Ubuntuは主にPC向けのOSですが、ARMアーキテクチャのタブレットやスマートフォンにもインストールできる可能性があります。本記事では、UbuntuをARMデバイスに導入する方法や注意点について解説します。
UbuntuのARM対応状況
Ubuntuには、ARMアーキテクチャ向けのバージョンが存在します。公式サイトでは、ARM64(aarch64)向けのイメージが提供されており、Raspberry Piや一部のARMベースのPCで動作します。
しかし、一般的なAndroidタブレットやスマートフォンにそのままインストールすることはできず、対応機種やインストール手順に制限があります。
ARMタブレットやスマホにUbuntuをインストールする方法
① Ubuntu Touchを利用する
Ubuntu Touchは、タッチデバイス向けに開発されたUbuntuの派生OSです。UBportsによって開発が継続されており、特定のスマホ・タブレットで動作します。
対応端末例(2024年現在)。
- Fairphone 4
- PinePhone
- OnePlus One
- Google Nexus 5
インストール手順は、公式サイトのガイドに従い、PCからUbuntu Touchをフラッシュすることで導入できます。
② AndroidデバイスにLinuxを導入する
AndroidデバイスにUbuntuを導入するには、以下の方法があります。
Termuxを使う(ルート不要)
Androidアプリ「Termux」を使用すると、Android上でUbuntuの環境を構築できます。
- TermuxをGoogle PlayまたはF-Droidからインストール。
- 以下のコマンドを実行し、Ubuntu環境を構築。
pkg install proot-distro proot-distro install ubuntu
- Ubuntu環境を起動。
proot-distro login ubuntu
ただし、これはUbuntuの仮想環境であり、完全なOSとして動作するわけではありません。
カスタムROMとしてインストールする(ルート権限必要)
一部のAndroidデバイスでは、ルート化した上で「Ubuntu for Android」や「PostmarketOS」などのカスタムROMを導入できます。ただし、端末によっては互換性の問題が発生するため注意が必要です。
③ ARMベースのタブレットにUbuntuをインストール
一部のARMベースのタブレットでは、Ubuntuをネイティブインストールできます。
例えば、次のようなデバイスがUbuntuをサポートしています。
- PineTab(Pine64社のLinuxタブレット)
- Raspberry Pi搭載タブレット
- Surface Pro X(Ubuntu ARM64をカスタムブート)
これらのデバイスには、公式のUbuntu ARMイメージをダウンロードしてインストールすることができます。
注意点と制限
ARMデバイスにUbuntuをインストールする際の注意点は以下のとおりです。
- スマートフォンやタブレットはハードウェアごとのドライバが異なり、Ubuntuの標準カーネルでは動作しないことが多い。
- タッチスクリーンや無線LAN、カメラなどが動作しない可能性がある。
- ブートローダーのアンロックやカスタムリカバリーの導入が必要な場合がある。
まとめ
ARM搭載のタブレットやスマホにUbuntuをインストールする方法はありますが、すべてのデバイスに適用できるわけではありません。
- Ubuntu Touchを使えば、一部のスマホ・タブレットで利用可能。
- Termuxを使えば、Android上でUbuntu環境をエミュレートできる。
- ARM64対応のデバイスなら、公式Ubuntu ARMイメージを利用可能。
用途に応じて最適な方法を選び、UbuntuをARMデバイスで活用してみてください。
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