CLIP STUDIO PAINTで描いたイラストをPSD形式で書き出す際、加算発光や乗算、オーバーレイなどのレイヤー加工が正しく反映されないことがあります。これにより、書き出したデータで線画が消えたり、顔が異常な色になったりする問題が発生します。この記事では、その原因と解決策を解説し、同じ失敗を防ぐためのポイントを紹介します。
CLIP STUDIO PAINTとPSD形式の互換性について
CLIP STUDIO PAINTからPhotoshopのPSD形式に書き出す際、特に注意が必要なのはレイヤーの合成方法です。CLIP STUDIO PAINTでは、複数の合成モード(加算発光や乗算、スクリーンなど)が利用可能ですが、これらの効果がPSD形式に書き出す際に正しく反映されないことがあります。
原因としては、CLIP STUDIO PAINTのレイヤー合成方法がPhotoshopのPSD形式では一部サポートされていないことが多いです。特に、Photoshopが持つ独自のレイヤー合成モードと、CLIP STUDIO PAINTのモードとの間に違いがあるためです。
反映されないレイヤー加工の代表的なもの
以下に、PSD形式に書き出す際によく発生する問題を解説します。
- 加算発光:加算発光はCLIP STUDIO PAINTでよく使われる効果ですが、PhotoshopのPSD形式に書き出すと、正しく表示されないことがあります。特に背景が透過している場合に影響が出やすいです。
- 乗算:乗算モードは、色を重ねて暗くする効果がありますが、PSD形式に書き出すと色が変わったり、薄くなったりすることがあります。
- スクリーン:スクリーンモードは明るくする効果ですが、PSDで開いた際に効果が反映されない場合があります。
- オーバーレイ:オーバーレイモードも、しばしば書き出し時に色の変化が見られます。特に、輝度を変える処理が正しく反映されないことがあります。
PSDに書き出す際の設定と注意点
これらの問題を回避するためには、PSD形式に書き出す前にいくつかの設定を確認することが重要です。まずは以下の点をチェックしましょう。
- レイヤーのフラット化:書き出す前に、複雑なレイヤーをフラットにまとめることで、合成モードが原因で生じる問題を防げることがあります。
- 合成モードの確認:CLIP STUDIO PAINTの合成モードがPhotoshopに対応していない場合は、手動で調整することも一つの手です。特に「乗算」や「オーバーレイ」など、色に関わる合成モードは影響が出やすいので、書き出し前に試してみましょう。
- レイヤーの透明度の調整:透明度やレイヤーマスクが反映されないことがあるため、書き出す前に透明度の調整を行い、問題がないか確認します。
書き出し後に問題が発生した場合の修正方法
もし書き出し後に問題が発生した場合は、PSDファイルを開いた後に、Photoshop側で再度調整を加えることもできます。以下の方法で修正を試みましょう。
- レイヤー合成モードの手動調整:PSDファイルをPhotoshopで開き、問題のあるレイヤーの合成モードを手動で調整します。
- レイヤーを再構成:必要に応じてレイヤーをフラット化したり、新たにレイヤーを追加して調整を行うことができます。
- 色調整:顔の色が異常になっている場合、色調補正ツールを使用して再調整することも可能です。
まとめ:クリスタからPSDに書き出す際のポイント
CLIP STUDIO PAINTからPhotoshop形式(PSD)に書き出す際には、レイヤー合成モードや透明度、色調などが原因で不具合が発生することがあります。加算発光や乗算、オーバーレイなどのモードが正しく反映されない場合は、書き出し前にレイヤーをフラット化する、合成モードを確認する、色調を調整するなどの方法で問題を回避できます。
もし書き出し後に問題が発生した場合は、Photoshopでの修正が可能ですが、最初から設定を調整することで同じ失敗を防ぐことができます。クリスタとPSDの間での互換性に注意し、効果的に作業を進めていきましょう。
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