Excelでキーボードを使わず、マイクに向かって話した内容をセルへ入力したい場合は、パソコンやスマートフォンに搭載されている音声入力・音声認識機能を利用できます。Windows版ExcelならWindowsの音声入力、Mac版ExcelならmacOSの音声入力、iPhone・iPadやAndroidではキーボードの音声入力を利用する方法が分かりやすいでしょう。
たとえばExcelのセルを選択してWindowsの音声入力を起動し、「東京都新宿区」と話して文字として入力するといった使い方ができます。数字や短いメモの入力にも利用できます。
ただし、音声入力は「話した内容を文字に変換する機能」であり、Excelのセル操作をすべて音声だけで行えるという意味ではありません。また、使用するExcelの種類やOSによって操作方法が異なります。この記事では、Excelで音声入力する代表的な方法と、うまく入力できない場合の確認ポイントを解説します。
- Excelは音声入力できる?
- Windows版Excelで音声入力する基本手順
- セルをダブルクリックまたはF2で編集状態にすると分かりやすい
- 数字も音声入力できるがExcelのデータ型を確認する
- Windows+Hを押しても音声入力できない場合
- Mac版ExcelでもmacOSの音声入力を利用できる
- iPhone・iPad版Excelでも音声入力できる
- Android版Excelではキーボードの音声入力を利用する
- Excelの音声入力が向いている用途・向いていない用途
- 音声入力した内容は必ず確認する
- Excelを声だけで操作したい場合は音声入力とは別に考える
- まとめ:ExcelでもOSの音声入力を使えばセルへ文字を入力できる
Excelは音声入力できる?
Excelでも音声による文字入力は可能です。特にWindows 11やWindows 10では、Windowsに搭載されている音声入力(Voice typing)を利用することで、Excelのセルへ音声から文字を入力できます。
Microsoftによると、Windowsの音声入力はインターネット接続を利用したオンライン音声認識によって音声をテキストへ変換する機能です。音声入力を利用するときは、テキストボックスなど文字を入力できる場所を選択してからWindowsロゴキー+Hを押して起動します。
Excelの場合は文字を入力したいセルを選択し、セルを編集できる状態にしてから音声入力を利用します。Wordの文章入力のような長文だけではなく、Excelのセルへ商品名、住所、メモなどを入力するときにも活用できます。
[参照] Microsoftサポート「音声入力を使用してPCで話す」
Windows版Excelで音声入力する基本手順
Windows 11またはWindows 10でExcelへ音声入力する場合は、まずExcelを起動して入力したいブックを開きます。次に、音声を文字にしたいセルを選択します。
文字入力できる状態でWindowsロゴキー+Hを同時に押します。音声入力の画面が表示されたらマイクが利用可能な状態であることを確認し、入力したい内容を話します。
たとえばA2セルへ商品名を入力したい場合は、A2を選択して入力状態にし、Windows+Hを押してから「ノートパソコン」と話します。音声が正しく認識されれば、「ノートパソコン」という文字が入力されます。
同様に住所録の備考欄へ「午後3時以降に連絡」と入力したり、作業記録へ短い文章を入力したりできます。キーボードで長い文章を打つことが苦手な場合にも便利です。
セルをダブルクリックまたはF2で編集状態にすると分かりやすい
Excelは一般的な文章作成ソフトと異なり、セルを選択する操作とセル内の文字を編集する操作が分かれています。そのため、音声入力を使う際はセル内に文字を入力できる状態にしてから開始すると分かりやすくなります。
入力したいセルをダブルクリックするか、セルを選択してF2キーを押すと編集状態になります。その状態でWindows+Hを押して音声入力を開始します。
たとえばB5にすでに「打ち合わせ」という文字があり、その後ろへ「午後2時」と付け加えたい場合は、B5をダブルクリックしてカーソルを末尾へ移動してから音声入力を利用します。このようにすると既存のセル内容へ文字を追加するときにも使いやすくなります。
数字も音声入力できるがExcelのデータ型を確認する
音声認識によって数字を入力することもできます。たとえば「12345」と認識されれば、Excelのセルへ数字として入力できる場合があります。
ただし、音声認識の結果が必ず希望するExcelのデータ型になるとは限りません。「一万二千三百円」と話した結果が「12,300円」のような文字列になれば、そのままSUM関数で合計できない場合があります。
金額を計算に使う表であれば、入力後にセルが数値として認識されているか確認してください。特に「円」「個」「kg」などの単位まで音声で入力する場合は注意が必要です。
たとえば売上表へ数値だけ入力するのであれば、音声入力後に数式バーやセル内容を確認し、期待する数値になっているかチェックする運用が安全です。
Windows+Hを押しても音声入力できない場合
Windows+Hを押しても音声入力が始まらない場合は、まずマイクが正しく接続・認識されているか確認します。ノートパソコンでは内蔵マイクを利用できますが、デスクトップPCでは別途マイクが必要な場合があります。
Windows 11では「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「マイク」を開き、マイクへのアクセスに関する設定を確認できます。マイクへのアクセスが無効になっていると、音声を利用するアプリや機能が正常に動作しないことがあります。
Microsoftは、Windowsでマイクを利用するためのプライバシー設定について公式サポートで案内しています。音声入力そのものが反応しない場合は、Excelを再設定する前にWindows側のマイク設定を確認するのがポイントです。
[参照] Microsoftサポート「Windowsでのマイクのアプリアクセス許可を管理する」
Mac版ExcelでもmacOSの音声入力を利用できる
MacでExcelを使用している場合は、macOSに搭載されている音声入力を利用する方法があります。Appleによると、Macの音声入力を使用すると、文字を入力できる場所で話した内容を入力できます。
macOSではAppleメニューから「システム設定」→「キーボード」→「音声入力」を開き、音声入力を有効にできます。実際の開始方法は設定しているキーボードショートカットなどによって異なります。
Excelで使用するときは、入力したいセルを選択して編集できる状態にしてからmacOSの音声入力を開始します。Windows版と同様、Excel専用の特殊な入力方法というより、OSの音声入力をExcelの文字入力欄で利用する考え方です。
[参照] Apple「Macでメッセージや書類を音声入力する」
iPhone・iPad版Excelでも音声入力できる
iPhoneやiPadでExcelを使用している場合は、iOS・iPadOSのキーボードに搭載された音声入力を利用できます。Excelで入力したいセルを選択し、文字入力用のキーボードを表示してからマイクボタンを使用します。
Appleによると、iPhoneではキーボードで入力できる場所で音声入力を利用できます。そのため、Excelアプリのセルへ文字を入力する場面でも利用可能です。
たとえば外出先で在庫を確認しながら、iPhoneのExcelへ商品状態を「在庫残り3個」のように音声で記録する使い方ができます。小さな画面で長い文章を入力するより便利な場合があります。
[参照] Apple「iPhoneでテキストを音声入力する」
Android版Excelではキーボードの音声入力を利用する
AndroidスマートフォンやタブレットでExcelを使う場合も、端末のソフトウェアキーボードが音声入力に対応していれば、マイクから文字を入力できます。
たとえばGboardを利用しているAndroid端末では、文字を入力できる場所でキーボードを表示し、マイクアイコンから音声入力を利用できます。Excelでセルを編集状態にしてキーボードを表示すれば、同じ仕組みを利用できます。
ただし、Androidはメーカーやキーボードアプリによって画面や設定方法が異なります。マイクアイコンが見当たらない場合は、使用中のキーボードアプリの音声入力設定を確認してください。
Excelの音声入力が向いている用途・向いていない用途
音声入力はすべてのExcel作業をキーボードより速くするものではありません。特に文章やメモをセルへ入力する作業との相性が良い機能です。
たとえば顧客リストの備考、商品の状態、点検結果、日報、アンケート回答など、ある程度の長さがある文章を入力する場合には音声入力のメリットを感じやすくなります。
一方、大量の数値を高速入力したり、「=SUM(A1:A10)」のような数式を正確に入力したりする用途では、テンキーやキーボードのほうが効率的なことがあります。
| 入力内容 | 音声入力との相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 備考・メモ | 良い | 文章を素早く入力しやすい |
| 住所・商品名 | 比較的良い | キーボード入力を減らせる |
| 大量の数字 | 要確認 | 認識結果やデータ型の確認が必要 |
| 複雑な数式 | あまり向かない | 記号やセル参照を正確に入力しにくい |
| 短い定型データ | 場合による | キーボードや選択リストのほうが速い場合がある |
音声入力した内容は必ず確認する
音声認識の精度は高くなっていますが、聞き間違いが完全になくなるわけではありません。同音異義語、人名、会社名、専門用語、数字などは意図と違う文字に変換される場合があります。
たとえば「橋」と「箸」のように発音が同じ言葉や、聞き慣れない商品名などは誤変換される可能性があります。売上金額や顧客情報など重要なデータでは、入力後の確認が特に重要です。
静かな場所でマイクへ明瞭に話し、長い内容を一度に入力するより適度に区切ると確認しやすくなります。音声入力後にセルの内容を目視確認する習慣をつけると安全です。
Excelを声だけで操作したい場合は音声入力とは別に考える
「音声入力」と「Excelを声で操作すること」は似ていますが、目的が異なります。Windows+Hなどの音声入力は、基本的には話した言葉をテキストへ変換する機能です。
そのため、「A1を選択」「3行目を削除」「この表を並べ替える」といったExcel操作をすべてWindows+Hだけで実行できるわけではありません。
Windows 11には、PCの操作を音声で行うための「音声アクセス」というアクセシビリティ機能も用意されています。文字入力だけではなくPCを音声で操作することが目的なら、こちらも選択肢になります。
[参照] Microsoftサポート「Windowsで音声アクセスを使用してPCを制御しテキストを音声で作成する」
まとめ:ExcelでもOSの音声入力を使えばセルへ文字を入力できる
Excelでは、WindowsやmacOS、スマートフォンに搭載されている音声入力機能を利用して、マイクで話した内容をセルへ入力できます。
Windows版Excelなら、入力したいセルを編集状態にしてWindowsロゴキー+Hを押す方法が簡単です。MacではmacOSの音声入力、iPhone・iPadやAndroidではソフトウェアキーボードのマイク機能を利用できます。
文章、住所、商品名、備考などの入力には便利ですが、大量の数値や複雑なExcel数式ではキーボードのほうが効率的な場合があります。また、音声認識では誤変換が起こる可能性があるため、重要な数字や固有名詞は入力後に必ず確認してください。
まずWindows版Excelで試すなら、セルを選択して編集状態にする→Windows+H→マイクへ話すという手順から始めると分かりやすいでしょう。


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