iPhoneで撮影したVFR(可変フレームレート)動画とICレコーダーの音声を合成しようとした際に、動画と音声がずれてしまうことがあります。特に、Premiere Proなどの編集ソフトで扱う場合、CFR(固定フレームレート)へ変換したにもかかわらず時間軸が歪んだままになることがあります。本記事では、VFR動画のズレを修正し、音声を正しく同期させる方法について解説します。
VFR動画とは?なぜズレるのか?
VFR(可変フレームレート)とは、動画のフレームレートがシーンによって変動する録画方式のことです。これは、ファイルサイズを抑えるためにスマートフォンなどのデバイスでよく使われますが、編集ソフトによっては同期ズレの原因となります。
VFRによるズレの主な原因
- 異なるデバイスで録音・録画している:ICレコーダーは正確な時間軸で録音しますが、VFR動画はフレームレートが変動するため、両者の時間が一致しなくなる。
- 編集ソフトがVFRを適切に処理できていない:Premiere Proなどのソフトでは、VFRをCFRに変換しないと正確な同期が取れないことがある。
- HandBrakeのCFR化が完全ではない:HandBrakeを使ってCFR化しても、動画の長さが微妙に異なってしまう場合がある。
解決策①:CFR変換をやり直す
VFRの動画を正しくCFRに変換することで、時間軸の歪みを最小限にできます。
HandBrakeを使う場合
- HandBrakeを開き、[動画] タブに移動。
- [フレームレート (FPS)] を30または60に設定し、「固定フレームレート(CFR)」を選択。
- エンコードし直し、Premiere Proで再度確認。
FFmpegを使う場合(より正確)
FFmpegを使用すると、より正確にCFR化できます。
ffmpeg -i input.mp4 -r 30 -c:v libx264 -preset slow -crf 18 -c:a copy output.mp4
このコマンドにより、動画を30fpsのCFRに変換し、音声はそのままコピーされます。
解決策②:Premiere Proでの修正
Premiere Proでは、以下の手順で音声のズレを修正できます。
手動で同期をとる
- 動画と音声をタイムラインに配置。
- アナウンス部分などの特徴的な音を基準にして位置を調整。
- 時間が進むにつれてズレる場合は、速度調整 を使用して微調整。
リタイミング(Time Stretch)を使用する
- 音声クリップを選択。
- [クリップ] → [速度・デュレーション] を開く。
- 数値を微調整し、動画とぴったり合うようにする。
解決策③:プラグインを活用する
Premiere Proでは、時間のズレを補正するためのプラグインも活用できます。
- PluralEyes:自動で音声同期を行うプラグイン。
- Timecode Buddy:異なるデバイス間のズレを修正するのに役立つ。
まとめ
VFR動画のズレを修正するには、まず正しくCFR化することが重要です。HandBrakeやFFmpegでCFR化し、Premiere Proで速度調整を行うことで、ズレを最小限に抑えることができます。また、リタイミングやプラグインを活用することで、さらに正確に同期を取ることが可能です。
適切な方法を試し、映像と音声が正しく合成されるように調整してみましょう。
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