Windows 11をクリーンインストールした後のIntel Optaneメモリ設定|RSTドライバーだけで有効になるのかを解説

Windows系

Intel Optaneメモリを搭載したパソコンへWindows 11をクリーンインストールするとき、「Intel RSTドライバーを読み込んでWindowsを入れればOptaneも自動的に有効になるのか」「インストール後にIntel Optaneメモリーおよびストレージ管理で有効化する必要があるのか」は混同しやすいポイントです。

結論から整理すると、Intel RSTドライバーをインストールすることと、Intel Optaneメモリによるシステムアクセラレーションを有効化することは別の処理です。RSTドライバーが入っているだけでは、新たにOptaneメモリと対象ドライブを組み合わせてアクセラレーションを有効化したことにはなりません。

ただし、クリーンインストール前のOptane構成が残っているのか、事前に無効化したのか、MシリーズなのかH10/H20のような製品なのか、メーカー独自のBIOS・RST構成があるのかによって手順は変わります。そのため、単純に「必ずアプリで有効化」とだけ覚えるのではなく、RSTドライバーとOptane構成の役割を分けて理解することが重要です。

RSTドライバーの導入とOptaneの有効化は別

Intel Rapid Storage Technology(Intel RST)は、対応するストレージコントローラー、RAID、Intel OptaneメモリなどをWindowsから扱うためのドライバーおよび管理技術です。

Windows 11のセットアップ画面でSSDやHDDが表示されず、いわゆるF6ドライバーとしてRSTドライバーを読み込むことがあります。この操作は、Windowsセットアップにストレージを認識させたり、RST/VMD環境で正しく起動できるようにしたりするためのものです。

しかし、RSTドライバーを読み込んだだけで、空のOptaneメモリとHDD・SSDが自動的にペアリングされ、アクセラレーションが開始されるわけではありません。新規または解除済みの構成では、その後に対応する管理機能からOptaneを有効化する工程が必要になります。

[参照] Intel「Intel Optane Memory and Storage Management Applicationのインストール方法」

「Intel Optane メモリーおよびストレージ管理」は何をするアプリなのか

「Intel Optane Memory and Storage Management」は、Intel RSTが管理するRAIDやIntel Optaneメモリ構成を操作するための管理アプリです。Intel公式も、Optaneメモリの構成を管理する用途のアプリとして説明しています。

Optaneメモリによるアクセラレーションでは、Optaneモジュールと高速化対象のHDDやSSDを組み合わせ、一つのアクセラレーション構成として扱います。この「どのドライブをOptaneで高速化するか」という構成を作ることが、有効化に当たります。

したがって、クリーンインストール前にOptaneを正しく解除し、新しいWindows環境で再び使い始める場合には、対応した環境でOptaneの有効化を行うのが基本的な流れです。

[参照] Intel「Intel Optane Memory and Storage Management Applicationとは」

クリーンインストール前にはOptaneを無効化しておくのが基本

Intelは、大きなOS変更やBIOS更新を行う前にIntel Optaneメモリのアクセラレーションを無効化し、作業後に再び有効化することを案内しています。Windowsのクリーンインストールを行う場合も、可能であれば事前にOptaneを解除しておくのが安全です。

Optaneが有効な状態では、Optaneモジュールと高速化対象ドライブがペアになって動作しています。単純にキャッシュ用の独立したSSDが追加されているだけ、と考えるとトラブルにつながります。

その状態のままOSを消したりパーティションを変更したりすると、Optane側に以前の構成情報が残り、新しいWindowsから正常に認識できなくなることがあります。

[参照] Intel「OS・BIOS更新前にOptaneメモリを無効化すべきか」

推奨されるクリーンインストールの流れ

一般的なIntel Optane Memory Mシリーズなどで、Windowsをクリーンインストールして再びOptaneを使う場合は、概念的には次のような順番になります。ただしメーカー製PCでは独自手順が指定されていることがあるため、機種別マニュアルを優先してください。

  1. 重要なデータをバックアップする
  2. 現在Optaneが有効なら、Windows上の管理アプリまたは対応するBIOS機能からアクセラレーションを無効化する
  3. 再起動し、Optaneと対象ドライブのペアリングが解除されたことを確認する
  4. BIOSのRST・VMDなど必要な設定を確認する
  5. Windows 11をクリーンインストールする
  6. 必要であればWindowsセットアップ中にメーカー指定のRST/VMDドライバーを読み込む
  7. Windows起動後に適切なIntel RSTドライバーを導入する
  8. Intel Optane Memory and Storage Managementなど対応する管理方法でOptaneを有効化する
  9. 再起動後にOptaneアクセラレーションが有効になっていることを確認する

この流れで見ると、Windowsインストール時のRSTドライバー読み込みは「Windowsからストレージを扱えるようにする段階」、Optaneの有効化は「対象ドライブとOptaneを組み合わせる段階」と理解できます。

インストール後に必ず「有効化」を押すとは限らないケースもある

ここは少し注意が必要です。すでにOptane構成が有効な状態で、その構成情報を保持したままOSだけを扱った場合など、システム側で既存のOptaneボリュームが認識される可能性があります。この場合、新規にペアリングするのとは状況が異なります。

そのため、「Windowsを入れ直したら必ず管理アプリでEnableを押す」という操作だけを絶対的なルールにするのは適切ではありません。まず現在のOptane構成が有効なのか、無効なのかを確認することが先です。

ただし、IntelはOptaneを有効にしたままOSを再インストールすると正常に認識されなくなることがあると案内しています。安全性を優先するなら、事前に無効化してからクリーンインストールし、終了後に改めて有効化するほうが分かりやすい運用です。

[参照] Intel「Optaneを無効化せずOSを再インストールした場合」

Optaneが本当に有効か確認する方法

Windows 11のインストールが終わったら、RSTドライバーが入ったことだけで判断せず、実際にOptaneによるアクセラレーションが有効か確認します。

Intel公式では、「Intel Optane Memory and Storage Management」アプリの管理画面から状態を確認する方法のほか、デバイスマネージャーからOptaneボリュームを確認する方法を案内しています。

正常にアクセラレーションされている環境では、Optaneメモリと対象ストレージがIntel RST管理下のボリュームとして認識されます。逆にOptaneモジュールが単独のストレージとして見えているだけなら、アクセラレーションが有効とは限りません。

[参照] Intel「Intel Optane Memory Accelerationが有効か確認する方法」

「Optaneがデバイスマネージャーにある=高速化中」とは限らない

Optaneメモリを搭載していることと、Optaneアクセラレーションが現在機能していることも別です。物理的なOptaneモジュールが認識されていても、対象ドライブとのペアリングが解除されていれば高速化には使われていません。

たとえばWindows再インストール後にOptaneモジュールが一つのNVMeストレージとして見えたとしても、それだけを理由に「Optaneが有効になった」と判断することはできません。

逆に有効化されたOptane構成では、モジュールが通常の独立ドライブとは違う見え方になる場合があります。このため確認には管理アプリやIntel RSTの状態表示を使うのが確実です。

Optaneを無効化せずにWindowsを消してしまった場合

すでにクリーンインストールを実行してしまい、その前にOptaneを無効化していなかった場合は、むやみに再有効化を繰り返さないほうが安全です。

Intelによると、Optaneメモリを無効化せずにOSを再インストールすると、モジュールが正常にペアリングされなかったり、複数のボリュームやパーティションが見える状態になったりする可能性があります。

このような場合、以前のOptane構成を解除・初期化してから再びアクセラレーションを有効化する必要が生じることがあります。ただし、ディスクの初期化やdiskpart cleanなどは対象を誤るとデータを失うため、安易に実行してはいけません。

メーカー製PCでは独自のリカバリー方法やBIOS設定が用意されていることもあるため、機種のサポート情報を先に確認するのが安全です。

Optaneモジュールにデータが残っていると有効化できないことがある

再設定時に「選択したディスクにデータが存在するため操作できない」といったエラーが表示されることがあります。これは以前のパーティション情報やOptane構成情報がモジュールに残っているケースで発生します。

Intelは、この状態ではOptaneモジュール上にユーザーデータだけでなくGPTパーティション情報も残っていてはいけない場合があると案内しています。

[参照] Intel「データが残っていてOptane Memoryを有効化できない場合」

ただし、この対処ではディスク内容を消去する操作が含まれるため、対象ディスク番号を完全に確認し、必要なデータをバックアップしたうえで行う必要があります。不明な場合はPCメーカーのサポートへ確認したほうが安全です。

BIOS側のRST・VMD設定も重要

Windows側へドライバーと管理アプリを入れるだけではなく、BIOS・UEFI側もOptane/RSTを利用できる構成になっている必要があります。

比較的新しいIntelプラットフォームでは、Intel VMD(Volume Management Device)を介してRSTがストレージを管理する構成があります。Intelによると、RST 18.0以降では第11世代以降の対応プラットフォームでVMDを利用したRAIDやOptane構成がサポートされています。

[参照] Intel「VMD対応環境でRST・Optaneを構成する方法」

BIOSをAHCIへ変更したり、RST/VMDを不用意に無効化したりすると、すでに構成されているWindowsが起動しなくなることがあります。特にメーカー製PCでは、BIOS設定を自己判断で変更する前にメーカーのクリーンインストール手順を確認してください。

WindowsセットアップでRSTドライバーを読み込む理由

Windows 11のインストール画面で内蔵SSDが見えず、「ドライバーの読み込み」からRST/VMDドライバーを指定することがあります。

これは、Intel VMDなどの背後にあるストレージをWindowsセットアップ環境から認識するためです。そのため、この時点でのドライバー読み込みを「Optaneを有効化する操作」と考えないことが重要です。

具体的には、インストール画面でSSDが認識されるようになり、そのSSDへWindowsを導入できたとしても、その事実だけではOptaneアクセラレーションが構成されたことにはなりません。

メーカー製PCではIntel汎用ドライバーよりメーカー配布版を優先

Intel自身も、エンドユーザーには可能な限りPCメーカーやシステムメーカーが提供するドライバーを利用することを推奨しています。メーカーによってRST・VMD・BIOS・Optane構成がカスタマイズされている場合があるためです。

たとえばDell、HP、Lenovo、NEC、富士通などのメーカー製PCなら、同じIntelチップセットを搭載していても推奨されるRSTドライバーやクリーンインストール手順が異なる可能性があります。

そのため「最新だから」という理由だけでIntel汎用RSTドライバーへ置き換えるより、まずPCの正確な型番を確認し、そのメーカーがWindows 11向けに公開しているストレージドライバーを確認するほうが安全です。

[参照] Intel「Intel Rapid Storage Technology Driver Installation Software」

Optane MシリーズとH10・H20では扱いが異なる

「Optaneメモリ」と呼ばれる製品にも種類があります。単独のOptane Memory M10などをHDD・SSDのキャッシュとして利用するMシリーズと、Intel Optane Memory H10/H20 with Solid State StorageのようにOptaneメモリとSSDを組み合わせた製品では構成が異なります。

IntelはHシリーズについて、完成品PCの一部として提供されているため、OS再インストールやアクセラレーション解除などを行う場合はシステムメーカーへ確認することを強く推奨しています。

[参照] Intel「Intel Optane Memory Devices User Guides」

したがって、自分のPCに「Optaneが入っている」ことだけで手順を決めず、M10、H10、H20など具体的な製品名とPC型番を確認することが重要です。

Intel Optaneはすでに終了した製品である点にも注意

Intel Optane関連製品はすでに製品終了となっており、現在販売されている新しい一般向けPCで新規採用される技術ではありません。しかしIntelのサポートページには、Windows 11を含む既存環境向けのRST・Optane関連情報が現在も残されています。

そのため既存PCをWindows 11へ再セットアップして継続利用すること自体は可能なケースがありますが、将来のWindows、ドライバー、メーカーサポートまで永続的に保証されるわけではありません。

特に古いOptane搭載PCへWindows 11をクリーンインストールする場合は、CPUやチップセットがWindows 11の正式要件を満たしているか、メーカーがWindows 11用RSTドライバーを提供しているかも合わせて確認するとよいでしょう。

具体例:Optaneを解除してからWindows 11を入れ直す場合

たとえば「1TB HDD+32GB Optane Memory」という構成で、クリーンインストール前にOptaneアクセラレーションを正常に無効化したケースを考えます。

この場合、Windows 11をインストールし、必要なRST/VMDドライバーを導入しただけでは、解除したOptaneアクセラレーションを再び有効化したことにはなりません。対応する管理方法から1TB HDDを高速化対象としてOptaneを再度有効にします。

その後、管理アプリなどでOptaneが有効であり、対象ドライブをアクセラレーションしていることを確認します。この例では「RSTドライバー導入」と「Optane有効化」が明確に二つの工程に分かれています。

具体例:RSTドライバーだけ入れて終わった場合

Windows 11セットアップ時にRSTドライバーを読み込み、無事SSDまたはHDDが表示され、Windowsのインストールも完了したとします。

この状態でWindowsが正常に起動するからといって、Optaneも自動的にキャッシュとして働いているとは限りません。RSTドライバーによってストレージへアクセスできているだけというケースがあります。

「Windowsが起動する」「RSTドライバーがデバイスマネージャーに表示される」「Optaneアクセラレーションが有効」という3つは、それぞれ別の確認事項として考えると分かりやすくなります。

まとめ:RSTドライバーを入れただけではOptaneを新規有効化したことにはならない

Windows 11のクリーンインストールにおいて、Intel RSTドライバーの導入とIntel Optaneメモリの有効化は別の処理です。RSTドライバーをインストールしただけでは、解除済みのOptaneメモリが自動的に対象ドライブとペアリングされてアクセラレーションが始まるわけではありません。

クリーンインストール前にOptaneを正常に無効化したのであれば、Windows 11と必要なRSTドライバーを導入した後、対応するIntel Optane Memory and Storage Managementやメーカー指定の方法を使って再びアクセラレーションを有効化するのが基本です。

一方、既存のOptane構成が残っている場合は、新規に有効化する前に現在の状態を確認する必要があります。Optaneを有効にしたままOSを消してしまった場合には、残っている構成情報の解除や初期化が必要になることもあります。

最も安全なのは、「クリーンインストール前にOptaneを無効化する→メーカー指定のBIOS/RST構成を維持する→Windows 11と適切なRSTドライバーを導入する→Optaneを再有効化する→有効状態を確認する」という順序です。メーカー製PCやH10/H20搭載機では独自構成があるため、Intelの一般的な手順だけでなくPCメーカーの機種別手順を優先してください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました