Windows 10のサポート終了後も、ウイルス対策ソフトや総合セキュリティソフトを入れておけば安全に使い続けられるのか気になる人は少なくありません。結論からいうと、サードパーティ製セキュリティソフトだけでは、Windows 10本体のセキュリティ更新プログラムの代わりにはなりません。
一般的なWindows 10 Home/Pro バージョン22H2は2025年10月14日にMicrosoftの通常サポートが終了しました。2026年8月現在もパソコンそのものが突然使えなくなるわけではありませんが、通常状態ではMicrosoftから無料のWindows 10セキュリティ修正が提供されません。[参照] Microsoft「Windows 10サポートは2025年10月14日に終了しました」
ただし、現在はWindows 10向けの「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」という選択肢があります。したがって、Windows 10を当面使うなら「セキュリティソフトを入れるか」だけではなく、Windows 11へ移行するか、ESUを利用してWindows 10を一時的に延命するかまで含めて考える必要があります。
- Windows 10は2025年10月14日に通常サポートが終了した
- セキュリティソフトを入れてもWindows本体の脆弱性は別問題
- 「有料ウイルス対策ソフトが動いている=安全」ではない
- 2026年現在はWindows 10 ESUという延命方法がある
- ESUもWindows 10を完全に通常サポートへ戻すものではない
- Windows 10を使い続けるなら最初にESUの登録状況を確認する
- Windows 11へ無料アップグレードできるPCなら移行を優先
- インターネットを使うPCほどOS更新の重要性が高い
- Windows 10を当面使う場合に最低限確認したいこと
- セキュリティソフトを2つ3つ入れれば安全になるわけではない
- Windows 10を使い続けるか判断する具体例
- Windows 10のLTSCはサポート期限が違うことがある
- まとめ:サードパーティ製セキュリティソフトだけではWindows 10のサポート終了を補えない
Windows 10は2025年10月14日に通常サポートが終了した
Windows 10 Home/Proなどの一般的なWindows 10は、2025年10月14日にサポートが終了しました。Microsoftは、サポート終了後もWindows 10搭載PC自体は動作すると説明しています。
重要なのは、「動く」と「安全にサポートされている」は別だという点です。通常サポート終了後は、無料のソフトウェア更新、セキュリティ更新・修正、テクニカルサポートが提供されなくなりました。MicrosoftもWindows 11への移行、対応PCへの買い替え、またはWindows 10 ESUの利用を案内しています。[参照] Microsoft「Windows 10サポート終了」
例えば2026年にWindows 10で新たなOSの脆弱性が発見された場合、通常サポートが終了したWindows 10には原則として通常の無料更新として修正が提供されません。これが「サポート終了後はリスクが高くなる」といわれる大きな理由です。
セキュリティソフトを入れてもWindows本体の脆弱性は別問題
サードパーティ製セキュリティソフトには、マルウェア検知、不審なWebサイトのブロック、ランサムウェア対策、フィッシング対策など、製品によってさまざまな防御機能があります。そのため、サポートされている製品を適切に利用すること自体には意味があります。
しかし、セキュリティソフトはMicrosoftが開発するWindowsそのものではありません。WindowsのOS内部に脆弱性が見つかったとき、その根本部分をMicrosoftのWindows Updateと同じように修正できるわけではありません。
例えば家に例えると、セキュリティソフトは警備サービスや監視カメラのようなものです。一方、OSのセキュリティ更新は「壊れた鍵や壁の穴そのものを修理する」ことに近い役割です。警備を強化しても、建物自体の修理が不要になるわけではありません。
「有料ウイルス対策ソフトが動いている=安全」ではない
よくある誤解が、「有料のセキュリティソフトを契約しているからWindows 10を何年でも安全に使える」という考え方です。セキュリティソフト会社がWindows 10対応を継続していても、それはMicrosoftによるWindows 10本体のサポート継続を意味しません。
また、サードパーティ製ソフト側もWindows 10を永久にサポートするとは限りません。各メーカーが対応OSやサポート期間を決めているため、将来的にはWindows 10対応が終了する可能性があります。
ブラウザ、Office、オンラインバンキング関連ソフト、ゲーム、周辺機器ドライバーなどについても同様です。OSが古くなるほど、セキュリティだけでなく「利用したいソフトのWindows 10対応が順次終了する」という問題が大きくなります。
2026年現在はWindows 10 ESUという延命方法がある
Windows 11へすぐ移行できない場合に重要なのが、Microsoftの「Extended Security Updates(ESU:拡張セキュリティ更新プログラム)」です。これはWindows 10の通常サポート終了後も、対象PCへ重要なセキュリティ更新を提供する仕組みです。
Microsoftによると、個人向けWindows 10 ESUはWindows 10 バージョン22H2を対象とし、重要および緊急と評価されたセキュリティ更新を受け取るためのものです。2026年8月現在、個人向けESUは2027年10月12日まで利用できる案内になっています。[参照] Microsoft「Windows 10 Consumer Extended Security Updates」
つまり、「Windows 10だから2025年10月以降は一切更新できない」というわけでもありません。通常サポートは終了していますが、条件を満たしてESUへ登録したWindows 10 PCについてはセキュリティ更新を受けられます。
ESUもWindows 10を完全に通常サポートへ戻すものではない
ESUについても注意点があります。Microsoftは、ESUでは重要なセキュリティ更新を提供する一方、通常の機能改善や製品強化、一般的なテクニカルサポートを提供するものではないと説明しています。
つまりESUは、Windows 10を最新OSと同じ状態へ戻すサービスではありません。Windows 11への移行までに時間が必要な人が、Windows 10をより安全に使うための移行期間を確保する仕組みと考える方が正確です。
例えば「仕事で使う古いソフトがWindows 11にまだ対応していないので半年~1年ほど移行を待ちたい」といったケースではESUが有力です。一方、「このままWindows 10をあと5年使いたい」という用途の恒久的な解決策ではありません。
Windows 10を使い続けるなら最初にESUの登録状況を確認する
現在Windows 10を利用している場合、まず「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」を開き、更新状況を確認します。Windows 10 バージョン22H2の対象PCでは、条件を満たしていればESUへの登録に関する案内が表示される場合があります。
ESUへ登録したPCについては、その後もWindows Updateを実行し、配信されるセキュリティ更新を適用することが重要です。実際にMicrosoftは2026年8月にも、Windows 10 ESU対象のセキュリティ更新を公開しています。
なお、会社や学校のPC、Windows Enterprise LTSCなどは一般家庭のWindows 10 Home/ProとはライフサイクルやESUの仕組みが異なる場合があります。組織管理PCの場合は自分で設定を変更せず、システム管理者の方針を確認してください。
Windows 11へ無料アップグレードできるPCなら移行を優先
PCがWindows 11のシステム要件を満たしている場合は、基本的にはWindows 11への移行を優先するのが分かりやすい選択です。Microsoft自身も、Windows 10サポート終了後の選択肢としてWindows 11へのアップグレードを推奨しています。
Windows 11へ対応しているか分からない場合は、Windows Updateの表示やMicrosoftの「PC正常性チェック」アプリなどで確認できます。対応しているPCなら、重要なファイルをバックアップしたうえでアップグレードを検討します。
一方、Windows 11の要件を満たさない古いPCでは、ESUを使いながら買い替えを準備する方法があります。無理に非公式な方法でWindows 11の要件を回避するより、Microsoftがサポートする構成を選ぶ方が長期的には管理しやすくなります。
インターネットを使うPCほどOS更新の重要性が高い
Windows 10を何に使うかによってもリスクは変わります。ブラウザで日常的にWebサイトを閲覧し、メールを受信し、ファイルをダウンロードし、ネットショッピングやオンラインバンキングを利用するPCなら、外部からデータを受け取る機会が多くなります。
このようなPCでは、ウイルス対策ソフトだけでなく、OS、Webブラウザ、Officeなど利用するソフトを更新し続けることが重要です。また、フィッシング詐欺はセキュリティソフトだけで完全に防げるものではないため、偽サイトへパスワードやカード情報を入力しないといった利用者側の対策も必要です。
反対に、ネットワークへ一切接続せず、USBメモリなど外部媒体も使用しない特殊な用途のPCならリスク構造は異なります。ただし「オフラインだから絶対安全」とまではいえないため、業務システムなどでは用途に応じた管理が必要です。
Windows 10を当面使う場合に最低限確認したいこと
Windows 11へすぐ移行できずWindows 10を継続する場合は、セキュリティソフト一つだけに頼るのではなく、複数の対策を組み合わせることが重要です。
- Windows 10 バージョン22H2でESUを利用できるか確認する
- Windows UpdateでESUのセキュリティ更新を適用する
- 使用中のセキュリティソフトが現在もWindows 10を正式サポートしているか確認する
- Chrome・Edge・Firefoxなどブラウザを最新版に保つ
- OfficeやPDF閲覧ソフトなど日常的に使うアプリも更新する
- 重要データを別媒体や信頼できるクラウドへバックアップする
- 管理者権限を必要以上に使用しない
- 不審なメール添付ファイルや実行ファイルを開かない
- 重要サービスではパスワードの使い回しを避け、多要素認証を利用する
- Windows 11対応PCへの移行計画を立てる
特にバックアップは重要です。セキュリティ対策をしていても、ランサムウェア、ストレージ故障、操作ミスなどによるデータ消失を完全に防げるわけではありません。
セキュリティソフトを2つ3つ入れれば安全になるわけではない
不安だからといって、複数のリアルタイム型ウイルス対策ソフトを同時にインストールすればよいわけでもありません。製品によっては機能が競合し、パフォーマンス低下や正常なファイルの誤検知などにつながることがあります。
重要なのは製品数ではなく、サポート中のOSとソフトウェアを利用し、それぞれの更新を継続することです。サードパーティ製セキュリティソフトを利用する場合も、そのメーカーが現在のWindows 10をサポートしているか確認しましょう。
また、セキュリティソフトの広告に「Windows 10対応」と書かれていても、それはWindows 10そのもののMicrosoftサポートが復活するという意味ではありません。この2つは明確に区別する必要があります。
Windows 10を使い続けるか判断する具体例
例1:Windows 11対応PCの場合は、データをバックアップし、アプリや周辺機器の互換性を確認したうえでWindows 11への移行を検討するのが基本です。「Windows 10に慣れている」という理由だけで長期間残すメリットは、今後徐々に小さくなります。
例2:Windows 11非対応だが、まだPCを買い替えられない場合は、Windows 10 ESUを利用できるか確認し、セキュリティ更新を受けながらWindows 11対応PCへの買い替えを準備する方法があります。
例3:古い業務ソフトのためWindows 10が必要な場合は、ESUに加えてネットワーク分離、利用用途の限定、バックアップなどを検討します。企業であれば個人判断ではなく、管理者やソフトメーカーと移行計画を立てる必要があります。
Windows 10のLTSCはサポート期限が違うことがある
「Windows 10は全部2025年10月14日に更新終了」と単純化すると正確ではありません。一般的なHome/ProなどのWindows 10 バージョン22H2は通常サポートが終了しましたが、Windows 10 Enterprise LTSCなど一部の特殊なエディションには異なるライフサイクルがあります。
例えばMicrosoftの2026年8月時点の案内では、Windows 10 Enterprise LTSC 2021は2027年1月12日、Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021は2032年1月13日までという別の期限が示されています。[参照] Microsoft Learn「Windows 10 リリース情報」
一般家庭で購入したWindows 10 Home/ProのPCであれば通常はこのLTSCの話を気にする必要はありませんが、会社から支給されたPCや特殊用途端末ではエディションを確認してから判断する必要があります。
まとめ:サードパーティ製セキュリティソフトだけではWindows 10のサポート終了を補えない
Windows 10へサードパーティ製セキュリティソフトを導入することには一定の防御効果があります。しかし、セキュリティソフトを入れればサポート終了したWindows 10を通常のサポート中OSと同じ安全性で使える、ということではありません。セキュリティソフトとOSのセキュリティ更新は役割が異なるためです。
一般的なWindows 10 Home/Pro バージョン22H2は2025年10月14日に通常サポートを終了しています。2026年8月現在、Windows 11へ移行できない場合にはWindows 10 ESUを利用し、重要なセキュリティ更新を受けながら移行準備をするという公式の選択肢があります。Microsoftは個人向けESUを2027年10月12日まで利用できると案内しています。
したがって現在の現実的な選択は、Windows 11対応PCならWindows 11へ移行する、すぐ移行できなければESUを利用しながら期限を決めてWindows 10を使うという考え方です。そこへサポート中のセキュリティソフト、ブラウザ・アプリの更新、バックアップ、フィッシング対策などを組み合わせます。
Windows 10はサポート終了後も起動して使えますが、「動くから問題ない」「有料ウイルス対策ソフトがあるから何年でも安全」と考えるのは避けた方がよいでしょう。OS自体がセキュリティ更新を受けられる状態かどうかを最優先で確認することが、安全に使うための基本です。

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