RSA暗号の復号化鍵dを求める方法について詳しく解説します。RSA暗号では公開鍵が与えられた場合、復号化鍵dを計算することが重要です。このプロセスは数学的な背景に基づいていますので、ステップバイステップで理解しやすい方法を説明します。
RSA暗号の基本概念
RSA暗号は、公開鍵暗号方式の一つで、公開鍵と秘密鍵(復号化鍵)を利用してデータを暗号化および復号化します。公開鍵と秘密鍵は、以下の数式で関連しています。
公開鍵 (n, e) は、n と e という2つの数値から構成されます。ここで、n は大きな整数で、通常は2つの素数の積です。そして、e は公開指数であり、通常は小さな整数が使用されます。復号化鍵dは、以下の関係に基づいて計算されます。
e × d ≡ 1 (mod ϕ(n))
ここで、ϕ(n) は n のオイラーのトーシェント関数であり、n の素因数分解に基づいて計算されます。
復号化鍵dを求めるステップ
RSA暗号で復号化鍵dを求めるための手順は、以下の通りです。
ステップ1: ϕ(n) を計算する
まず、n = 91 のオイラーのトーシェント関数 ϕ(n) を求めます。91 は 7 と 13 の素因数の積です。したがって、ϕ(91) は以下のように計算されます。
ϕ(91) = (7 – 1) × (13 – 1) = 6 × 12 = 72
ステップ2: e と ϕ(n) の逆数 d を求める
次に、公開指数 e = 5 と ϕ(91) = 72 に対して、e × d ≡ 1 (mod 72) を満たす d を求めます。これを求める方法は、ユークリッドの拡張アルゴリズムを使用します。
拡張ユークリッドのアルゴリズムを使って、5 × d ≡ 1 (mod 72) を解くと、d = 29 が得られます。
RSA暗号における鍵計算の実例
ここでは、具体的な計算例を見てみましょう。
公開鍵 (91, 5) の場合
公開鍵が (n = 91, e = 5) の場合、復号化鍵 d は 29 です。つまり、公開鍵で暗号化されたメッセージは、秘密鍵 d を使用して復号化できます。
まとめ: RSA暗号の復号化鍵dを求める方法
RSA暗号で復号化鍵dを求めるには、公開鍵 (n, e) とオイラーのトーシェント関数 ϕ(n) を基に計算します。まず、n を素因数分解して ϕ(n) を求め、その後、公開指数 e と ϕ(n) の逆数 d をユークリッドの拡張アルゴリズムを使って求めます。
この方法により、RSA暗号の復号化鍵を正確に求めることができます。実際の問題でも、この手順を応用して鍵の計算を行うことが可能です。
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