Oracle Cloud Infrastructure (OCI) を使用している企業にとって、セキュリティとリソース管理は最も重要な要素の一つです。しかし、OCIではワークロードの保護とクラウドリソースの構成に関して、誰がどのような責任を持つのかを明確に理解することが求められます。本記事では、OCIにおけるワークロードの保護とリソース構成の責任分担について、顧客、Oracle、そしてサードパーティがどのように関与するのかを解説します。
1. Oracle Cloud Infrastructureのセキュリティ責任分担とは?
クラウドサービスを利用する際、特にセキュリティやリソース管理において重要なのは責任分担の明確化です。OCIでは、クラウドリソースの管理や保護がどこまでOracleが担当し、どこから顧客が担当するのかを理解することが必要です。
基本的に、OCIでは「共有責任モデル」が採用されており、Oracleと顧客がそれぞれ異なる領域で責任を負っています。このモデルは、クラウドサービスを利用する上でのセキュリティとコンプライアンスの基本的な枠組みを提供します。
2. Oracleの責任範囲
Oracleが担う責任は、主にクラウドインフラストラクチャのセキュリティと物理的なリソースの保護に関わります。具体的には、Oracleは以下の点について責任を負います。
- データセンターの物理的セキュリティ
- ネットワークの監視と管理
- 仮想化層のセキュリティ
- コンピュート、ストレージ、ネットワークのインフラストラクチャの保守
これにより、OCIを利用する顧客はインフラのセキュリティに関して、Oracleに一定の信頼を置くことができます。
3. 顧客の責任範囲
一方で、顧客が担うべき責任は、OCI上で実行されるワークロードやアプリケーションのセキュリティ、ならびにリソースの構成に関わる部分です。具体的には、顧客は以下の点について責任を持ちます。
- クラウドリソースの構成管理(インスタンスの設定、セキュリティポリシーの適用など)
- データの暗号化とバックアップ
- ネットワークセキュリティ(ファイアウォール設定、アクセス制御など)
- ユーザーアクセス管理と認証
これにより、顧客は自身のデータやアプリケーションをOCI上で適切に保護する責任を負います。
4. サードパーティのセキュリティサービスの利用
OCIでは、サードパーティのセキュリティサービスを利用して、さらに高いセキュリティレベルを実現することも可能です。サードパーティサービスには、セキュリティ監視、脅威検出、インシデントレスポンスなど、OCIにおけるセキュリティを補完するさまざまな機能があります。
例えば、OCIのネイティブセキュリティ機能だけでは不足と感じる場合、サードパーティ製のセキュリティツールを導入することで、より強力なセキュリティ体制を構築できます。
5. まとめ:OCIにおける責任分担を理解し、セキュリティ体制を強化する
Oracle Cloud Infrastructureにおけるワークロード保護とリソース構成の責任は、Oracle、顧客、そしてサードパーティのセキュリティサービスに分かれています。Oracleはインフラのセキュリティを担当し、顧客はその上で実行されるアプリケーションやデータの保護を担います。また、サードパーティのセキュリティサービスを活用することで、セキュリティ体制を強化することが可能です。
OCIを安全に運用するためには、各自の責任を理解し、適切にセキュリティ対策を講じることが不可欠です。
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