ロゴデザインや印刷物における色の選定は、視覚的なインパクトとともに印刷工程での最適化も重要です。特に黒色の使用に関して、コーポレートカラーとしてK100%(純粋な黒)を使用した場合に、印刷時に透けて見える問題が発生することがあります。これを解決するために、リッチブラック(K100%にCMY40%ずつ加えたもの)を使用する方法が考えられます。
K100%とリッチブラックの違い
K100%は、純粋な黒色を意味し、印刷では非常に濃い黒を再現しますが、印刷環境や使用する用紙によっては、色が少し薄く見えたり、透けたりする場合があります。リッチブラックは、K100%にC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のインクを加えて、より深く豊かな黒を作り出します。これにより、黒色のインパクトが増し、印刷物での見た目が改善されることがあります。
コーポレートカラーとしてK100%を使用する理由
コーポレートカラーはブランドの象徴となる重要な要素であり、色を変更することはブランドの一貫性を損なう恐れがあります。そのため、コーポレートカラーとしてK100%の黒を使用することは、ブランドのアイデンティティを維持するために重要です。もし、リッチブラックを使用することが決まった場合でも、コーポレートカラー自体を変更せずに印刷物においてのみ調整を行うことが推奨されます。
リッチブラックを印刷物で使用するメリット
印刷時にリッチブラックを使用する最大の利点は、より深く、濃い黒を得られることです。特に名刺やポスターなどの印刷物では、K100%だけでは不足することがあるため、リッチブラックにすることで、黒の密度を高め、視覚的にインパクトのある仕上がりを実現できます。また、リッチブラックを使用することで、重ねた色が透けて見えることを防ぎ、印刷時のオーバープリント問題を軽減できます。
実際にどちらを選択すべきか
コーポレートカラーとしてK100%を維持しつつ、印刷物においてはリッチブラックを使用する方法は、非常に合理的です。ブランドカラーがK100%であるならば、その色を基本にし、印刷時の仕上がりにおいてリッチブラックを選択することで、視覚的な品質とブランドの一貫性の両方を保つことができます。
まとめ
K100%の黒色はコーポレートカラーとして強いインパクトを持つため、ブランドアイデンティティを守るためには最適です。しかし、印刷物におけるリッチブラックの使用は、黒色の強さを増し、印刷時の問題を防ぐために非常に有効です。コーポレートカラーを変更せず、印刷時にリッチブラックを使用することが最良の選択肢と言えるでしょう。


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