ロゴ、広告、Webサイト、動画のテロップなどを見て「この文字は何というフォントだろう?」と思うことがあります。元データがあればフォント名を確認できる場合がありますが、スクリーンショットやJPEG・PNG画像しか残っていない場合は、文字の形から候補を絞り込む必要があります。
ただし、画像だけからフォント名を100%断定できるとは限りません。既存フォントを加工したロゴ、文字幅や太さを変更したデザイン、アウトライン化した文字、オリジナル書体なども存在するためです。
そこでこの記事では、画像からフォントを特定するときに見るべきポイントと、Adobe Fontsなどの検索機能を利用して候補を探す方法を解説します。
- 画像がないとフォント名は特定できない
- まず明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体などを見分ける
- 「特徴的な文字」を比較するとフォントを絞り込みやすい
- Adobe Fontsなら画像から似たフォントを探せる
- IllustratorやPhotoshopを使っているならフォント検索機能も便利
- 英字フォントならWhatTheFontも候補
- 画像検索でフォントが見つからない主な原因
- Webサイト上の文字なら画像検索より簡単に分かることがある
- PDFならフォント情報が残っている可能性もある
- フォントを質問するときに用意するとよい情報
- 「完全一致」と「似ているフォント」は区別する
- まとめ:画像だけでもフォント候補は探せるが断定できない場合もある
画像がないとフォント名は特定できない
「これって何のフォントですか?」という質問だけでは、対象となる文字の画像がなければフォントを特定できません。フォントは文字の輪郭、線の太さ、角の形、カーブなどを比較して判断するためです。
また、画像があっても「絶対に○○フォント」と断定できないケースがあります。よく似た書体が多数存在するほか、日本語フォントでは漢字によって特徴が分かりやすい文字と分かりにくい文字があります。
そのため、フォントを調べるときは「完全一致を一発で当てる」というより、書体の種類を判定し、特徴的な文字を比較して候補を徐々に絞るという考え方が基本です。
まず明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体などを見分ける
日本語フォントを探す場合は、最初に大まかな書体分類を確認します。代表的なのが明朝体、ゴシック体、丸ゴシック体、筆書体、デザイン書体などです。
| 分類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 明朝体 | 横線が細く縦線が太い傾向があり、線の端に三角形状の「うろこ」が見られる |
| ゴシック体 | 縦線と横線の太さの差が比較的小さく、力強く読みやすい |
| 丸ゴシック体 | ゴシック体を基本としながら線の端や角が丸い |
| 筆・毛筆系 | 筆圧や払いなど手書き・毛筆らしい形状がある |
| デザイン書体 | 通常の明朝・ゴシックとは異なる装飾的な特徴を持つ |
例えば文字の線がほぼ均一で角張っていれば、まずゴシック系から探します。逆に縦線と横線の太さが大きく異なり、線の端に特徴があれば明朝系から探すと候補を減らせます。
「特徴的な文字」を比較するとフォントを絞り込みやすい
フォントを見分けるときは文章全体の雰囲気だけでなく、個々の文字の形を比較することが重要です。特にひらがな、カタカナ、数字、アルファベットなどはフォントごとの差が現れることがあります。
日本語なら「き」「さ」「そ」「な」「ふ」「り」など、ひらがなの形を確認してみましょう。「き」の線がつながっているか、「そ」がどのような形になっているかなどを候補フォントと比較します。
数字が含まれているなら「1」「2」「4」「7」、英字なら「a」「g」「G」「Q」「R」なども有力な判断材料です。例えば小文字の「a」「g」には複数の代表的な字形があり、候補を大きく減らせる場合があります。
フォントを質問するときも、1文字だけより「日本語+数字+アルファベット」が含まれた鮮明な画像のほうが特定しやすくなります。
Adobe Fontsなら画像から似たフォントを探せる
Adobe Fontsでは、画像を利用して似たフォントを探す機能が提供されています。画像をアップロードし、文字が写っている領域を選択すると、Adobe Fontsの中から似た書体の候補を検索できます。
Adobe公式でも、Adobe Fontsのビジュアル検索を利用して、画像内の文字に似たフォントを探す方法が案内されています。[参照] Adobe Fonts「画像からフォントを検索」
Adobe Creative Cloudを利用している場合は、候補として見つかったAdobe Fontsの書体をそのまま利用できることもあります。「完全一致するフォント名が分からなくても、雰囲気の近い書体が欲しい」という用途にも便利です。
IllustratorやPhotoshopを使っているならフォント検索機能も便利
Adobe Illustratorには、画像内の文字から類似するフォントを探す「Retype」関連機能があります。ラスタライズされた文字やアウトライン化された文字から候補を探したい場合に役立ちます。
AdobeはRetypeについて、静止画像やアウトライン化されたテキストから一致または類似するフォントを識別し、編集可能なテキストへ変換する機能を案内しています。[参照] Adobe Illustrator「Retype」
Photoshopにも画像から類似フォントを検索する機能があります。Adobe製品をすでに使用しているなら、Web上のフォント判定サービスだけでなく、これらの機能を試す価値があります。
英字フォントならWhatTheFontも候補
アルファベットを中心としたフォントを探す場合は、MyFontsのWhatTheFontも有名な検索手段です。文字が含まれた画像をアップロードすると、画像解析によって類似するフォント候補を表示します。
利用する場合は、文字が水平で、できるだけ鮮明な画像を用意すると判定しやすくなります。背景が複雑だったり文字に強い装飾が重なっていたりすると、認識精度が下がる場合があります。[参照] MyFonts「WhatTheFont」
なお、検索サービスによって収録されているフォントが異なります。一つのサービスで候補が出なかったからといって、フォントが存在しないとは限りません。
画像検索でフォントが見つからない主な原因
フォント検索ツールを使っても一致するものが見つからない場合があります。その代表的な理由が、元の文字が既存フォントから加工されているケースです。
例えば企業や商品のロゴでは、既存フォントをベースに文字の一部だけ作り替えたり、横幅を調整したり、文字同士をつなげたりすることがあります。この場合、元になったフォントを発見できても画像と完全には一致しません。
また、文字に縁取り、影、立体効果、変形などが適用されていると検索精度が落ちることがあります。可能なら装飾の少ない部分を切り抜いて検索しましょう。
Webサイト上の文字なら画像検索より簡単に分かることがある
調べたい文字が画像ではなくWebページ上の通常テキストなら、画像から推測する必要がない場合があります。ブラウザの開発者ツールを利用すると、その要素にCSSで指定されているfont-familyなどを確認できます。
ただし、CSSに「Arial, Helvetica, sans-serif」のように複数の候補が指定されている場合、実際に表示されるフォントは端末環境によって異なることがあります。またWebフォントが使用されている場合もあります。
Webサイトのスクリーンショットしかないなら画像検索、実際のページへアクセスできるなら開発者ツール、というように使い分けると効率的です。
PDFならフォント情報が残っている可能性もある
対象がPDFの場合も、いきなり画像として解析する必要はありません。PDF内部にフォント情報が保持されていれば、使用フォントを確認できる場合があります。
例えばAdobe Acrobatでは、PDFの文書プロパティから使用されているフォントの情報を確認できる場合があります。文字がアウトライン化・画像化されている場合などは確認できませんが、元のフォント情報が残っているなら画像から推測するより確実です。
つまり「どこで見つけた文字なのか」も重要です。Web、PDF、Illustratorデータ、画像では、それぞれ最適な調べ方が異なります。
フォントを質問するときに用意するとよい情報
掲示板やQ&Aサイトなどでフォント名を尋ねる場合は、画像だけでなく入手元などの情報も添えると特定しやすくなります。
| 情報 | 特定に役立つ理由 |
|---|---|
| 鮮明な画像 | 文字の細部を比較できる |
| 複数の文字 | 特徴的な字形を比較できる |
| 日本語・英数字 | 和文・欧文部分をそれぞれ比較できる |
| 画像の出典 | 使用サービスや制作年代から候補を絞れる |
| WebサイトのURL | CSSやWebフォントを調査できる可能性がある |
| 制作された時期 | 当時存在しなかったフォントを候補から除外できる |
特に元画像が小さい場合は、スクリーンショットを拡大したものではなく、可能であれば元の高解像度画像を用意しましょう。低解像度画像を単純に拡大しても失われた字形情報は戻らないためです。
「完全一致」と「似ているフォント」は区別する
フォントを探していると、「これにかなり似ています」という候補が見つかることがあります。しかし、実際のフォント名を特定したい場合は、似ているだけで断定しないことが大切です。
候補が見つかったら、画像内に存在する複数の文字を同じサイズで入力して比較します。1文字だけ一致していても、別の文字を見ると形が大きく違う場合があります。
フォント名を断定できるのは、元データのフォント情報を確認できた場合などです。画像からの判定では「可能性が高い」「類似している」という表現が適切なケースもあります。
まとめ:画像だけでもフォント候補は探せるが断定できない場合もある
画像に使われているフォントを調べる場合は、まず明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体などの大まかな分類を確認し、ひらがな・数字・英字など特徴的な文字を比較すると候補を絞り込みやすくなります。
画像から探す場合はAdobe Fontsのビジュアル検索、IllustratorのRetype、英字ならWhatTheFontなどの検索手段も利用できます。Webサイトならブラウザの開発者ツール、PDFなら文書に保存されているフォント情報を先に確認するほうが確実な場合があります。
一方、ロゴなどでは既存フォントを加工しているケースや完全なオリジナル書体もあります。その場合、検索しても全く同じフォントは見つかりません。
「これって何のフォント?」を正確に調べるには、対象となる文字がはっきり見える画像が不可欠です。画像がない場合はフォント名を判断できないため、まず対象画像を用意し、できれば複数文字が見える状態で比較・検索することから始めましょう。


コメント