Unityで物理エンジンを使用する際、Rigidbodyを使って物体にトルクを加えることは一般的な操作です。しかし、回転軸が期待通りに動かず、異常が発生することがあります。特に、AddRelativeTorqueとAddTorqueを使用している際に、意図しない回転が発生する場合、原因はさまざまです。本記事では、この現象を解決するためのアプローチを解説します。
RigidbodyのAddRelativeTorqueとAddTorqueの違い
まず、AddTorqueとAddRelativeTorqueの違いを理解することが重要です。AddTorqueはワールド座標系に基づいてトルクを加えるのに対し、AddRelativeTorqueはオブジェクトのローカル座標系に基づいてトルクを加えます。したがって、AddTorqueで加えたトルクは、ワールド座標に沿った回転を引き起こしますが、AddRelativeTorqueはオブジェクト自身の座標系を基準に回転を加えるため、回転の方向が異なることがあります。
これにより、回転の挙動が予期しない方向に進むことがあります。特に、複数の子オブジェクトを持つオブジェクト(例えば、戦闘機のような複雑なモデル)では、AddRelativeTorqueを使った際に回転軸が思わぬ形で傾くことがあります。
回転軸が傾く原因
質問者が遭遇しているように、Rigidbodyに対してAddTorqueやAddRelativeTorqueを適用すると、回転軸が傾く現象が発生することがあります。これは、Rigidbodyの中心(質量の中心)や、オブジェクトの子オブジェクトとの関係が影響している場合があります。
特に、戦闘機のようなオブジェクトでは、親オブジェクトと複数の子オブジェクトが絡んでいるため、トルクが親オブジェクトだけでなく、子オブジェクトにも影響を与えることが原因となる場合があります。この影響で、予期せぬ回転軸が発生することがあります。
解決策:Constraintsとトルクの調整
まず、Constraintsを使用して回転を固定する方法を試みることは良いアプローチですが、それだけでは十分でない場合があります。Constraintsを使っても、トルクを加える際に回転が発生してしまうことがあるため、さらに注意深い調整が必要です。
解決策としては、トルクを加える対象となる軸を明確に指定することが重要です。例えば、y軸にのみトルクを加えたい場合、AddRelativeTorqueやAddTorqueを使用する際に、他の軸に影響を与えないようにトルクの成分を調整します。
子オブジェクトの影響を考慮した調整
複雑なオブジェクト(戦闘機のように多くの子オブジェクトを持つオブジェクト)の場合、親オブジェクトにトルクを加えるだけでは問題が解決しないことがあります。子オブジェクトが親オブジェクトと一緒に回転するため、子オブジェクトの回転を制御するために、個別にRigidbodyの設定を調整する必要があります。
例えば、子オブジェクトに対してもAddRelativeTorqueを使うことで、親オブジェクトと子オブジェクトの回転挙動を調整することができます。これにより、回転軸の問題が解決することがあります。
まとめ
UnityでRigidbodyに対してトルクを加える際、回転軸が予期しない方向に傾く問題は、AddTorqueとAddRelativeTorqueの違い、Rigidbodyの中心や子オブジェクトの影響を理解し、適切に調整することで解決できます。また、複雑なオブジェクトの場合は、親オブジェクトと子オブジェクトの関係を意識し、個別に調整を行うことが重要です。


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