エクセルVBAを使用している際、「フィルターされた範囲またはテーブル内でセルを移動することはできません」というエラーメッセージに直面することがあります。このエラーは、フィルター処理を行った後に行の削除や移動を試みる際に発生することが多いです。この記事では、このエラーの原因と、解決するための方法を解説します。
1. エラーの原因とは?
「フィルターされた範囲またはテーブル内でセルを移動することはできません」というエラーは、フィルターが適用された状態で範囲内の行を削除または移動しようとしたときに発生します。フィルターをかけたデータには表示されていない行が含まれており、VBAはその非表示行を操作対象にすることができません。
この問題は、以下のようなコードで発生することがあります。
With Range("A1").ListObject.DateBodyRange
.AutoFilter 5,"りんご"
.EntireRow.Delete
.AutoFilter 5
End With
上記のコードでは、フィルターで「りんご」を選択した後、その行を削除しようとしていますが、フィルターが適用された状態では削除ができないため、エラーが発生します。
2. 解決方法:フィルターを解除する
このエラーを解決するためには、フィルターを解除してから行削除を行う必要があります。具体的には、行を削除する前にフィルターを解除するか、表示されている行だけに絞って削除を実行する方法です。
以下のように、フィルターを解除してから行削除を行うコードに修正することでエラーを回避できます。
With Range("A1").ListObject.DateBodyRange
.AutoFilter 5,"りんご"
.SpecialCells(xlCellTypeVisible).EntireRow.Delete
.AutoFilter 5
End With
このコードでは、フィルターを適用した後に、`SpecialCells(xlCellTypeVisible)`を使って表示されているセルだけを対象にしています。その後、表示されている行を削除しています。
3. その他の解決策:非表示行を無視して削除
もし非表示行を削除対象にしない場合、`SpecialCells(xlCellTypeVisible)`を使う以外にも、他の方法で非表示行を無視して削除することができます。例えば、`AutoFilterMode`を使用してフィルター状態をチェックしたり、特定の条件で行を削除したりすることが可能です。
以下のように、フィルターをかける前にチェックすることで、不要な行削除を防ぐことができます。
If ActiveSheet.AutoFilterMode Then
' フィルターがかかっている場合、フィルター解除
ActiveSheet.AutoFilterMode = False
End If
このコードを削除処理前に追加すると、フィルターがかかっている場合にそのフィルターを解除し、安全に削除操作を行うことができます。
4. まとめ
エクセルVBAで「フィルターされた範囲またはテーブル内でセルを移動することはできません」というエラーは、フィルターされたデータの非表示行を削除しようとすることが原因です。解決方法としては、表示されている行のみを対象に削除を行うか、フィルターを解除してから削除を行うことが挙げられます。
VBAでフィルターを使用する際には、このようなエラーを避けるためにフィルターの状態や非表示行に注意を払いながら、適切なコードを実行することが大切です。これにより、エラーを回避し、効率的に作業を進めることができます。
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