クリスタの3Dデッサン人形で頭部と体型をまとめて素材登録する方法|頭だけ保存されない原因と3D画像素材の使い分け

画像処理、制作

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)では、3Dデッサン人形の体型をカスタマイズしたり、3D頭部モデルの顔を調整したりして、オリジナルキャラクターの作画資料を作ることができます。しかし、調整した「頭部」と「体型」を組み合わせた状態で素材登録しようとすると、体型だけが保存され、頭部が反映されないことがあります。

これは必ずしも操作ミスではありません。クリスタでは、「3Dデッサン人形の体型素材」と「3D頭部モデル素材」が別種類の素材として扱われているためです。体型の素材登録機能は基本的に3Dデッサン人形の体型設定を保存するもので、同じ3D空間に配置・連結した別の3D頭部モデルまで一体の「体型素材」として保存する機能ではありません。

一方、現在のCLIP STUDIO PAINTには、3Dデッサン人形と3D頭部モデルなどを組み合わせて配置した3Dレイヤー全体を「3D画像素材」として登録する方法があります。この記事では、体型素材と頭部素材の違い、頭部が保存されない理由、オリジナル素体を再利用するための現実的な方法を整理します。

まず理解したい「3Dデッサン人形」と「3D頭部モデル」の違い

クリスタでは、人体を扱う3D機能がすべて一種類の素材として管理されているわけではありません。代表的なものとして「3Dデッサン人形」と「3D頭部モデル」があり、それぞれ役割が異なります。

3Dデッサン人形は、身長や頭身、胴体、腕、脚などの体型を調整し、ポーズを付けて作画の参考にするためのモデルです。調整した体型については「体型素材」として登録できます。

一方、3D頭部モデルは顔を作るための専用モデルです。輪郭、目、鼻、口などを調整して好みの顔を作成でき、カスタマイズした結果は「3D頭部モデル」として素材登録できます。

[参照] CLIP STUDIO PAINT公式ユーザーガイド「3Dデータの種類」

つまり、「体型」と「頭部」は最初から別々の種類として素材登録する仕組みが用意されているという点が重要です。

体型を素材登録すると頭部が保存されない理由

3Dデッサン人形を選択すると、オブジェクトランチャーやツール詳細から「体型を素材登録」を実行できます。しかし、この機能は名前の通り、3Dデッサン人形で設定した体型を登録するための機能です。

そのため、3Dデッサン人形の近くへ別の3D頭部モデルを配置し、オブジェクトリスト上で親子関係を設定したとしても、「体型を素材登録」を実行すれば頭部まで一体化された新しい3Dデッサン人形として保存される、という仕組みではありません。

クリスタの公式ユーザーガイドでも、3Dデッサン人形には「体型を素材登録」、3D頭部モデルには「頭部を素材登録」という別々の登録機能が用意されています。

[参照] CLIP STUDIO PAINT公式ユーザーガイド「3D素材を編集する」

したがって、「体型だけ保存されて、組み合わせた頭部が消える」という現象が発生した場合、まず体型素材の仕様と、複数オブジェクトをまとめて保存する機能を混同していないか確認する必要があります。

親子関係を設定しても「1個の体型素材」になるわけではない

3D空間では複数のオブジェクトを配置し、オブジェクトリストで親子関係を利用できる場合があります。この機能を使えば、親側のオブジェクトを移動したときに子側を追従させるなど、複数オブジェクトを扱いやすくできます。

しかし、親子関係を設定することと、複数の3Dモデルを一つの3Dデッサン人形素材へ統合することは別の処理です。

たとえば「体型A」と「頭部B」を組み合わせて、頭部Bを体型Aへ追従するよう配置できたとしても、それによって頭部Bが体型Aの内部データへ組み込まれるわけではありません。それぞれは別の3Dオブジェクトとして存在しています。

この違いを理解すると、「画面上では一体の人形に見えるのに、体型素材として保存すると頭だけ消える」という現象の理由が分かりやすくなります。

方法1:頭部と体型をそれぞれ別の素材として保存する

最も基本的な管理方法は、オリジナル頭部とオリジナル体型をそれぞれ専用の素材として登録しておくことです。

3D頭部モデルについては、カスタマイズした頭部を選択し、オブジェクトランチャーの「頭部を素材登録」、またはツール詳細・ツールプロパティにある頭部モデルの「素材登録」から保存できます。

[参照] CLIP STUDIO PAINT公式ユーザーガイド「3D頭部モデルを調整する」

体型については3Dデッサン人形を選択して「体型を素材登録」を使用します。これによって、同じキャラクター用の「○○頭部」と「○○体型」という2種類の素材を用意できます。

たとえば「キャラクターA・頭部」「キャラクターA・体型」のように統一した名前を付けておけば、後から組み合わせる場合にも分かりやすくなります。

方法2:頭部+体型の組み合わせを3D画像素材として登録する

「頭部と体型を毎回別々に配置するのが面倒なので、現在完成している組み合わせをまとめて呼び出したい」という場合には、3Dレイヤー全体を3D画像素材として登録する方法が有力です。

現在のCLIP STUDIO PAINT公式ユーザーガイドでは、複数の3D素材を配置した3Dレイヤーを「3D画像素材」として登録できることが明記されています。さらに、3Dプリミティブだけではなく、3Dデッサン人形や3D頭部モデルなどを組み合わせて配置した3Dレイヤーも登録可能とされています。

[参照] CLIP STUDIO PAINT公式ユーザーガイド「3D画像素材として登録する」

登録するときは、目的の3Dデッサン人形と3D頭部モデルを同じ3Dレイヤーに配置して位置関係を整え、その3Dレイヤーを選択します。そのうえで「編集」→「素材登録」→「画像」を選択し、素材名や保存先を指定して登録します。

「体型素材として一体化する」のではなく、「頭部と体型が配置された3Dレイヤー全体を再利用できる素材として保存する」という考え方です。

体型素材と3D画像素材は同じものではない

ここで注意したいのは、3D画像素材として登録できたからといって、それが通常の「体型素材」になるわけではないことです。用途が異なります。

素材の種類 主に保存するもの 向いている用途
体型素材 3Dデッサン人形の体型設定 同じ体型を別の人形でも再利用する
3D頭部モデル素材 調整した顔・頭部 オリジナルの顔を再利用する
ポーズ素材 人形のポーズ 別の人形へ同じポーズを適用する
3D画像素材 3Dレイヤー上の複数素材の配置 頭部+体型など完成した組み合わせをまとめて呼び出す

つまり、あとから自由に別キャラクターへ体型だけ適用したいなら「体型素材」、顔だけ再利用したいなら「3D頭部モデル素材」、完成した組み合わせをセットとして再利用したいなら「3D画像素材」というように使い分けるのがポイントです。

オリジナルキャラクター用なら3種類保存しておくと便利

同じキャラクターを漫画やイラストで何度も描く場合は、一つの素材だけにまとめようとせず、頭部・体型・完成セットをそれぞれ保存しておくと使い勝手がよくなります。

たとえば「キャラA_頭部」「キャラA_体型」「キャラA_基本セット」の3つを作ります。「キャラA_頭部」は3D頭部モデル素材、「キャラA_体型」は体型素材、「キャラA_基本セット」は3D画像素材として登録します。

通常の作画では基本セットを呼び出し、顔だけ調整し直したいときには頭部素材を利用する、別の3Dデッサン人形へ同じプロポーションを適用したい場合は体型素材を利用する、といった使い分けができます。

このように素材の役割を分けて保存すると、クリスタの3D素材管理の仕組みに沿った形でオリジナルキャラクターを管理できます。

「3D画像素材として保存」と「体型登録」を間違えないことが重要

完成した頭部+体型を保存したいときに、3Dデッサン人形を選択した状態で「体型を素材登録」を実行すると、保存される対象は基本的に体型です。そのため、目的とする「完成した組み合わせ」の保存にはなりません。

複数の3D素材をまとめて残したい場合は、個別の人形ではなくそれらが配置されている3Dレイヤーを対象にして「編集」→「素材登録」→「画像」を使用する点が重要です。

公式ユーザーガイドでも、複数の3Dデッサン人形を組み合わせたものなどをまとめて保存するときには、3D画像素材として登録する方法が案内されています。

[参照] CLIP STUDIO PAINT公式ユーザーガイド「3Dデッサン人形や3Dキャラクター素材にポーズを付ける」

Version 5.1.2では最新の3D機能を前提に確認することが大切

CLIP STUDIO PAINTの3D機能はバージョンアップによって追加・変更されています。そのため、古いWeb記事や動画を参考にすると、現在のVersion 5.1.2とはメニューや機能が異なる場合があります。

特に3D頭部モデル、3Dデッサン人形の世代、3D画像素材、3D素材への描画などは、現在のクリスタで多数の機能が用意されています。検索するときは「クリスタ 3D 素材登録」だけではなく、「CLIP STUDIO PAINT 5.1 3D頭部モデル」「3D画像素材」のように、現在使用しているバージョンを意識して情報を確認すると誤解を減らせます。

また、公式マニュアルでは「3Dデッサン人形」「3D頭部モデル」「体型素材」「3D画像素材」が明確に区別されています。トラブル時には「今選択しているオブジェクトが何という種類なのか」「どの種類の素材として登録しようとしているのか」を確認するのが解決への近道です。

[参照] CLIP STUDIO PAINT公式ユーザーガイド「3D機能の使い方」

登録前に元のCLIPファイルも保存しておくと安心

オリジナル素体を時間をかけて調整した場合は、素材登録だけに頼らず、完成状態を含むCLIPファイルそのものも保存しておくことをおすすめします。

たとえば「キャラA_3Dマスター.clip」のようなファイルを作り、頭部と体型の位置、親子関係、基準となるポーズなどを残しておけば、素材登録の方法を変更した場合や、将来のアップデートで機能が変化した場合にも元の状態を確認できます。

特にキャラクター制作では、顔や体型を後から微調整することがあります。完成状態の3Dレイヤーを含む原本ファイル、頭部素材、体型素材、必要なら3D画像素材という複数の形で保存しておけば安全です。

まとめ:頭部+体型は「体型素材」ではなく3D画像素材としてまとめる方法がある

CLIP STUDIO PAINTでは、3Dデッサン人形の「体型」と「3D頭部モデル」は別種類の素材として管理されています。そのため、オリジナル頭部とオリジナル体型を組み合わせて親子関係を設定しても、「体型を素材登録」で両方が一つの体型素材として保存されるとは限りません。

体型だけを再利用したい場合は「体型素材」、カスタマイズした顔を再利用したい場合は「3D頭部モデル素材」として、それぞれ保存するのが基本です。

そして、頭部と体型を組み合わせた完成状態をまとめて呼び出したい場合は、両方を配置した3Dレイヤーを「3D画像素材」として登録する方法があります。現在の公式ユーザーガイドでも、3Dデッサン人形や3D頭部モデルなどを組み合わせた3Dレイヤーを3D画像素材として登録できることが案内されています。

「頭部+体型を新しい一体型の体型素材にする」のではなく、「頭部と体型は個別素材として管理し、完成した組み合わせが必要なら3Dレイヤー全体を3D画像素材として保存する」と整理すると、オリジナル素体を効率よく再利用できます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました