字設定
- 異尺度対応や注釈設定の影響
- 文字が実際にSHX文字として作成されているか
見た目が同じでも、TrueTypeフォント(TTF)を使用している場合はSHX Textとして変換されません。
例えば、MS ゴシックなどのTrueTypeフォントを使用している場合、PDF内では通常の文字情報として扱われ、AutoCAD SHX Textにはなりません。
PDF出力設定で確認するポイント
PDF作成時には、プリンター設定やPDFプロッタ設定も確認する必要があります。
DWG To PDF.pc3を使用している場合は、プロパティからPDF設定を確認します。
- PDFSHXが1になっているか確認する
- PDF出力設定で文字処理に関する項目を確認する
- 可能であれば別のPDF出力方法でも試す
ただし、「すべてキャプチャ」設定を有効にしても、マルチ引出線文字がSHX Textになるとは限りません。この設定はフォント埋め込みに関するものであり、MLEADER文字の変換仕様そのものを変更するものではありません。
マルチ引出線をPDFで文字認識させたい場合の対処方法
マルチ引出線の文字をPDF上で文字として扱いたい場合、いくつかの回避方法があります。
代表的な方法として、マルチ引出線の文字部分をマルチテキストへ置き換えてPDF化する方法があります。
例えば、注記部分だけをMTEXTで作成し、引出線は別オブジェクトとして作成することで、PDF上で文字情報を保持しやすくなります。
また、PDF化後にAdobe AcrobatなどのOCR機能を使用して文字認識させる方法もあります。
AutoCADのバージョンによる仕様変更にも注意する
AutoCADはバージョンアップによってPDF出力や注釈オブジェクトの処理仕様が変更されることがあります。
AutoCAD 2026など比較的新しいバージョンでは、過去のバージョンとPDF変換結果が異なる場合があります。
以前のAutoCADでは変換できていた設定でも、新しいバージョンでは同じ結果にならない場合があるため、必要に応じてAutodesk公式の更新情報や既知の問題も確認するとよいでしょう。
まとめ
AutoCADでマルチ引出線の文字だけがPDF化後にAutoCAD SHX Textにならない場合、PDFSHXの設定だけが原因とは限りません。
主な原因として、マルチ引出線特有の文字処理、使用しているフォント種類、PDF出力時の変換仕様などが考えられます。
まずは文字スタイルやMLEADERSTYLEの設定を確認し、必要であれば文字部分をマルチテキストへ変更するなどの方法を試すことで、PDF上で扱いやすい文字データとして保存できる可能性があります。


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