Microsoftアカウントへログインしようとした際に、「異常なアクティビティが検出された」「資格情報が危険にさらされている可能性がある」といった警告が表示され、本人確認を求められることがあります。特に困るのが、確認コードの送信先として昔使っていた電話番号が表示され、現在はその番号を利用できないケースです。
さらにMicrosoftアカウントの回復フォームへ情報を入力しても、「アカウントの所有権を検証するには不十分」と判断されることがあります。ただし、この時点ですぐにアカウントを諦める必要があるとは限りません。Microsoft公式の案内では、サインインできない状況に応じて複数の確認・回復手段が用意されています。
この記事では、古い電話番号に確認コードが送られてしまう場合や、アカウント回復フォームで本人確認に失敗した場合に、どのような順番で対処すればよいのかをMicrosoft公式情報をもとに整理します。
まず確認したい「異常なアクティビティ」が表示される理由
Microsoftはアカウントを不正アクセスから保護するため、普段と異なるサインインを検出すると追加の本人確認を求めることがあります。たとえば、新しい端末や普段と異なる場所からのサインインなどがきっかけになる場合があります。
この場合、登録済みのメールアドレスや電話番号などへセキュリティコードを送り、本人であることを確認する仕組みが利用されます。つまり、警告が表示されたからといって必ずしも第三者にアカウントを乗っ取られたと確定したわけではありません。
Microsoftによる異常なサインインの仕組みについては、[参照] Microsoft公式「What happens if there’s an unusual sign-in to your account」でも確認できます。
古い電話番号しか表示されない場合は、まずサインインヘルパーを試す
確認コードの送信先が昔の電話番号になっており、その番号をすでに解約・変更している場合は、コードを受け取ることができません。このような場合にMicrosoftが案内している手段の一つが「Microsoft アカウント サインイン ヘルパー」です。
サインインヘルパーでは、サインインしようとしているメールアドレスまたは電話番号を入力すると、入力内容やアカウントの状態に応じて問題を確認し、次に行うべき手順が案内されます。
[参照] Microsoft公式「Microsoft アカウント サインイン ヘルパー」
たとえば「パスワード自体は覚えているものの、昔登録した電話番号にしか確認コードを送れない」という場合でも、単純にパスワードを何度も入力するのではなく、サインインヘルパーから状況に合った回復方法を確認するのがよいでしょう。
アカウントが「ロック」されている場合は別の電話番号を使える可能性がある
ここで重要なのが、表示されている画面が単なる本人確認なのか、それともMicrosoftアカウント自体のロック解除画面なのかという違いです。画面によって利用できる手段が異なります。
Microsoft公式の「Microsoft account has been locked」では、アカウントのロック解除のためにSMSのセキュリティコードを要求されるケースについて、コードを受け取る電話番号は、そのMicrosoftアカウントに登録済みの番号である必要はないと案内されています。SMSを受信できる電話番号であれば利用できるケースがあり、友人や同僚などの電話番号を使用できる場合もあります。
そのため、ロック解除画面で電話番号を新たに入力できる状態なら、「登録していた古い番号が使えないから解除不可能」と決めつけず、現在利用できるSMS受信用の番号を入力できないか確認してください。
[参照] Microsoft公式「Microsoft account has been locked」
ただし、すべての本人確認画面で別の電話番号を利用できるわけではありません。既存のセキュリティ情報への確認コード送信を要求されているケースと、アカウントのロック解除のため電話番号を入力するケースは区別する必要があります。画面に表示される案内に従って判断してください。
登録済みの電話番号を使えない場合のアカウント回復フォーム
既存の確認方法を利用できない場合には、Microsoftアカウントの回復フォームが利用できるケースがあります。これは、アカウントについて本人しか知らないと考えられる情報を入力し、所有者であることを確認するための仕組みです。
回復フォームでは、単に氏名などの基本的な個人情報だけで判断されるわけではありません。Microsoft公式では、フォームへ回答する前に、過去に使用したパスワードなどアカウントに関する情報をできる限り集めることを案内しています。
また、可能であれば以前そのMicrosoftアカウントへのサインインに使用していた端末を利用し、自宅や職場など普段その端末を使用していた場所から回復フォームを送信することが推奨されています。
たとえば、以前から自宅のWindowsパソコンでMicrosoftアカウントを使用していたのであれば、普段使用していないスマートフォンや別の場所から手続きをするより、そのパソコンと普段の利用環境から回復を試すことを検討します。
[参照] Microsoft公式「Help with the Microsoft account recovery form」
「アカウントの所有権を検証するには不十分」と判定された場合
回復フォームを送信しても、入力した情報だけでは所有者であることを確認できないと判断される場合があります。この場合は、むやみに推測した情報を入力するより、過去の情報を可能な範囲で確認してから再度手続きを行うことが重要です。
特に確認しておきたいのは、ブラウザや端末に保存されている過去のパスワードなどです。Microsoft公式の回復フォームの案内でも、フォームを入力する前にブラウザ等に保存されているパスワードを確認する方法が紹介されています。
以前使っていたPCやスマートフォンが残っている場合は、その端末のブラウザやパスワード管理機能に当時の情報が残っていないか確認する価値があります。普段利用していた端末・場所から手続きを行うこともあわせて検討してください。
なお、Microsoftのサポート担当者が本人確認を飛ばしてアカウントを開けてくれるわけではありません。Microsoftは、アカウントとその内容を保護するため、通常のサポート担当者がパスワードリセットリンクを任意に送ったり、アカウント情報へアクセスして変更したりすることはできないと明記しています。
2段階認証を有効にしていた場合は特に注意
アカウント回復で特に注意が必要なのが2段階認証を設定していたケースです。Microsoft公式では、2段階認証を有効にしていて、登録している代替の確認方法のいずれにもアクセスできない場合、回復フォームによる通常の方法ではサポートできない旨が案内されています。
そのため、「古い電話番号は使えないが、別の確認用メールアドレス、認証手段、回復コードなどが残っていないか」を確認することが重要です。利用可能な別の確認方法が表示される場合は、そちらを優先します。
事前にMicrosoftアカウントの回復コードを作成して保管していた場合は、そのコードを利用できる可能性もあります。Microsoft公式では、サインイン時に別の確認方法を選び、回復コードを使用する手順が案内されています。
[参照] Microsoft公式「How to get a Microsoft account recovery code」
セキュリティ情報を新しい電話番号へ変更した場合は30日待つケースもある
古い電話番号などのセキュリティ情報をすべて削除して、新しい電話番号やメールアドレスへ置き換える手続きを行った場合、すぐに新しい情報が全面的に有効になるとは限りません。
Microsoftでは、すべてのセキュリティ情報が削除され新しい情報へ置き換えられた場合、変更が有効になるまで30日間の待機期間が設けられることがあると案内しています。この期間は、第三者がアカウントを乗っ取ってセキュリティ情報を変更することへの対策です。
「セキュリティ情報の変更がまだ保留中です」「このサイトに今すぐアクセスできません」などのメッセージが表示されている場合は、この待機期間に該当していないか確認してください。Microsoftによれば、この30日間のプロセスは原則として早めることができません。
[参照] Microsoft公式「セキュリティ情報の変更はまだ保留中ですとは何を意味しますか?」
それでもログインできない場合のMicrosoftへの問い合わせ方法
どの手順を利用すればよいかわからない場合は、まずMicrosoftのサインインヘルパーを利用し、それでも解決できなければMicrosoftサポートの案内を確認します。
Microsoftのサポートページでは、問題の内容を入力して「Get Help」に進み、必要に応じて適切なサポート方法へ案内される仕組みが用意されています。
[参照] Microsoft公式「Contact Microsoft customer support」
ただし、問い合わせればサポート担当者が本人確認を代行してアカウントを強制的に解除してくれる、という仕組みではありません。Microsoftはセキュリティ上の理由から、通常のサポート担当者にはパスワードリセットリンクを任意に送信したり、アカウント情報へアクセスして変更したりする権限がないと説明しています。
そのため問い合わせは、「本人なので解除してください」と依頼する目的よりも、現在表示されている画面・エラーの状況で利用可能な正式な回復経路を確認する目的で利用するとよいでしょう。
アカウントを取り戻せたら最初に行いたいこと
無事にサインインできた場合は、同じ問題を繰り返さないよう、Microsoftアカウントのセキュリティ情報を確認しておきましょう。特に、すでに利用していない電話番号だけに本人確認を依存した状態は避けることが大切です。
現在利用できる電話番号やメールアドレスなど、Microsoftが提供するセキュリティ設定を確認し、古い連絡先が残っていないか定期的にチェックします。また、身に覚えのないサインインが疑われる場合は「最近のアクティビティ」も確認します。
最近のアクティビティでは、サインインに使われた端末やIPアドレスなどの情報を確認でき、異常なアクティビティについて自分の操作かどうかをMicrosoftへ知らせる機能も用意されています。
まとめ:古い電話番号で認証できなくても状況別に回復方法を確認する
Microsoftアカウントで「異常なアクティビティ」などの警告が表示され、登録していた古い電話番号を利用できない場合でも、状況によっては別の回復手段があります。
まずはMicrosoftアカウント サインイン ヘルパーで現在の問題を確認します。アカウントのロック解除として電話番号の入力を求められているケースでは、登録済みではないSMS受信用電話番号を使用できる場合もあります。一方、既存のセキュリティ情報による本人確認が必要な場合は、アカウント回復フォームなど別の手順が必要になります。
回復フォームで所有権を十分に確認できないと判定された場合は、以前利用していた端末や普段の利用場所から手続きを行い、過去のパスワードなど本人しか把握していない情報をできるだけ確認したうえで再度手続きを検討します。
ただし、2段階認証を有効にしていて利用可能な確認手段をすべて失っている場合など、回復が非常に難しいケースもあります。また、通常のサポート担当者がセキュリティ確認を迂回してアカウントを解除することはできません。画面に表示される内容を確認しながら、サインインヘルパー、回復フォーム、利用可能な別の確認方法、Microsoftサポートという順に正式な手段を確認することが重要です。


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