Blenderでキャラクターの衣装を作る際、Tシャツなどシンプルな服は比較的簡単に作れますが、制服やボタン付きの衣装になると難易度が上がります。この記事では、初心者でも取り組みやすい手順で、より複雑な衣装を作るための基本的な方法を解説します。
シンプルな衣装と複雑な衣装の違い
Tシャツのような服は平面的な形状を少し立体化するだけで作れますが、制服やスーツは襟、ポケット、ボタン、折り返しなど細かいパーツを持っています。そのため、モデリングの段階で「パーツごとに分けて作る」意識が重要になります。
例えば、襟を体の一部として押し出して作ろうとすると形が崩れやすいですが、別オブジェクトで作成すればリアルに再現できます。
ベースメッシュの作成
まずはキャラクターの体をベースに、服の輪郭を複製して作成します。シュリンクラップモディファイアを使うと、体に沿った服のベースを効率よく作ることができます。
この段階では装飾をつけず、あくまで「土台」となる衣服の形だけを作っておくと後の作業がスムーズです。
細部のモデリング(襟・ボタン・ポケット)
- 襟 – 平面から押し出しで作り、服本体に適度にフィットさせる。
- ボタン – Cylinder(円柱)を縮小して配置。Arrayモディファイアを使えば等間隔で並べられます。
- ポケット – 服のメッシュに直接形を作り込む方法もありますが、別オブジェクトで作ってから配置する方が簡単です。
例えば学ランのような衣装では、襟は立ち上げて厚みをつけ、金色のボタンを等間隔に並べるだけでもぐっとリアルな印象になります。
ディテール追加とスカルプト
服のシワや自然な厚みを表現するには、スカルプトモードを利用すると効果的です。特に「Creaseブラシ」や「Inflateブラシ」を使うことで、布らしい質感を加えられます。
また、NormalマップやBumpマップを使うと、ポリゴン数を増やさずに細かいシワを再現できるため、レンダリング時の見栄えが向上します。
テクスチャとマテリアル設定
モデルが完成したら、テクスチャで素材感を出しましょう。制服であればウール調のテクスチャを使い、シャツならコットンの布地感を意識するとリアリティが増します。ボタン部分には金属マテリアルを設定するとアクセントになります。
さらに、服全体に少しだけ粗いノイズを加えると、のっぺり感を防ぎ、より自然な布地に見せることができます。
まとめ
Blenderで制服やボタン付きの衣装を作るには、以下の流れを意識すると作業がスムーズになります。
- ベースメッシュを体に沿って作る
- 襟・ボタン・ポケットなどは別パーツとしてモデリング
- スカルプトやマップで布の質感を追加
- マテリアルとテクスチャで素材感を仕上げる
最初は難しく感じるかもしれませんが、Tシャツの延長線として部分的に装飾を追加していく練習を重ねれば、複雑な制服や衣装も作れるようになります。


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