PC同士の疎通とネットワーク設定:ルータなしスイッチのみのケース

ネットワーク技術

ネットワークの設定について、PC同士の疎通が可能かどうかを確認することは、基本的なネットワーク設計において非常に重要です。特に、ルータなしでスイッチだけを使って通信する場合、どのような設定が必要なのかを理解することが求められます。この記事では、特定のネットワーク設定の例に基づいて、PC①とPC②の疎通が可能かを解説します。

1. ネットワーク設定の確認

まず、ネットワーク構成を確認してみましょう。以下の構成で、PC①とPC②の疎通が可能かを検討します。

  • スイッチ(SW)のIPアドレス:192.168.1.254/24
  • ルータRT①のIPアドレス:GE0=192.168.1.253/24(デフォルトゲートウェイ192.168.1.254)、GE1=192.168.2.254/24
  • PC①のIPアドレス:192.168.2.1/24、デフォルトゲートウェイ192.168.2.254
  • ルータRT②のIPアドレス:GE0=192.168.2.253/24(デフォルトゲートウェイ192.168.2.254)、GE1=192.168.3.254/24
  • PC②のIPアドレス:192.168.3.1/24、デフォルトゲートウェイ192.168.3.254

ここで重要なのは、スイッチが単なるLayer 2デバイスであり、ルーティング機能を持たない点です。この構成では、PC①とPC②がそれぞれ異なるサブネットに存在しています。

2. スイッチのみでの疎通は不可

スイッチはLayer 2(データリンク層)デバイスであり、IPアドレスを理解することはできません。つまり、スイッチは単にMACアドレスに基づいてフレームを転送します。

PC①(192.168.2.1)とPC②(192.168.3.1)は異なるサブネットに属しているため、スイッチだけでは直接通信することはできません。ルーティング機能がないため、PC①とPC②はお互いのIPアドレスにアクセスできません。

3. ルータの役割とその必要性

ルータはLayer 3(ネットワーク層)デバイスであり、異なるサブネット間の通信を可能にします。RT①とRT②の役割は、PC①のサブネット(192.168.2.0/24)とPC②のサブネット(192.168.3.0/24)を接続することです。

もしルータが適切に設定されていれば、PC①のIP(192.168.2.1)からPC②のIP(192.168.3.1)へのパケットが、RT①からRT②を通じてルーティングされ、疎通が可能になります。しかし、この通信が成立するためには、ルータが正しく設定され、PC①とPC②がそれぞれ自分のデフォルトゲートウェイにパケットを送ることが前提です。

4. まとめ

スイッチだけを使ったネットワークでは、異なるサブネットにあるPC同士の疎通は不可能です。PC①(192.168.2.1)とPC②(192.168.3.1)が通信するためには、ルータが必要です。ルータは異なるサブネット間のルーティングを行うため、RT①とRT②の設定により、PC①とPC②はお互いに通信することができます。

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