Adobe Illustratorで四角形やパスの角を丸くしたいのに、アンカーポイント付近に表示されるはずの小さな丸い「コーナーウィジェット」が出てこないことがあります。
この場合、Illustratorの不具合とは限りません。特に多い原因は、「コーナーウィジェットを表示」がオフになっている、ダイレクト選択ツールを使っていない、角として認識できるアンカーポイントを選択していないといった設定・操作上の問題です。
コーナーウィジェットは、単にオブジェクトを選択するだけでは表示されないケースもあります。ここでは、Illustratorでコーナーウィジェットが表示されないときに確認したいポイントと、ウィジェットを使わず角丸にする方法まで順番に解説します。
- まず「表示」→「コーナーウィジェットを表示」を確認する
- 黒い選択ツールではなく「ダイレクト選択ツール」を使う
- アンカーポイントそのものを選択すると表示されやすい
- 長方形ならライブシェイプのコーナーウィジェットを使える
- 「バウンディングボックス」が非表示になっていないかも確認する
- 角ではないアンカーポイントにはコーナーウィジェットが出ないことがある
- 環境設定の「角度上限」によって隠れていることもある
- コーナーウィジェットをドラッグして角丸にする方法
- ウィジェットが出なくても数値指定で角丸にできる
- 通常のパスなら「効果」の角丸を利用する方法もある
- 急に表示されなくなった場合は設定とIllustratorの状態を切り分ける
- コーナーウィジェットが出ないときのチェックリスト
- まとめ:まず「コーナーウィジェットを表示」とダイレクト選択ツールを確認する
まず「表示」→「コーナーウィジェットを表示」を確認する
最初に確認したいのが、Illustratorのコーナーウィジェット自体が非表示になっていないかです。メニューバーから「表示」→「コーナーウィジェットを表示」を選択します。
Adobeの公式解説でも、コーナーウィジェットが表示されない場合は「表示」→「コーナーウィジェットを表示」を確認するよう案内されています。反対にメニューに「コーナーウィジェットを隠す」と表示されている場合は、すでに表示機能がオンになっています。[参照] Adobe公式ブログ「コーナーウィジェットが表示されない場合」
例えば、以前は表示されていたのに突然消えた場合、作業中にショートカットやメニュー操作で非表示へ切り替わった可能性があります。まずここを確認するだけで解決するケースがあります。
黒い選択ツールではなく「ダイレクト選択ツール」を使う
次に重要なのが使用しているツールです。Illustratorには、黒い矢印の「選択ツール」と白い矢印の「ダイレクト選択ツール」があります。
通常のパスのコーナーを編集したい場合は、白い矢印のダイレクト選択ツールを使用します。ショートカットはAです。角丸にしたいアンカーポイント、またはパスをダイレクト選択ツールで選択すると、対象となる角の近くに小さな丸いウィジェットが表示されます。
Adobeの公式資料でも、ライブコーナーはダイレクト選択ツールでコーナーポイントを選択し、表示されたコーナーウィジェットをドラッグして編集する仕組みとして説明されています。[参照] Adobe Illustrator公式「ライブシェイプを作成および変更する方法」
アンカーポイントそのものを選択すると表示されやすい
「コーナーウィジェットを表示」がオンでも、目的の角が選択されていなければウィジェットが見えないことがあります。ダイレクト選択ツールで、丸くしたい角のアンカーポイントをクリックしてみます。
例えば四角形の左上だけを丸くしたい場合は、白い矢印で左上のアンカーポイントだけをクリックします。対象となる点が選択状態になり、その付近に小さな丸いコーナーウィジェットが現れたら、内側へドラッグすることで角丸にできます。
四隅をまとめて丸くしたい場合は、複数のコーナーポイントを選択してからウィジェットを動かします。Shiftキーを使って複数選択したり、ダイレクト選択ツールで対象範囲を囲んだりする方法があります。
長方形ならライブシェイプのコーナーウィジェットを使える
長方形ツールで作成した図形は「ライブシェイプ」として扱われ、四隅にコーナー調整用のウィジェットが表示されます。Adobe公式でも、ライブシェイプのコーナーウィジェットをドラッグして角丸半径を変更できると説明されています。[参照] Adobe「Change corner radius of live shapes」
例えば長方形を描いた直後なら、四隅の内側に小さな丸が表示されます。その丸を中央方向へドラッグすると、4つの角をまとめて丸くできます。
一つの角だけ変えたい場合は、ダイレクト選択ツールで対象のアンカーポイントだけを選択してから操作します。単純な角丸長方形を作るだけなら、非常に効率のよい方法です。
「バウンディングボックス」が非表示になっていないかも確認する
ライブシェイプの画面上コントロールが見えない場合は、「表示」メニューから「バウンディングボックスを表示」も確認します。Adobeの現行ヘルプでも、ライブシェイプの画面上ウィジェットを扱う際にバウンディングボックス表示を有効にする手順が案内されています。[参照] Adobe Illustrator公式ヘルプ
ただし、一般的なパスのライブコーナーとライブシェイプの画面上コントロールは完全に同じ仕組みではありません。そのため「バウンディングボックスを表示したのに直らない」という場合は、ダイレクト選択ツールと「コーナーウィジェットを表示」の設定も合わせて確認します。
表示関係の設定を複数変更していると原因が分かりにくくなるため、「コーナーウィジェット」「ダイレクト選択ツール」「対象アンカー」の3点から確認すると効率的です。
角ではないアンカーポイントにはコーナーウィジェットが出ないことがある
すべてのアンカーポイントにコーナーウィジェットが表示されるわけではありません。Illustratorが「角」として扱える形状である必要があります。
例えば、すでに滑らかな曲線になっているスムーズポイントや、ハンドルによって連続した曲線を形成している部分では、四角形の角と同じようなライブコーナー編集ができない場合があります。
またAdobeの資料では、コーナーに関連付けられたアンカーポイントを編集し、元の角の性質が失われた場合には、そのコーナーのウィジェットが表示されなくなる場合があると説明されています。そのため、同じパスでも一部の角だけ丸いウィジェットが出ないということがあります。
環境設定の「角度上限」によって隠れていることもある
少し分かりにくい原因として、コーナーウィジェットを表示する角度の上限設定があります。Illustratorには、一定以上の角度になったコーナーではウィジェットを表示しないようにする設定があります。
AdobeのIllustratorリファレンスでは、環境設定の「選択範囲・アンカー表示」にある「次の角度より大きいときにコーナーウィジェットを隠す」によって表示対象を調整できると説明されています。[参照] Adobe Illustratorリファレンス「ライブコーナーウィジェットの環境設定」
通常の90度の長方形であれば問題になりにくい設定ですが、ペンツールで作った浅い角度のパスなどで「特定の角だけウィジェットが出ない」という場合には確認する価値があります。
コーナーウィジェットをドラッグして角丸にする方法
ウィジェットが表示されたら、丸いマークを図形の内側へドラッグします。ドラッグするほど角丸の半径が大きくなります。
Adobe公式では、コーナーウィジェットをドラッグすることで角丸半径を変更できるほか、Altキー(Windows)またはOptionキー(macOS)を押しながらクリックすることで「角丸」「内側の角丸」「面取り」といったコーナースタイルを切り替えられると説明されています。[参照] Adobe Illustrator「ライブシェイプ」
正確に10pxなどの数値で指定したい場合は、ウィジェットを目分量でドラッグするだけでなく、変形パネルやプロパティパネルなどからコーナー半径を数値入力する方法が適しています。
ウィジェットが出なくても数値指定で角丸にできる
どうしても画面上にコーナーウィジェットが表示されない場合でも、角丸にする方法はあります。長方形などのライブシェイプなら「ウィンドウ」→「変形」を開き、コーナー半径を数値で入力できます。
Adobe公式でも、ライブシェイプのコーナーはコントロールパネル、プロパティパネル、変形パネルから編集できると案内されています。[参照] Adobe Illustrator公式ヘルプ
例えば四隅を10pxにしたい場合は、コーナー半径へ10 pxと入力します。印刷物やUIデザインなど、数値を揃えたい制作ではドラッグよりも数値指定のほうが確実です。
通常のパスなら「効果」の角丸を利用する方法もある
ライブコーナーを直接編集する方法とは別に、Illustratorでは効果として角を丸める方法もあります。直接パスを変形したくない場合や、後から数値を変更したい場合には便利です。
効果として適用する方法では、元のパス形状を保持しながら見た目だけを丸くできるため、非破壊編集として使えます。一方、ライブコーナーとは編集方法や内部状態が異なるため、「角を丸める」という目的に応じて使い分けます。
最終的にパスそのものへ変換する必要がある場合は、仕上げ段階でアピアランスを分割するなどの処理を検討します。元データを残したい場合は、変換前に複製を保存しておくと安全です。
急に表示されなくなった場合は設定とIllustratorの状態を切り分ける
昨日までコーナーウィジェットが使えていたのに急に消えた場合は、まずIllustratorの再インストールまで行う必要はありません。多くの場合は表示設定や選択方法の確認から始められます。
確認する順番としては、「表示→コーナーウィジェットを表示」→ダイレクト選択ツールに変更→コーナーのアンカーポイントを選択→バウンディングボックス表示を確認という流れが分かりやすいです。
それでも新しく作った単純な長方形ですらウィジェットが表示されない場合は、Illustratorを再起動して新規ドキュメントで試します。新規ファイルでは正常なら特定ドキュメントやオブジェクトの状態、新規ファイルでも異常ならアプリ設定側に原因がある可能性を切り分けられます。
コーナーウィジェットが出ないときのチェックリスト
Illustratorで角丸にできない場合は、次の順番で確認すると原因を見つけやすくなります。
- 「表示」→「コーナーウィジェットを表示」を選択する
- 白い矢印の「ダイレクト選択ツール(A)」を使う
- 丸くしたいコーナーのアンカーポイントを選択する
- 「表示」→「バウンディングボックスを表示」も確認する
- 対象が角として認識できるパスか確認する
- 環境設定のコーナーウィジェットの角度条件を確認する
- 新しい長方形を作成して同じ現象が出るか確認する
- 必要なら変形・プロパティパネルから角丸半径を数値入力する
- Illustratorを再起動して新規ドキュメントでも確認する
特に1~3までで解決するケースが多いため、いきなり環境設定の初期化や再インストールをする必要はありません。
まとめ:まず「コーナーウィジェットを表示」とダイレクト選択ツールを確認する
Illustratorで角を丸くしたいのにコーナーウィジェットが表示されない場合、最初に「表示」→「コーナーウィジェットを表示」が有効になっているか確認します。
次に、黒い選択ツールではなく白い「ダイレクト選択ツール」を選び、丸くしたいコーナーのアンカーポイントを直接選択します。この2つはAdobe公式でも案内されている基本的な確認ポイントです。
それでも表示されなければ、バウンディングボックス、対象パスが本当にコーナーポイントになっているか、環境設定の角度上限などを確認します。長方形などのライブシェイプであれば、変形パネルやプロパティパネルからコーナー半径を直接入力することもできます。
そのため、コーナーウィジェットが出ないからといってIllustratorそのものが壊れたと判断する必要はありません。まず表示設定と選択方法を確認し、単純な長方形でも再現するかを試すことで、多くのケースは原因を切り分けられます。


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