近年、携帯電話に届く詐欺SMS(ショートメッセージ)の手口が巧妙化しています。その中でも新たに確認されているのが、「グループチャット詐欺」です。通常の個別SMSとは異なり、知らない複数の番号と一緒にグループに追加され、詐欺メッセージが送られる手法です。本記事では、グループチャット詐欺の仕組みや見抜き方、そして適切な対策方法について解説します。
1. グループチャット詐欺とは?
グループチャット詐欺とは、攻撃者がターゲットを含む複数の電話番号をSMSのグループチャットに追加し、詐欺メッセージを送信する手法です。
通常の詐欺SMSと異なり、被害者が「自分以外にも同じメッセージを受け取った人がいる」と思い込むことで、より信頼してしまう心理を利用しています。
例えば、以下のようなメッセージが送られてきます。
- 「本人確認のために以下のリンクからログインしてください」
- 「未払いの請求があります。詳細はこちらから確認してください」
- 「銀行やクレジットカード会社からの重要な通知です」
2. なぜグループチャットを利用するのか?
この手法が使われる理由には以下のようなものがあります。
- 複数人に一度に詐欺メッセージを送れる: 効率よく大量の被害者にアプローチできる
- 信憑性を高める: 他の人も同じメッセージを受け取っていると思わせることで、詐欺を本物の連絡と勘違いさせる
- 被害者が無意識に情報を漏らす可能性がある: グループ内での会話を誘導し、個人情報を引き出す
3. 詐欺メッセージの見抜き方
詐欺SMSは、いくつかの特徴を持っています。以下のポイントに注意しましょう。
- 発信者が不明確: 例えば、+44(イギリス)など海外の番号から送られてくる
- 不自然な日本語: 文法や表現が不自然で、日本語の使い方に違和感がある
- 不審なURL: 公式サイトに似せたURL(例:aeon〇〇.com など)が使われている
- 個人情報の入力を求める: 「ログイン」や「認証」を装い、クレジットカード情報やパスワードを入力させようとする
4. グループチャット詐欺に遭った場合の対処法
詐欺メッセージを受け取った際は、以下のように対応してください。
① メッセージを開かない
不審なメッセージは開かずに削除しましょう。
② リンクをクリックしない
メッセージ内のURLを開くと、フィッシングサイトに誘導される可能性があるため、絶対にクリックしないようにしましょう。
③ 送信元をブロックする
スマートフォンのメッセージアプリの機能を使い、詐欺メッセージの送信元をブロックしてください。
④ グループから退出する
Googleメッセージアプリの場合、グループチャットの設定から退出できます。また、iPhoneのメッセージアプリでも同様の操作が可能です。
⑤ 迷惑メール相談センターに通報
日本国内で詐欺SMSを受け取った場合は、迷惑メール相談センター(info@dekyo.or.jp)に転送し、通報できます。
5. まとめ
詐欺SMSの手口は年々巧妙化しており、新たに「グループチャット詐欺」が確認されています。複数の被害者を装い、信用させることで、個人情報を盗み取る狙いがあります。
万が一このようなメッセージを受け取った場合は、開かない・クリックしない・ブロックする・通報するという基本的な対策を徹底しましょう。
家族や高齢者にも注意を促し、詐欺被害を未然に防ぐことが大切です。
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