PLC間通信方式の比較: CC-Link IE Control, CC-Link IE Field, Ethernet/IPの違い

通信プロトコル

PLC間での通信方式の選択は、システム設計において重要な要素です。この記事では、CC-Link IE Control、CC-Link IE Field、Ethernet/IPの3つの通信方式について、それぞれの特徴とデータ通信方式を比較し、どのようなトークンリング方式やその他の通信方式が使われているのかを解説します。

1. CC-Link IE Controlの通信方式

CC-Link IE Controlは、オープンネットワーク方式を採用し、高速通信と大規模システムに対応できるため、産業用制御システムでよく使用されます。この通信方式は、トークンリング方式に近いものではなく、スイッチング技術を使って複数のPLCが効率的にデータをやり取りすることができます。

CC-Link IE Controlの特徴は、通信速度が最大1Gbpsという点です。これにより、大量のデータを瞬時に送信することが可能となり、リアルタイムでの制御が要求されるシステムにも適しています。

2. CC-Link IE Fieldの通信方式

CC-Link IE Fieldは、CC-Link IE Controlと比較すると、より低速の通信が可能ですが、スケーラビリティとコスト効率に優れたシステムです。この方式では、トークンパッシング方式を採用しており、データがネットワーク内を順番に移動することで通信が行われます。

トークンパッシング方式は、シンプルで安定した通信を提供しますが、トークンの消失や競合などの問題が発生する可能性もあります。それでも、CC-Link IE Fieldは、多くの用途において信頼性の高い選択肢となります。

3. Ethernet/IPの通信方式

Ethernet/IPは、Ethernet(イーサネット)を基盤とした通信方式で、産業オートメーションの分野でも広く使用されています。Ethernet/IPでは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)およびUDP(User Datagram Protocol)を利用してデータ通信を行います。これにより、通信が非常に効率的に行われ、インターネットを通じて遠隔操作や監視が可能です。

Ethernet/IPの特徴として、スイッチング技術により、リアルタイムでの通信が可能となり、非常に大規模なシステムでも問題なく運用できます。また、Ethernetベースであるため、他のEthernet機器との互換性も高く、ネットワーク設計において柔軟性があります。

4. 通信方式の選び方

PLC間の通信方式を選ぶ際には、システムの規模、通信速度、安定性、コストなどを考慮する必要があります。例えば、高速通信が要求される大規模システムではCC-Link IE Controlが適しており、コスト効率を重視した中小規模システムではCC-Link IE Fieldが適しています。また、Ethernetベースでのネットワークを活用する場合にはEthernet/IPが最適です。

最終的な選択は、システムに必要な要件に基づいて行うべきですが、各通信方式の特徴を理解し、最適な選択をすることが重要です。

まとめ

PLC間の通信方式には、CC-Link IE Control、CC-Link IE Field、Ethernet/IPの3つの主要な方式があります。各方式は、それぞれ異なる通信方式と特徴を持ち、用途に応じた選択が必要です。これらの方式の理解を深め、システムの要件に合わせた最適な通信方法を選択することが、より効果的なPLC間通信を実現するための鍵となります。

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