Windows11でZabbixからバッチスクリプトを実行し、COMポートを使用してデータを送信しようとした際に発生する問題について、解決策を紹介します。特に、Zabbixアクションからスクリプトを実行する際にCOMポートが認識されない場合、いくつかの設定を確認する必要があります。
1. セキュアブートとサービスのセッション管理
Windows11では、サービスのセッション管理が原因で、Zabbixアクションから実行されるバッチスクリプトがCOMポートを認識しないことがあります。これは、Zabbixエージェントが通常のユーザーセッションで実行されるため、シリアルポートにアクセスできない場合があるからです。
一部のシステムでは、Zabbixエージェントが「サービス」セッションで実行され、COMポートにアクセスする権限を持たないことがあります。これを解決するためには、Zabbixエージェントが管理者権限で実行されていることを確認し、必要に応じて「サービス」セッションのセキュリティ設定を見直します。
2. バッチスクリプトとセキュリティ設定の確認
バッチスクリプト内で「mode」コマンドを実行し、COMポートの状態を確認すると、Zabbixから実行した際にはポートが認識されない場合があります。これには、バッチスクリプトが管理者権限で実行されていないため、必要なアクセス権限が不足している可能性があります。
「mode」コマンドを使ってCOMポートの確認を行う前に、Zabbixエージェントが管理者権限で実行されていることを確認してください。また、バッチファイル内に適切なエラーチェックを加え、ポートが開かれていない場合はエラーメッセージを出力するようにすると、問題の診断が容易になります。
3. 他のPCで動作する理由
同じZabbix監視設定でも、Windows10 Proではバッチスクリプトが正常に動作することがあります。これは、Windows10ではセキュアブートやセッション管理の設定が異なり、ZabbixがCOMポートにアクセスできる場合があるためです。
Windows10では、セキュリティポリシーやアクセス権限が異なるため、同じ設定でも異なる挙動を示すことがあります。Windows11で問題が発生する場合は、セキュリティ設定やポートのアクセス権限を再確認することが必要です。
4. Zabbixエージェントの権限確認と設定
Zabbixエージェントが管理者権限で実行されていない場合、COMポートにアクセスする権限が制限されている可能性があります。Zabbixエージェントの設定で、「管理者権限で実行する」オプションを有効にすることで、COMポートへのアクセス権限を確保できます。
エージェントの設定ファイルやサービスの設定を見直し、適切な権限を付与することが解決策の一つです。また、Zabbixサーバーとエージェントのバージョンが一致しているか、必要に応じて最新のバージョンにアップデートすることもおすすめします。
5. まとめ
Windows11でZabbixからバッチスクリプトを実行してCOMポートを通じてデータ送信を行う場合、セキュリティ設定やZabbixエージェントの実行権限を確認することが重要です。また、バッチスクリプトを管理者権限で実行することで、COMポートへのアクセス問題を解決できます。適切な設定を行うことで、問題なくデータ送信ができるようになります。


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