Windows 11で「認識されていないネットワーク」が増えた原因と直し方|パブリック・プライベートを切り替える方法

LAN

Windows 11へアップグレードした後、有線LAN(イーサネット)の表示に「認識されていないネットワーク」が現れ、以前のネットワークとは別にパブリックネットワークとして扱われることがあります。インターネットには接続できているのに、設定画面に通常の「パブリック/プライベート」の選択肢が表示されない場合もあります。

この状態では、単純に「新しいネットワークが勝手に追加された」とは限りません。Windowsは接続先を識別してネットワークプロファイルを作成しており、Microsoftも「ネットワーク上の問題や、OSが受け取ったネットワーク情報に識別可能な特徴がない場合」にネットワークを識別できないことがあると説明しています。[参照] Microsoft Learn

ここではWindows 11 Pro、特にアップグレード後の有線LANで起きたケースを想定し、ネットワークプロファイルの確認、PowerShellによるPublic/Privateの変更、認識されていないネットワークを直す手順を順番に解説します。

「認識されていないネットワーク」が表示されてもLANが2回線になったとは限らない

最初に確認したいのは、「プライベートネットワーク」と「認識されていないパブリックネットワーク」が表示されているからといって、物理的なLAN接続が2本存在するとは限らない点です。

Windowsはネットワーク接続を識別し、その接続にPublic、Privateなどのネットワークカテゴリを割り当てます。PublicではPCをほかの機器から見つけにくくし、Privateでは信頼できる家庭内・社内LANを想定してネットワーク探索やファイル・プリンター共有を利用できる構成にできます。[参照] Microsoft Support

つまり、以前使っていたネットワークプロファイルの記録が残っている一方、現在のイーサネット接続をWindowsが別のネットワークとして識別している可能性があります。古い表示を無理に「選択」するのではなく、現在どのネットワークインターフェイスとプロファイルが実際に使われているのか確認することが重要です。

まずPowerShellで現在のネットワークプロファイルを確認する

設定画面だけでは状況が分かりにくい場合、Windows 11 ProならPowerShellで現在の接続プロファイルを確認すると整理しやすくなります。スタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」または管理者権限のPowerShellを開きます。

次のコマンドを実行します。

Get-NetConnectionProfile

ここでは「Name」「InterfaceAlias」「InterfaceIndex」「NetworkCategory」などを確認します。例えばInterfaceAliasが「Ethernet」でNetworkCategoryが「Public」なら、現在のイーサネット接続がパブリックとして扱われていることが分かります。

さらにネットワークアダプター自体を確認したい場合は、Get-NetAdapterも役立ちます。Ethernet以外にHyper-V、VPN、仮想マシンソフトなどの仮想アダプターが存在する場合、見慣れないネットワーク表示の原因を切り分ける材料になります。

設定に切り替え項目がない場合はPowerShellでPrivateへ変更できる

通常のWindows 11では、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「イーサネット」と進み、ネットワークプロファイルの種類からパブリックまたはプライベートを選択できます。Microsoftもこの方法を案内しています。[参照] Microsoft Support

しかし、認識されていないネットワークなどでGUIに選択肢が表示されない場合は、PowerShellのSet-NetConnectionProfileを利用できます。Microsoft Learnでも、このコマンドはネットワーク接続プロファイルのカテゴリを変更するコマンドとして案内されています。[参照] Microsoft Learn

例えば、先ほどのGet-NetConnectionProfileでInterfaceIndexが「12」だった場合は、管理者PowerShellで次のように実行します。

Set-NetConnectionProfile -InterfaceIndex 12 -NetworkCategory Private

実行後にもう一度Get-NetConnectionProfileを実行し、NetworkCategoryがPrivateになっているか確認します。InterfaceIndexはPCごとに異なるため、例の「12」をそのまま入力せず、自分の環境で表示された番号を使用してください。

ただし「認識されていない」原因を直さずPrivateにするだけでは不十分

家庭内LANでルーターや接続機器を信頼できることが明確ならPrivateへの変更は選択肢になりますが、本来認識されるはずのネットワークが突然「認識されていないネットワーク」になった場合は、カテゴリ変更だけで終了せず原因も確認したほうがよいでしょう。

MicrosoftのNetworkListManagerの資料では、Windowsがネットワークを識別できない理由として、ネットワーク上の問題や、受信したネットワーク情報に識別可能な特徴がない場合が挙げられています。また、未識別ネットワークの既定の場所はPublicです。[参照] Microsoft Learn

そのため、Windows 11へのアップグレード直後から発生したのであれば、ネットワークアダプターの再認識、ドライバー、IP設定、デフォルトゲートウェイ、VPNや仮想ネットワークアダプターなどを確認します。

IPアドレスとデフォルトゲートウェイを確認する

インターネットに接続できていても、現在どの構成で通信しているか確認しておくと原因を絞りやすくなります。ターミナルでipconfig /allを実行し、使用中のEthernetアダプターを確認します。

一般的な家庭用ルーターに接続している場合は、IPv4アドレスだけでなく「デフォルト ゲートウェイ」が正しく取得されているか確認します。IPアドレスを手動設定している場合は、アップグレード前の設定が適切に引き継がれているかも確認してください。

DHCPを利用できる一般的な家庭内LANなら、自動取得が基本です。Microsoftも、対応ネットワークではDHCPを利用するとIPアドレスを自動的に割り当てられるため、TCP/IP設定を管理しやすいと案内しています。[参照] Microsoft Support

Windows 11への更新後ならLANドライバーも確認する

Windows 11へのアップグレードを境に症状が発生した場合は、イーサネットアダプターのドライバーも確認対象です。「デバイス マネージャー」→「ネットワーク アダプター」から使用している有線LANアダプターを確認します。

PCメーカー製パソコンの場合は、Windows UpdateだけでなくメーカーのサポートページにWindows 11向けLANドライバーが公開されていないか確認するのも有効です。自作PCならマザーボードメーカーやLANチップメーカーの対応ドライバーを確認します。

ただし、インターネット接続が正常にできている状態で、いきなりアダプターを削除したりレジストリを編集したりする必要はありません。まず現在のプロファイル、IP構成、ドライバーの状態を確認する順番が安全です。

「元々あったネットワークを選ぶ」という考え方に注意

Windowsに以前のプライベートネットワークの情報が残っていたとしても、それをWi-FiのSSIDのように一覧から選択して現在のEthernet接続へ切り替えられるとは限りません。有線LANでは、現在接続されているネットワークをWindowsが識別し、それに対応したプロファイルが適用されます。

したがって、「古いPrivateを選択し直す」ことより、現在のEthernetがなぜUnidentified Networkとして判定されているのかを確認し、必要なら現在のプロファイルをPrivateへ変更するという考え方のほうが適切です。

また、古いネットワークプロファイルをレジストリから手作業で削除する方法がインターネット上で紹介されることがありますが、ネット接続自体が正常なら最初から行う必要はありません。誤ったキーを削除すると別の問題を作る可能性があるため、通常の診断手順を先に試しましょう。

改善しない場合の最終手段は「ネットワークのリセット」

Windows 10から11へのアップグレードなどをきっかけにネットワーク構成がおかしくなり、ほかの方法で改善しない場合には「ネットワークのリセット」があります。Microsoftも、Windows 10からWindows 11へアップグレードした後の接続問題などに利用できると案内しています。[参照] Microsoft Support

ただし、ネットワークのリセットは最初に試す操作ではなく、Microsoftも最後の手段として案内しています。実行するとインストール済みのネットワークアダプターとその設定が削除され、再起動後に再インストールされます。

さらにVPNクライアントやHyper-Vの仮想スイッチなどを利用している場合は再設定が必要になる可能性があります。リセット後は既知のネットワークがPublicになる場合もあるため、家庭内LANなら再度Privateへ設定します。

Publicのままでもインターネットが使えるのは異常ではない

「パブリックネットワークになっているのにインターネットへ接続できる」という状態自体は矛盾していません。Public/Privateは主にWindowsがネットワーク上でPCをどのように公開し、ファイアウォールなどをどう扱うかに関係する分類です。

PublicではPCがネットワーク上のほかの機器から見つかりにくい設定になり、Privateでは信頼できるLAN内でPCを検出可能にして、設定に応じてファイルやプリンター共有を利用できます。そのためWeb閲覧だけならPublicでも普通に利用できます。

家庭の信頼できるルーターへLANケーブルで直接接続しており、NASやプリンター、ほかのPCとの共有を利用したい場合にはPrivateが適しています。一方、接続先を本当に信頼できるか分からない環境を、単に共有を通す目的でPrivateに変更するのは避けましょう。

まとめ:まず現在のEthernetプロファイルを確認してから直す

Windows 11へのアップグレード後に「認識されていないネットワーク(Public)」が現れても、必ずしも物理的なネットワークが勝手に一つ増えたわけではありません。以前のプロファイルが残る一方で、現在のEthernet接続をWindowsが別ネットワークとして識別している可能性があります。

まずGet-NetConnectionProfileで現在使用されているInterfaceAlias、InterfaceIndex、NetworkCategoryを確認します。信頼できる家庭内LANで、GUIから変更できない場合は、管理者PowerShellのSet-NetConnectionProfile -InterfaceIndex 番号 -NetworkCategory Privateで現在のプロファイルをPrivateへ変更できます。

ただし、アップグレード前は正常に認識されていたネットワークが突然Unidentifiedになった場合は、Privateへ変更するだけでなく、IPアドレス・デフォルトゲートウェイ・DHCP・LANドライバー・VPNや仮想アダプターなども確認しましょう。

それでもネットワーク構成がおかしい場合に限ってネットワークのリセットを検討します。インターネットが現在使えているなら、レジストリ削除やネットワークリセットから始めず、「現状確認→プロファイル変更→IP・ドライバー確認→最終的にリセット」という順番で対処するのが安全です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました