LaTeXのTikZを使って図を描くとき、円やその他の図形を描く際に不要なスペースが取られてしまうことがあります。今回は、円のスペースを取らずに図を描く方法について解説します。
1. 問題の背景
質問者は、次のようなTikZコードを使用して図を描いています:
\begin{tikzpicture}[scale=0.5]
\coordinate (A) at(0,0) ;
\coordinate (B) at ({sqrt(55)},0);
\draw (A) -- (B) ;
\path[name path=c1, draw=none] (A) circle[radius=8];
\path[name path=c2,draw=none] (B) circle[radius=3];
\draw[red,name intersections={of=c1 and c2}]
(intersection-1) --(intersection-2);
\end{tikzpicture>このコードでは、円の間の空間が図に表示されていないにも関わらず、円自体がレイアウトに影響を与えてしまっています。
2. 問題の原因
TikZの`path`コマンドを使って円を描くとき、円自体が描画領域を持つため、他の図形と重ならないように自動で調整が行われることがあります。そのため、円のスペースが必要以上に取られてしまい、予期しない空間ができてしまいます。
この問題は、描画した円を表示しないように設定しているにも関わらず、内部的には描画領域が保持されていることが原因です。
3. 解決方法：`scope`を使う
解決策としては、円を描画した後、その影響を受けないように`scope`を使って円の影響を範囲外にすることができます。以下のようにコードを変更します:
\begin{tikzpicture}[scale=0.5]
\coordinate (A) at(0,0) ;
\coordinate (B) at ({sqrt(55)},0);
\draw (A) -- (B) ;
\begin{scope}
\path[name path=c1, draw=none] (A) circle[radius=8];
\path[name path=c2,draw=none] (B) circle[radius=3];
\end{scope}
\draw[red,name intersections={of=c1 and c2}]
(intersection-1) --(intersection-2);
\end{tikzpicture>このように`scope`を使うことで、円の領域が影響を与えることなく、他の図形にだけ注目することができます。
4. 他の方法：`invisible`オプションの利用
さらに、円自体を完全に非表示にする方法として、`draw=none`に加えて、`invisible`オプションを使うこともできます。これにより、円が描画されず、空間を取ることもなくなります:
\path[name path=c1, draw=none, invisible] (A) circle[radius=8];
\path[name path=c2, draw=none, invisible] (B) circle[radius=3];この方法も円の影響を完全に排除できます。
5. まとめ
TikZを使った図作成で不要な空間を取らないためには、円を描いた後にその影響を取り除く方法がいくつかあります。`scope`を使う方法や、`invisible`オプションを使用する方法などがあります。これらを上手に活用することで、目的通りの図を作成できるでしょう。
ぜひ、あなたのTikZコードにもこれらの方法を取り入れて、効率的な図作成を行ってみてください。
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