GC9B72搭載の2.1インチ丸型TFT LCD(360×366解像度)は、ESP32-S3やRaspberry Pi Pico 2 Wなどのマイコンで利用できる人気のディスプレイですが、初めて使う場合はドライバ設定やライブラリ選択、SPI配線の違いによって画面が表示されないことがあります。
特に「バックライトは点灯するが何も表示されない」「サンプルスケッチを書き込んでも真っ白なまま」「ライブラリを入れたのに動かない」といった問題は、GC9B72ではよく発生します。
この記事では、GC9B72液晶をESP32-S3やRaspberry Pi Pico 2 Wで動作させるための基本的な配線、ライブラリ設定、表示できない場合の確認ポイントについて詳しく解説します。
GC9B72 2.1インチTFT LCDが表示できない主な原因
GC9B72液晶が表示されない原因の多くは、ディスプレイドライバの指定ミス、SPI通信設定の違い、ピン接続の間違いです。
同じような丸型TFT LCDでも、搭載されているコントローラICによって必要な設定が異なります。例えば、見た目が似ているST7789搭載液晶向けの設定をそのまま使用すると、GC9B72では正常表示されない場合があります。
また、販売元によって端子配置や基板設計が異なる場合があるため、商品ページのピン配置図を確認することが重要です。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 画面が真っ白 | ドライバ設定やCS/DCピン設定の間違い |
| バックライトのみ点灯 | SPI通信ができていない |
| 色がおかしい | カラー順序や表示方向設定の問題 |
| 何も反応しない | 電源・配線・ピン設定の確認が必要 |
GC9B72で使用するArduino IDE向けライブラリ設定
ESP32-S3でGC9B72を利用する場合、一般的にはArduino IDEとTFT_eSPIライブラリを組み合わせて使用します。
TFT_eSPIは高速なTFT描画ライブラリで、多くのSPI接続ディスプレイに対応しています。ただし、初期設定ではGC9B72用になっていないため、設定ファイルの変更が必要です。
基本的な流れは以下の通りです。
- Arduino IDEにTFT_eSPIライブラリをインストールする
- TFT_eSPIの設定ファイルを編集する
- GC9B72用のドライバ設定を有効にする
- ESP32-S3のSPIピン番号を設定する
特に重要なのは、User_Setup.hやUser_Setup_Select.h内で正しいディスプレイドライバを指定することです。
ESP32-S3とGC9B72の基本的な配線例
ESP32-S3とGC9B72はSPI通信で接続します。一般的なSPI配線例は以下のようになります。
| GC9B72端子 | ESP32-S3接続例 |
|---|---|
| VCC | 3.3V |
| GND | GND |
| SCK | GPIO18 |
| MOSI | GPIO23 |
| CS | GPIO5 |
| DC | GPIO2 |
| RST | GPIO4 |
ただし、ESP32-S3のGPIO番号はボードによって異なります。上記は一般的な例であり、実際には使用しているESP32-S3ボードのピン配置に合わせて変更してください。
例えば、販売されているESP32-S3開発ボードではGPIO18が別用途に割り当てられている場合があるため、配線と設定ファイルのGPIO番号が一致しているか確認する必要があります。
Raspberry Pi Pico 2 WでGC9B72を表示する場合のポイント
Raspberry Pi Pico 2 WではArduino環境ではなく、ThonnyとMicroPythonを利用して制御するケースもあります。
MicroPythonでGC9B72を動作させる場合は、GC9B72対応のディスプレイドライバモジュールを利用し、SPI設定を正しく行う必要があります。
基本的な設定項目は以下になります。
- SPI番号の指定
- SCK、MOSIピン番号の指定
- CSピン番号の指定
- DC、RSTピン番号の指定
- ディスプレイ解像度360×366の設定
MicroPythonではライブラリによってクラス名や初期化方法が異なるため、GC9B72対応のドライバかどうかを確認することが大切です。
GC9B72が表示されない場合のチェック手順
液晶が表示されない場合は、いきなりコードを変更するのではなく、基本的な部分から順番に確認すると原因を特定しやすくなります。
以下の項目を確認してください。
- 電源電圧が3.3Vになっているか
- GNDが正しく接続されているか
- SPIのSCKとMOSIが入れ替わっていないか
- CSとDCの指定が合っているか
- GC9B72用のドライバ設定になっているか
- サンプルスケッチの解像度設定が正しいか
例えば、ST7789用の設定で書き込んだ場合、液晶自体は故障していなくても画面が白いままになることがあります。その場合はGC9B72用設定へ変更することで表示できる可能性があります。
GC9B72表示でよくある設定ミス
GC9B72では、解像度設定や表示方向設定の違いによるトラブルも多くあります。
360×366という特殊な丸型ディスプレイの場合、一般的な240×240や320×240のTFT設定を流用すると、表示範囲がずれたり、何も表示されなかったりすることがあります。
また、カラー形式の設定がRGBとBGRで異なる場合、表示はできても色が反転することがあります。
表示できた後に色がおかしい場合は、ライブラリ設定内のカラー順序設定を変更すると改善する場合があります。
まとめ:GC9B72は正しいドライバ設定とSPI配線確認が重要
GC9B72 2.1インチ丸型TFT LCDをESP32-S3やRaspberry Pi Pico 2 Wで表示するには、液晶に合ったドライバ設定、正しいSPI配線、適切なライブラリ設定が重要です。
特に表示できない場合は、液晶の故障を疑う前に、GC9B72用ドライバ設定になっているか、CS・DC・RSTなどのピン設定が一致しているかを確認しましょう。
ESP32-S3ではTFT_eSPIなどのライブラリ設定、Raspberry Pi Pico 2 WではMicroPython用ドライバ設定を正しく行うことで、360×366解像度の丸型ディスプレイを正常に表示できる可能性が高まります。


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