tar xvfとtar zxvfの違いとは?.gz形式ソースを正しく展開・コンパイルするための基礎知識

Linux系

LinuxやUNIX環境でソースコードをコンパイルする際、「tar xvf」と「tar zxvf」のどちらを使うべきか迷う場面は少なくありません。特に.gz形式で配布されているソースアーカイブでは、オプションの違いを正しく理解していないと、展開できなかったり、環境依存のエラーにつながることがあります。本記事では、bc11.gzのようなファイルを例に、tarコマンドの正しい使い分けを解説します。

tarコマンドの基本構造を理解する

tarコマンドは、複数のファイルを1つにまとめたり、展開したりするための標準的なツールです。オプションはまとめて指定でき、それぞれに意味があります。

代表的なオプションとして、xは展開(extract)、vは詳細表示(verbose)、fはファイル指定(file)を意味します。この3つを組み合わせた「tar xvf」は、指定したアーカイブを展開しながら内容を表示する基本形です。

.gzファイルとzオプションの関係

.gzはgzipで圧縮されたファイルであることを示します。この圧縮を自動的に解凍しながらtar展開するために使われるのがzオプションです。

つまり、「tar zxvf」は「gzipで圧縮されたtarアーカイブを解凍しつつ展開する」という意味になります。一般的に.tar.gzや.tgzといった形式では、このzオプションが必要です。

bc11.gzの場合にtar xvfが指定されている理由

bc11.gzというファイル名から判断すると、一見gzip圧縮されたtarアーカイブのように見えますが、実際には「単体ファイルをgzip圧縮したもの」である可能性があります。

その場合、まずgunzipやgzip -dで解凍するとbc11というファイルが生成され、その中身がtar形式であれば、改めて「tar xvf bc11」とする手順が正解になります。このケースでは、最初からtar zxvfを使うとエラーになることがあります。

tar zxvfが間違いになるケースと正しい手順

tar zxvfが使えるのは、「gzip圧縮されたtarアーカイブ」である場合のみです。もし中身がtarではなく、単なるソースファイルや別形式のアーカイブであれば、zオプション付きのtarは不適切です。

実務では、fileコマンドでファイルの種類を確認するのが確実です。例えば「file bc11.gz」と実行すれば、gzip圧縮された内容がtarかどうかを判別できます。

実例:安全な展開とコンパイルまでの流れ

例えば、bc11.gzをダウンロードした直後に以下のように進めると安全です。

まず「gunzip bc11.gz」で解凍し、次に「tar xvf bc11」で展開します。その後、READMEやINSTALLを確認し、configure、make、make installといった一般的なコンパイル手順に進みます。

まとめ:tar xvfとtar zxvfは使い分けが重要

tar zxvfが常に間違いというわけではありませんが、bc11.gzのように「gzipされたtarではないファイル」の場合は不適切です。ファイル形式を正しく理解し、圧縮とアーカイブを分けて考えることが、Linux環境での安定した作業につながります。

コンパイル作業では、コマンドを暗記するよりも「なぜそのオプションが必要なのか」を理解することが、トラブル回避とスキル向上の近道になります。

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