ORACLEデータベースにおいて、初期化パラメータの設定や変更はシステムの動作に大きな影響を与えるため、慎重に行う必要があります。特に、Pluggable Database(PDB)における初期化パラメータの設定方法は、CDB(Container Database)とは異なる部分もあります。本記事では、ORACLEのPDBにおける初期化パラメータの設定や変更方法を、具体例と共に解説します。
1. 初期化パラメータとは?
初期化パラメータは、ORACLEデータベースの動作に影響を与える設定項目で、例えばメモリの割り当て、接続の制限、ログの設定などがあります。これらの設定は、データベースのパフォーマンスや安定性に直結するため、適切な設定を行うことが重要です。
ORACLEのPDBでもCDBと同様に、初期化パラメータが設定されますが、PDBごとに異なるパラメータを設定できる場合もあります。CDB全体に影響を与える設定と、PDBごとに設定可能なパラメータを理解することが重要です。
2. PDBに初期化パラメータを設定・変更する方法
PDBの初期化パラメータを変更するには、以下の手順に従います。まず、CDB内で適切なPDBを選択し、パラメータの変更を行います。
1. PDBを開く: PDBの初期化パラメータを設定する前に、まずそのPDBが開かれている必要があります。以下のコマンドでPDBを開きます。
ALTER PLUGGABLE DATABASE
2. パラメータ変更: 初期化パラメータを変更するには、ALTER SYSTEM
コマンドを使用します。例えば、PDBにおけるメモリの設定を変更するには以下のコマンドを実行します。
ALTER SYSTEM SET
3. SCOPEオプションの理解
初期化パラメータを設定する際、SCOPEオプションを使用します。これにより、変更をどの範囲に適用するかを指定できます。主に使用されるSCOPEオプションには次の3種類があります。
- SCOPE = MEMORY: メモリ内でのみ変更を反映させ、データベースの再起動後には設定が元に戻ります。
- SCOPE = SPFILE: サーバーパラメータファイル(SPFILE)に変更を反映させ、再起動後も変更が維持されます。
- SCOPE = BOTH: メモリとSPFILE両方に変更を反映させ、再起動後にも変更が維持されます。
実際にパラメータを変更する際は、どの範囲で変更を適用するのかを意識してコマンドを実行してください。
4. 特定のPDBに対して設定可能なパラメータ
ORACLEでは、CDB全体に影響を与えるパラメータと、PDBごとに設定できるパラメータがあります。PDBごとに設定できる代表的なパラメータには、メモリ管理や接続制限などがあります。
例えば、PDBごとにメモリサイズを制限したい場合は、以下のように設定します。
ALTER SYSTEM SET memory_target = 1G SCOPE = BOTH;
これにより、指定したPDB内でのメモリ使用量が制限されます。
5. まとめ: PDBの初期化パラメータ設定のポイント
ORACLEのPDBにおける初期化パラメータの設定は、CDBと少し異なる部分があるため、理解しておくことが重要です。PDBごとに独立した設定を行える場合もあり、適切にパラメータを設定することで、データベースのパフォーマンスや安定性を向上させることができます。
パラメータを変更する際は、SCOPEオプションを使って変更範囲を指定し、再起動後の影響も考慮した設定を行いましょう。どのパラメータを設定するかは、システムの要件や運用方針に合わせて慎重に選択してください。
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