平均メモリアクセス時間の求め方に関して、キャッシュメモリのヒット時間やミス率、ミス時のアクセス時間をどのように組み合わせるかについて解説します。この記事では、2ウェイセットアソシアティブキャッシュのケースを取り上げ、具体的な計算例を通じて理解を深めます。
平均メモリアクセス時間の基本的な計算式
平均メモリアクセス時間(AMAT)は、以下の式で計算されます。
AMAT = ヒット時間 + ミス率 × ミス時のメモリアクセス時間
この式を基に、与えられた値を代入して計算を行うことができます。ヒット率とミス率を使って、キャッシュの性能を評価する際に非常に重要な指標となります。
例: 2ウェイセットアソシアティブキャッシュの場合
質問で与えられた条件を基に計算してみましょう。
- ヒット時間 = 10μs
- ミス率 = 1%(= 0.01)
- ミス時のメモリアクセス時間 = 1ms
これを基に、平均メモリアクセス時間を計算するには、以下のように式に代入します。
AMAT = 10μs × 0.99 + 1ms × 0.01
計算結果は、
AMAT = 9.9μs + 10μs = 19.9μs
となり、結果として、平均メモリアクセス時間は約20μsとなります。
異なる計算方法について
質問では、もう一つの計算方法として「10μs + 0.01 × 1ms = 20μs」という方法も提案されていますが、この式はミス率を加算する前にミス時のメモリアクセス時間を掛ける形になっています。この方法も正しく計算されていますが、通常の計算式に従った方法とほぼ同じ結果になります。
「10μs × 0.99 + 1ms × 0.01」を使う方法がより一般的に用いられる形ですので、こちらが推奨されます。
キャッシュ設計における考慮事項
キャッシュ設計を行う際、ヒット時間やミス率、ミス時のメモリアクセス時間を適切に設定することが重要です。特に、ミス率が高くなると、平均メモリアクセス時間が大きく増加してしまうため、ミス率を減らすための対策が求められます。
例えば、キャッシュの容量を増やす、アソシアティブキャッシュの方式を変更するなどの方法がありますが、これらはトレードオフが伴います。システムの要件やコストとバランスを取りながら、最適なキャッシュ設計を行うことが重要です。
まとめ
平均メモリアクセス時間の計算は、キャッシュシステムの性能を評価するために欠かせない指標です。与えられた条件に基づいて、適切な計算式を使い、システムの効率を評価することができます。今回の例では、ミス率を適切に考慮し、平均メモリアクセス時間を求める方法を紹介しました。この計算方法を理解し、システム設計に活かしていきましょう。


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