Excel VBAで、一定時間後に処理を実行するために「Application.OnTime」を使用して、タイマーを設定することができます。しかし、ユーザーがボタンをクリックしてタイマーを停止する際にうまくいかない問題があります。この記事では、タイマーを設定し、そのタイマーを停止する方法を解説します。
1. OnTimeメソッドを使ってタイマーを設定する
まず、タイマーを設定する基本的な方法を説明します。以下のコードは、1分後に「closeThisWorkbook」マクロを実行するタイマーを設定する例です。
' 1分後にcloseThisWorkbookを実行
Application.OnTime Now + TimeValue("00:01:00"), "closeThisWorkbook"
UserForm1.Show
このコードでは、1分後に指定したマクロ「closeThisWorkbook」が実行されるようにタイマーを設定しています。ユーザーフォームが表示されるまで待機し、その後処理が行われます。
2. タイマーを停止する方法
タイマーを停止したい場合、Application.OnTimeメソッドを使用して、スケジュールされた時刻のマクロ実行をキャンセルします。
以下は、ユーザーフォームの「CommandButton1」をクリックしたときにタイマーを停止するためのコード例です。
Private Sub CommandButton1_Click()
Dim scheduledTime As Date
scheduledTime = Now + TimeValue("00:01:00") ' スケジュールした時刻
' スケジュールをキャンセル
On Error Resume Next
Application.OnTime EarliestTime:=scheduledTime, Procedure:="closeThisWorkbook", Schedule:=False
On Error GoTo 0
MsgBox "ファイル自動閉止やめました。"
Unload UserForm1
End Sub
このコードでは、「CommandButton1」がクリックされたときに、設定されていたタイマーをキャンセルします。Application.OnTimeメソッドのSchedule:=Falseを使って、スケジュールされたマクロの実行を防ぎます。
3. エラー処理とデバッグ
タイマーを停止する際にエラーが発生することがあります。On Error Resume Nextを使ってエラーを無視していますが、デバッグを行いたい場合は、エラー処理を工夫する必要があります。特に、無効な時間指定やマクロ名のミスなどによってエラーが発生することがあります。
デバッグのためには、エラーの詳細を表示するようにして、問題の箇所を特定しましょう。
4. まとめ
Excel VBAでタイマーを設定して処理を遅延実行することができます。タイマーを停止するためには、Application.OnTimeメソッドのSchedule:=Falseを利用します。これにより、指定された時間に実行される予定の処理をキャンセルできます。ユーザーインターフェースでボタンを使用してタイマーを停止したい場合、この方法を使うと簡単に実装できます。


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