タイマーを使ったプログラミングは、時間管理を必要とする多くのアプリケーションで重要な要素です。C言語で提供されているタイマー関数には、timer_createとtimerfd_createがあります。これらは一見似ているものの、それぞれ異なる用途に適しています。この記事では、これらの関数の違いと、それぞれどのような場面で使い分けるべきかについて詳しく解説します。
timer_createとは?その特徴と使用シーン
timer_createは、UNIX系システムで提供されているタイマーAPIで、指定した時間にシグナルを送信するためのタイマーを作成します。主に、シグナル駆動型のプログラムで使用されます。
具体的な使用例としては、一定間隔でシグナルを送信し、そのシグナルを受け取った後に何らかの処理を行う場合が挙げられます。例えば、SIGALRM
シグナルを指定した時間に送信し、プログラムの実行を一時停止させる場合などです。
timerfd_createとは?その特徴と使用シーン
一方、timerfd_createは、タイマーをファイルディスクリプタとして扱うAPIです。この関数は、ファイルディスクリプタを使ってタイマーの経過時間を監視し、ファイルディスクリプタに読み込み可能な状態を作ります。主に、イベント駆動型のプログラムで使用されます。
具体的な使用例としては、select
やpoll
などのイベント待機システムと組み合わせて使うことが多いです。タイマーが経過した際には、ファイルディスクリプタが「読み込み可能」状態となり、その情報を受け取ることができます。
timer_createとtimerfd_createの違い
timer_createとtimerfd_createの最も大きな違いは、タイマーがどのように通知を行うかにあります。
- timer_create: シグナルを送信する。
- timerfd_create: ファイルディスクリプタを使用して、非同期的にイベント通知を受け取る。
これにより、使用する状況が異なります。シグナルを受け取って処理を行いたい場合はtimer_create
を、イベント駆動型のプログラムでファイルディスクリプタを利用したい場合はtimerfd_create
を使用するのが適切です。
どちらを選ぶべきか?実際のシチュエーション
タイマーを選択する際には、プログラムの性質に合わせた選択が重要です。もしシグナル駆動型のプログラムを作成している場合、timer_create
が自然な選択です。例えば、シグナルで別のスレッドに通知を送り、何らかの処理を行いたい場合です。
一方、timerfd_create
は、イベント待機ループに組み込む必要がある場合に便利です。例えば、複数の入力イベントを同時に監視し、その中でタイマーイベントも取り扱う必要がある場合には、ファイルディスクリプタの操作が簡単で効率的です。
まとめ
この記事では、timer_createとtimerfd_createの違いと、それぞれの使用シーンについて解説しました。タイマーを使い分ける際には、シグナル駆動型かイベント駆動型かを意識して選択することが重要です。どちらのタイマーも、特定のシナリオにおいては非常に便利なツールとなります。自分のプログラムに合ったタイマーを選び、効率よく時間管理を行いましょう。
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