SQL ServerのAlways On可用性グループについて

SQL Server

SQL Serverは、可用性と高い耐障害性を提供するために、さまざまな技術と機能を提供しています。その中でも「Always On 可用性グループ(AG)」は、非常に重要な機能であり、データベースの高可用性と災害復旧を実現するための手段です。本記事では、SQL ServerにおけるAlways On 可用性グループの概要とその利用方法について解説します。

1. Always On 可用性グループとは?

Always On 可用性グループ(AG)は、SQL Serverの高可用性と災害復旧のための機能です。複数のサーバー間でデータベースをレプリケーションし、システムがダウンした場合でもサービスの中断を最小限に抑えます。AGは、データベースの複製をアクティブなインスタンス間で行い、障害が発生した場合には、自動的に他のインスタンスにフェイルオーバーして処理を継続します。

2. Always On 可用性グループの主な特徴

Always On AGには、いくつかの重要な特徴があります。これにより、高可用性と災害復旧を実現し、業務の連続性を確保することができます。

  • 複数のセカンダリーデータベース:AGでは、プライマリーデータベースとセカンダリーデータベースを複数作成することができます。セカンダリーデータベースは、読み取り専用として使用されることもあります。
  • 自動フェイルオーバー:プライマリサーバーに障害が発生した場合、自動的にセカンダリサーバーにフェイルオーバーします。
  • 同期と非同期のレプリケーション:データベースの同期や非同期レプリケーションが選択でき、障害発生時のデータの整合性を確保します。
  • ロールバックと復元:失われたデータをロールバックし、復元することでデータの損失を防ぎます。

3. Always On 可用性グループの設定方法

Always On 可用性グループを設定するには、いくつかの準備作業と設定が必要です。以下のステップに従って設定を行います。

3.1 SQL Serverインスタンスの準備

まず、Always On AGを利用するSQL Serverインスタンスを準備します。これには、SQL Server 2012以降のエディションが必要です。また、SQL Serverインスタンスがクラスター環境に対応している必要があります。

3.2 Always On AGを有効化

SQL Server Management Studio(SSMS)で、Always On AGを有効化します。サーバー構成ウィザードを使用して、AGを構成することができます。

3.3 プライマリおよびセカンダリーデータベースの作成

AGに使用するプライマリデータベースを選択し、そのデータベースをセカンダリインスタンスにレプリケートします。レプリケーションの設定を行うことで、データが同期されます。

4. Always On AGの利点と活用例

Always On AGは、特に高可用性を要求されるシステムや災害復旧が求められる環境において非常に効果的です。具体的な活用例として、次のようなシナリオがあります。

  • 金融業界:トランザクションデータの整合性と可用性を保つために、Always On AGが使用されます。
  • eコマース:ウェブサイトが常に稼働していることが求められるため、Always On AGを使用してダウンタイムを最小限に抑えます。
  • 製造業:データベースが生産ラインに直接影響を与えるため、Always On AGを使用して障害発生時でも生産を継続できます。

5. まとめ

SQL ServerのAlways On 可用性グループ(AG)は、高可用性と災害復旧を提供する強力な機能です。複数のデータベースインスタンス間でデータをレプリケートし、障害発生時には自動的にフェイルオーバーします。この機能を活用することで、ビジネスの継続性を確保できるため、企業のデータ管理において重要な役割を果たします。

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