Windows 11とOffice 365環境に移行した際、これまでExcelで使用していたマクロが動かなくなるケースがあります。これはセキュリティ設定やOfficeの仕様変更が影響している場合が多く、正しく設定すれば再びマクロを使える場合もあります。ここでは、原因と対処法、さらに代替手段について解説します。
Office 365でマクロが使えない主な原因
Excelマクロが動かないときの代表的な原因には、以下のようなものがあります。
- セキュリティ設定でマクロが無効化されている
- インターネット経由で入手したファイルが「保護ビュー」で開かれている
- 32ビット版と64ビット版の違いで一部コードが動作しない
- 組織のITポリシーでマクロが制限されている
特にOffice 365ではセキュリティ強化により、既定でマクロが無効化されていることが多いため、信頼できるファイルを「信頼できる場所」に保存したり、開くときに「コンテンツの有効化」を選択する必要があります。
マクロを有効にする方法
1. Excelを開き、「ファイル」→「オプション」をクリックします。
2. 左側のメニューから「セキュリティ センター」を選び、「セキュリティ センターの設定」を開きます。
3. 「マクロの設定」で「有効にする(推奨されません)」ではなく「警告を表示してすべてのマクロを無効にする」を選ぶのが安全です。
これにより、マクロを含むファイルを開いた際に「コンテンツを有効化」ボタンが表示され、信頼できる場合のみ実行できます。
Office 365での代替手段: Office Scripts
従来のVBAマクロに加えて、Office 365では「Office Scripts」という新しい自動化手段が利用可能です。これはJavaScriptベースで動作し、Excel for Webでも使用できます。クラウド環境で動作するため、従来のマクロよりもチームで共有しやすい特徴があります。
例えば、繰り返しのデータ整形や表の作成を自動化したい場合、Office Scriptsを記録し保存すれば、OneDrive経由で同僚と共有して活用できます。
マクロが必要な場合の対応例
・既存のマクロがある場合は、VBAエディタでコードを開き、警告やエラーが出ていないか確認する。
・64ビット環境でAPIやDeclare関数を使っている場合は、PtrSafe指定が必要。
・どうしても利用できない場合は、Office ScriptsやPower Automateを利用して処理を置き換えることも検討する。
まとめ
Office 365でもExcelマクロは引き続き利用できますが、セキュリティ設定や環境の違いによって動作しないことがあります。まずはマクロの有効化設定を確認し、それでも対応できない場合はOffice ScriptsやPower Automateといった代替手段を検討しましょう。これらを理解しておくことで、業務の自動化を止めることなく継続できます。

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