ニコニコ静画で見つけたお気に入りのイラストを、Zippoライターやスマホケースなどに印刷して自分用のオリジナルグッズを作りたいと考えることがあります。しかし、ネット上で閲覧・保存できる画像だからといって、自由に加工して印刷業者へ渡してよいとは限りません。
特に注意したいのが、自分で印刷する場合と、外部の印刷業者へ画像データを渡して製作してもらう場合を同じものとして考えないことです。文化庁の資料でも、他人の著作物を利用するときは著作権者の許諾が必要か、権利制限規定が適用できるかなどを確認する考え方が示されています。
ここでは、ニコニコ静画の作者へ連絡する方法、許可をお願いするときに伝える内容、二次創作イラストだった場合の注意点、印刷業者へ依頼する前に確認したいことを整理します。
ニコニコ静画の画像をZippoに印刷するなら作者への確認をおすすめする理由
イラストは一般に著作権によって保護される著作物になり得ます。文化庁も、他人の著作物を利用したい場合には、著作物か、保護期間内か、著作権法上の権利制限規定が適用できるかなどを確認し、該当しなければ権利者から許諾を得るという流れを案内しています。[参照] 文化庁「他人の著作物を利用したい場合など」
「自分だけが使うZippoだから私的利用では?」と思うかもしれません。確かに著作権法には私的使用のための複製という例外がありますが、外部事業者による複製を当然に同じ扱いにできるとは限りません。文化庁の審議会資料でも、利用者が提供した画像を事業者が商品へプリントするサービスについて、事業者による複製行為と私的使用の関係が論点として示されています。[参照] 文化庁
そのため、ニコニコ静画の画像をダウンロードし、トリミングや色調整などを行ったうえで印刷会社へ送るのであれば、作者から明確な許可を得てから発注するのが安全です。
ニコニコ静画の作者へ連絡するにはプロフィールを確認する
作者へ連絡したい場合は、まず対象作品の投稿者名から作者のプロフィールを確認します。プロフィール欄や自己紹介、投稿作品の説明文などに、X(旧Twitter)、pixiv、個人サイト、メールフォームなどの連絡先が掲載されていないか探します。
現在はニコニコだけで活動しているとは限らず、「ニコニコ静画では作品を公開し、連絡はXで受け付ける」というクリエイターもいます。作者自身がプロフィールからリンクしているSNSが確認できれば、そのアカウントのプロフィールに問い合わせ方法が書かれていないか確認します。
連絡先が見つからない場合、作品のコメント欄でいきなり詳細な交渉をするより、「作品の利用についてご相談したいのですが、連絡可能な窓口はありますか」と尋ねる程度に留めるほうが無難です。公開コメントには個人情報を書かないようにしましょう。
作者への許可依頼では何を伝えればいい?
単に「画像使っていいですか?」と聞くより、用途を具体的に説明したほうが作者も判断しやすくなります。特に、個人利用なのか販売目的なのか、何個作るのか、誰が印刷するのか、画像を加工するのかを明確にします。
例えば、「ニコニコ静画に投稿されている○○という作品を気に入っています。自分で使用するZippoライターを1個だけ作りたく、画像データを印刷業者へ送り、表面へ印刷してもらいたいと考えています。販売・配布はしません。サイズ調整のためトリミングする可能性があります。この用途で使用させていただくことは可能でしょうか」という形なら目的が伝わります。
許可をもらった場合は、後から認識の違いが起きないよう、返信を保存しておくとよいでしょう。「個人利用1個のみ」「販売不可」「SNS掲載不可」「加工はトリミングのみ可」など条件が指定された場合は、その範囲を守ります。
「個人用なので販売しない」と伝えることが重要
作者にとって、個人が1個だけ作る場合と、その画像を使用したZippoを複数製作して販売する場合では意味が大きく異なります。そのため、個人用なら「自分が使用する1個のみ」「販売・譲渡目的ではない」と明記すると判断してもらいやすくなります。
逆に、作者から個人利用だけ許可された画像を使って複数製作し、フリマアプリなどで販売することは、その許可の範囲を超える可能性があります。「使用OK」という返答をもらった場合でも、何に対する許可なのかを確認することが大切です。
また、完成したZippoの写真をSNSへ投稿したい場合は、それについても一緒に確認しておくと安心です。製作の許可と、完成品をインターネット上で公開する許可は分けて考えたほうがよいでしょう。
イラストを加工するなら加工内容も伝える
Zippoの印刷面は縦長なので、ニコニコ静画の元画像をそのまま使用できず、トリミング、背景削除、色調補正、文字追加などの加工が必要になることがあります。
この場合も「加工して使います」だけではなく、「Zippoのサイズに合わせて上下をトリミングします」「背景を透明化します」など、予定している変更を伝えると認識違いを防げます。
作者によっては「トリミングはOKだが描き足しは不可」「色変更は不可」などの希望があるかもしれません。文化庁も、著作物の利用では著作権だけでなく著作者人格権などについて確認が必要になる場合があると案内しています。[参照] 文化庁
二次創作イラストの場合は作者の許可だけで十分とは限らない
ここは特に重要です。ニコニコ静画に投稿されているイラストが作者自身の完全オリジナル作品なら、基本的にはその作者が権利関係を判断する中心になります。しかし、アニメ・漫画・ゲーム・VTuberなど既存作品のキャラクターを描いた二次創作の場合は事情が異なります。
例えば、あるゲームのキャラクターをファンが描いたイラストなら、「そのイラストを描いた人」と「原作キャラクター等の権利者」という複数の権利関係を考える必要があります。イラスト作者から「私の絵は使っていいですよ」と許可を得ただけで、原作側の利用条件まで自動的にクリアされるわけではありません。
二次創作の場合は、原作の公式サイトに二次創作・ファンコンテンツのガイドラインがないか確認しましょう。個人利用のグッズ製作を認めている作品もあれば、業者を利用したグッズ製作や特定用途に条件を設けている作品もあります。
印刷業者側の利用規約も発注前に確認する
作者から許可を得られたとしても、実際にZippoを製作する業者側の規約も確認する必要があります。オリジナルグッズ製作サービスでは、第三者の著作権・商標権・肖像権などを侵害するデータの入稿を禁止していることがあります。
そのため、発注ページに「著作権のあるキャラクターは不可」「権利者の許諾がある場合のみ可能」などの記載がないか確認します。許諾済みの場合にどのような証明が必要なのか分からなければ、画像を入稿する前に業者へ問い合わせるのが確実です。
特に既存作品のロゴやキャラクターを含む二次創作では、作者が許可していても業者側の基準によって注文を受け付けてもらえない可能性があります。
作者から返事が来ない場合は「許可された」と考えない
作者のSNSへ連絡しても返事がない場合があります。何年も前の作品なら活動を終了していたり、現在はそのアカウントを確認していなかったりすることもあります。
この場合、「返事がない=使ってもよい」という意味にはなりません。プロフィールなどに「個人利用のグッズ製作OK」と明確な利用条件が書かれていない限り、許可を得たことにはしないほうが安全です。
文化庁には、権利者や連絡先が不明で許諾を得ることが難しい場合の制度についても案内がありますが、個人的にグッズを1個作りたいという場面では、まず別のイラストを選ぶ、自分でオリジナル画像を用意するなどの方法も現実的です。[参照] 文化庁
自分で描いたイラストなら権利関係を整理しやすい
どうしてもオリジナルZippoを作りたいものの作者と連絡が取れない場合は、自分で描いたオリジナルイラストや、自分が権利を持つ写真・デザインを使用する方法があります。
また、利用条件が明確に示されている素材を、その条件の範囲内で利用する方法もあります。ただし、「無料素材」だから無条件でグッズ化できるとは限りません。商用利用、加工、グッズ製作、クレジット表記などについて素材ごとのライセンスを確認する必要があります。
「ネットに公開されている=自由素材」ではありません。画像を入手できることと、その画像を別の物へ複製・加工できる権利があることは別問題として考えましょう。
まとめ:ニコニコ静画の作者プロフィールから連絡先を探し、用途を具体的に伝えよう
ニコニコ静画のイラストを使ってオリジナルZippoを製作したい場合は、まず作品ページから投稿者のプロフィールを確認し、作者が案内しているX、pixiv、個人サイト、問い合わせ先などを探す方法が現実的です。
連絡するときは「どの作品を使うのか」「自分用に1個だけ作るのか」「販売・配布しないのか」「印刷業者へ画像データを渡すこと」「トリミングなどの加工をするか」を具体的に伝え、許可の範囲が分かる形で確認しておくと安心です。
また、その画像がアニメやゲームなどの二次創作なら、イラスト作者の許可だけでなく原作側のガイドラインも確認する必要があります。さらに、実際に製作するZippo印刷業者の入稿規約も確認しましょう。
作者へ敬意を払って事前に確認することは、トラブルを避けるだけでなく、作品を大切に利用することにもつながります。返事がない場合に自己判断で進めるのではなく、許可が確認できる作品や自作イラストへ変更することも含めて検討するのが安全です。

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