Red Hat Enterprise Linux 9 (RHEL9)では、デフォルトでNetworkManagerがネットワーク設定を管理するツールとして使用されていますが、必ずしもこれを使用しなくてもネットワークの設定は可能です。この記事では、NetworkManagerを使用せずにRHEL9でネットワーク設定を管理する方法について解説します。
NetworkManagerとは?
NetworkManagerは、Linuxシステムでのネットワーク設定を簡単に管理できるツールで、特にデスクトップ環境やモバイル環境において利用されます。これにより、ネットワークの接続管理や設定が自動化され、ユーザーにとって便利なツールです。
しかし、サーバー環境やネットワーク設定の細かいカスタマイズが求められる場合、NetworkManagerを使用せずに手動で設定を管理したいことがあります。
NetworkManagerを無効にする方法
RHEL9でNetworkManagerを使わずにネットワーク設定を管理するためには、まずNetworkManagerを無効化する必要があります。以下の手順で無効にできます。
sudo systemctl stop NetworkManager
sudo systemctl disable NetworkManager
これにより、NetworkManagerが起動しなくなり、ネットワーク設定の管理を手動で行えるようになります。
手動でネットワーク設定を管理する方法
NetworkManagerを無効にした後、ネットワークの設定を手動で行います。RHEL9では、ネットワーク設定を管理するために、主に「netplan」や「ifcfg」ファイルを使用します。
1. **netplan**: netplanは、YAML形式でネットワーク設定を行う方法です。設定ファイルは「/etc/netplan/」ディレクトリに保存されます。例えば、以下のような設定ファイルを作成することで、静的IPアドレスを設定できます。
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
enp0s3:
dhcp4: no
addresses:
- 192.168.1.10/24
gateway4: 192.168.1.1
2. **ifcfg**: RHEL系ディストリビューションでは、従来のifcfgファイルを使用してネットワーク設定を行うことができます。設定ファイルは「/etc/sysconfig/network-scripts/」ディレクトリに保存されています。例えば、以下のように設定を行います。
DEVICE=enp0s3
BOOTPROTO=static
ONBOOT=yes
IPADDR=192.168.1.10
NETMASK=255.255.255.0
GATEWAY=192.168.1.1
これらの設定ファイルを編集した後、ネットワークサービスを再起動して変更を適用します。
ネットワークサービスの再起動
ネットワーク設定を手動で変更した後、設定を反映させるためにネットワークサービスを再起動する必要があります。以下のコマンドを使用してネットワークサービスを再起動します。
sudo systemctl restart network
これで、手動で設定したネットワーク設定が適用されます。
NetworkManagerなしでの管理の利点と注意点
NetworkManagerを使用しないことで、ネットワーク設定に対するより細かい制御が可能になります。特にサーバー環境や特定の要件に合わせたネットワーク設定が必要な場合には、手動での管理が有利です。
しかし、手動での管理には注意も必要です。NetworkManagerが提供する自動化された機能(例えば、接続の切り替えやVPN接続の管理など)は手動で実行する必要があり、作業が煩雑になることがあります。また、誤った設定を行うとネットワークが切断される可能性があるため、慎重に作業を進めることが求められます。
まとめ
RHEL9では、NetworkManagerを使用せずにネットワーク設定を管理することは可能です。NetworkManagerを無効にした後、手動で設定ファイルを編集する方法を使用することで、より細かいネットワーク制御が可能になります。しかし、手動での設定管理には慎重さが求められるため、注意深く作業を行うことが重要です。
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