Excelで「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,J$5:J$15)」と「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,$J$5:$J$15)」の違いと「$」の意味をわかりやすく解説

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Excelを使っていて「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,J$5:J$15)」と「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,$J$5:$J$15)」という2つの式が出てきて、「何がどう違うの?」「あの“$”って何?絶対参照?意味がわからない…」と感じたことはありませんか?この記事では、XLOOKUP関数の使い方と、セル参照における「$(ドルマーク)」の意味を、実例を交えて丁寧にご紹介します。

XLOOKUP関数の基本と使い方

まず、Microsoft Excelの XLOOKUP 関数の基本構造を確認しましょう。公式ヘルプでは、次のように説明されています。([参照](https://support.microsoft.com/en-us/office/xlookup-function-b7fd680e-6d10-43e6-84f9-88eae8bf5929)) ([turn0search5])

構文:=XLOOKUP(lookup_value, lookup_array, return_array, [if_not_found], [match_mode], [search_mode]) のように、最初の3つの引数が必須です。

つまり「探したい値(lookup_value)を、探す範囲(lookup_array)から見つけて、そこに対応する値が入っている返却範囲(return_array)から取り出す」という流れです。

「=XLOOKUP($B5,$I:$I,J:J)」と「=XLOOKUP($B5,$I:$I,$J:$J)」の違い

この2つの式を比べてみると、違いは第3引数(返却範囲、return_array)に「$」が付いているかどうかだけです。ではこの「$」があるかないかで結果が変わるのでしょうか?

結論から言うと、**検索範囲・返却範囲の参照が固定されるかどうか**が異なります。例えば式をコピーして下の行や右の列に貼り付けたとき、「$J$5:$J$15」のように両方固定されていれば、返却範囲は変化しません。一方「J$5:J$15」や「J5:J15」のように固定でない部分があると、貼り付け先に応じて範囲がずれる可能性があります。

そのため、「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,J$5:J$15)」は返却範囲を**相対参照**または部分的に変動させる意図があることが想定されるのに対して、「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,$J$5:$J$15)」は返却範囲を**固定(絶対参照)**して使いたいときに用いられます。

セル参照における「$(ドルマーク)」の意味

ここで“$”が何を表しているかを理解することが重要です。Excelでは、参照先を「相対参照」「絶対参照」「混合参照」の3種類で記述できます。([参照](https://support.microsoft.com/en-us/office/switch-between-relative-absolute-and-mixed-references-dfec08cd-ae65-4f56-839f-4f56-xx)) ([turn0search0])

– 相対参照(例:A1)→式を貼り付けた先に応じて行・列が変わる
– 絶対参照(例:$A$1)→行も列も固定される
– 混合参照(例:$A1 または A$1)→列だけ、または行だけを固定する

例えば、セル B5 をコピーして下のセルに貼り付けたとき、式内に B5 が入っていると「B6」に変わります。これが相対参照です。一方、$B$5 と書いてあれば、貼り付け先がどこであっても常に「B5」のセルを参照し続けます。([参照](https://edu.gcfglobal.org/en/excelformulas/relative-and-absolute-cell-references/1/)) ([turn0search18])

実例で理解する「$」の使い方と意図

実例①:売上一覧表で「税率セルが固定されている」ケース。税率がセル E1 に入っており、売上金額が列 Bに並んでいるとします。税率セルを固定しつつ、各行の売上に対して計算式を作るときには =B2*$E$1 のように絶対参照を使うことで、行を下にコピーしても税率参照先が変わりません。

実例②:XLOOKUP関数を多数の行で使う表があり、lookup_array は固定だが、return_array を貼り付け先によって変えたくない場合。=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,$J$5:$J$15)と書くことで、rows を変えても常に I5:I15 → J5:J15 を参照するようにできます。

どちらの式を使うべきか?使い分けのポイント

式を貼り付けたり複数行・複数列に展開したりする場合には、「参照先を変えていいか/変えたくないか」を基準として選びます。

  • 返却範囲を変動させたい(例:行を移動させると参照範囲もずれる)なら、J$5:J$15 や J5:J15 のように固定を少なくする。
  • 返却範囲を固定したい(例:どこでも同じ範囲)なら、$J$5:$J$15 のように列・行ともに固定する。

また、lookup_value や lookup_array にドルマークを付けるかどうかも、貼り付けの方向・展開の仕方に応じて検討しましょう。

まとめ

「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,J$5:J$15)」と「=XLOOKUP($B5,$I$5:$I$15,$J$5:$J$15)」の違いは、**返却範囲(return_array)の参照が固定されているかどうか**です。そして、「$(ドルマーク)」は参照先の行・列を「固定」するための記号であり、貼り付けや展開時の挙動をコントロールするものです。

Excel で作業効率を高め、間違いを減らすためにも、「参照を固定すべき部分」と「変動してよい部分」を意識して式を設計できるようにしておきましょう。

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