自宅や個人のパソコンで作成した「ホームメード」のExcel資料を会社へ送った場合、それだけで直ちに問題になるとは限りません。業務上必要な表や資料を自分で作り、会社へ提出すること自体は珍しいことではありません。
ただし、「自作のExcelだから問題かどうか」ではなく、会社の情報セキュリティ規程に反していないか、ファイルに不要な個人情報・外部リンク・マクロ・隠しデータなどが含まれていないかが重要です。特に個人PCや私物のクラウドサービスを使った場合は、会社ごとのルールを確認する必要があります。
すでに送ってしまった場合も、慌てて「危険なファイルを送った」と考える必要はありません。どこで作成したのか、何が入っているのか、どの方法で会社へ送ったのかを整理すれば、問題の有無を判断しやすくなります。
- 自分で作ったExcelファイルを会社へ送ること自体は問題ではない
- 「ホームメード」の意味によって確認点が変わる
- 個人情報や会社の機密情報を入れていた場合は注意
- Excelには見えていない情報が残っている場合がある
- 送信前なら「ドキュメント検査」でチェックできる
- .xlsxなら通常はマクロは入っていない
- 関数や自作の表が入っているだけなら危険なファイルではない
- 外部リンクが残っていないかも確認したい
- 個人名などの作成者情報が見られることはある?
- すでに送ってしまった場合に確認すること
- 問題が見つかったらどうすればいい?
- 会社指定のテンプレートがある場合はそれを優先する
- 今後自宅で会社向けExcelを作るなら確認したいポイント
- まとめ:自作Excelを会社へ送っただけなら直ちに問題とは限らない
自分で作ったExcelファイルを会社へ送ること自体は問題ではない
Excelには決められたテンプレートだけを使わなければならないという一般的なルールはありません。自分で表や計算式を作成したExcelブックでも、通常の.xlsxファイルとして会社へ提出することは技術的には問題ありません。
例えば、自宅で勤務予定表、集計表、作業リストなどを自作して会社へメールで送ったとしても、その行為だけを理由にExcelファイルがおかしくなったり、Microsoft Officeのライセンス上問題になったりするわけではありません。
一方で、勤務先が「業務資料は会社支給PCだけで作成する」「個人メールから会社へファイルを送信してはいけない」と定めている場合は別です。この場合に問題になるのはExcelそのものではなく、会社の情報管理ルールです。
「ホームメード」の意味によって確認点が変わる
「ホームメードのExcel」という表現にはいくつかの意味が考えられます。単に自分で一から作ったExcel資料を指しているのであれば、通常は特別な問題はありません。
一方、「自宅の個人PCで作った」「個人用Microsoft 365で作った」「個人のメールアドレスから会社へ送った」「個人のGoogle DriveやOneDriveを経由した」という意味なら、会社のセキュリティ規程が関係します。
| 状況 | 主な確認点 |
|---|---|
| 会社PCで自分が一から作成 | 通常は大きな問題になりにくい |
| 個人PCで作成 | 会社の私物PC利用ルールを確認 |
| 個人メールから送信 | 会社のメール・情報持ち出し規程を確認 |
| 会社の機密情報を入力 | 個人端末や個人クラウドへの保存可否が重要 |
| マクロ付きファイル | セキュリティ上の確認が必要 |
したがって、「自作だったか」よりも「会社の情報をどの環境で扱ったか」が判断材料になります。
個人情報や会社の機密情報を入れていた場合は注意
個人PCで作成したExcelに、社員名簿、顧客名、住所、電話番号、売上データ、給与、社内ID、未公開の商品情報などが入っている場合は注意が必要です。
こうした情報を会社の許可なく私物端末へ保存することを禁止している企業はあります。また、個人用のOneDriveやDropboxなどへ自動同期されている場合、本人が意識していなくても会社情報が外部サービスへ保存されていることがあります。
反対に、資料の中身が公開情報だけで、会社が私物PCからの提出を認めているなら、リスクは大きく異なります。問題かどうかはファイル内容と社内規程の組み合わせで判断する必要があります。
Excelには見えていない情報が残っている場合がある
Excelファイルには、画面に表示されているセル以外の情報が含まれる場合があります。Microsoftは、Excelブックを他人と共有する前に「ドキュメント検査」を利用して隠しデータや個人情報を確認できると案内しています。[参照] Microsoft ドキュメント検査
例えば、作成者名などのドキュメントプロパティ、コメント、非表示の行・列・ワークシート、外部リンク、埋め込みオブジェクトなどが残っていることがあります。
自宅PCで作ったExcelなら、WindowsやMicrosoft 365に登録している個人名が「作成者」として保存されている場合もあります。通常はそれだけで重大な問題になるものではありませんが、会社提出用の資料では事前に確認しておくと安心です。
送信前なら「ドキュメント検査」でチェックできる
Windows版Excelでは、ファイルのコピーを作ったうえで「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「ドキュメント検査」を実行すると、隠された情報を確認できます。
Microsoftによると、Excelのドキュメント検査ではコメント、個人情報を含むドキュメントプロパティ、非表示の行・列・シートなどを検出できます。外部リンクなど、検出はできても自動削除できない項目もあります。
なお、Microsoftは削除後に復元できない情報があるため、元のファイルではなくコピーに対して検査することを推奨しています。すでに会社へ送信済みの場合は、同じ元ファイルを検査すれば、どのような情報が含まれていた可能性があるかを確認できます。
.xlsxなら通常はマクロは入っていない
ファイルの拡張子も重要です。一般的なExcelブックである「.xlsx」は、通常VBAマクロを保存できない形式です。そのため、自分で普通の表を作って.xlsxで保存しただけなら、知らないうちにVBAマクロを含むファイルになっている可能性は低いです。
一方、「.xlsm」はマクロ有効ブックです。マクロは業務を自動化する便利な機能ですが、悪意あるコードにも利用できるため、企業ではマクロ付きファイルの受信や実行を厳しく制限している場合があります。
MicrosoftもExcelにマクロのセキュリティ設定を設け、信頼できないマクロを無効化できる仕組みを提供しています。[参照] Microsoft Excelのマクロセキュリティ
関数や自作の表が入っているだけなら危険なファイルではない
SUM、IF、XLOOKUP、VLOOKUPなどの普通のExcel関数を使った資料や、セルに色を付けたり罫線を引いたりした自作ファイルだからといって、危険なファイルになるわけではありません。
例えば「売上金額×数量」の計算式を自分で作成した表や、スケジュールを色分けした一覧表は一般的なExcelファイルです。
「会社指定のひな型ではなく、自分でExcelを作ってしまった」という意味で心配している場合は、その会社に指定書式があるかどうかを確認すればよいでしょう。指定フォーマットがあるなら、内容をその形式へ移し替えるだけで済む場合もあります。
外部リンクが残っていないかも確認したい
自宅で複数のExcelファイルを使って作業した場合、セルの数式が別のファイルを参照していることがあります。これを「外部リンク」または外部参照と呼びます。
例えば自宅PCの「家計.xlsx」を参照した数式を誤って会社提出用ファイルへコピーすると、式の中に自宅PC上のファイル名やパスが残る場合があります。
そのまま会社PCで開くと「リンクを更新しますか」などの警告が表示されたり、参照先が存在しないため値を更新できなかったりします。提出資料を作る際は、必要のない外部参照がないか確認すると安全です。
個人名などの作成者情報が見られることはある?
Excelファイルには作成者などの文書プロパティが保存される場合があります。そのため、個人PCで設定しているユーザー名がファイルのプロパティに記録されている可能性があります。
Microsoftのドキュメント検査では、ユーザー名を含む「ドキュメントプロパティと個人情報」を検出・削除できると案内されています。
ただし、自分の氏名が会社へ提出する資料の作成者として記録されているだけなら、それ自体が問題になるとは限りません。個人PC特有の不要な情報を見せたくない場合に検査しておく、という位置付けで考えるとよいでしょう。
すでに送ってしまった場合に確認すること
送信済みで心配になった場合は、まず送ったExcelファイルのコピーを開き、内容と拡張子を確認します。
- 会社の機密情報や個人情報を個人PCで扱っていなかったか確認する
- ファイルが.xlsxか.xlsmか確認する
- 不要なシートや非表示シートがないか確認する
- コメントやメモに私的な内容が残っていないか確認する
- ドキュメント検査を実行する
- 不要な外部リンクがないか確認する
- 会社の情報セキュリティ規程に反していないか確認する
この確認で特に問題が見つからなければ、「自分でExcelを作った」という事実だけを理由に過度に心配する必要はありません。
問題が見つかったらどうすればいい?
例えば誤ったデータ、不要な個人情報、私的なコメントなどを送ってしまったことが分かった場合は、修正版を作成して担当者へ送り直す方法があります。
「先ほどのファイルに不要な情報が含まれていたため、こちらの修正版へ差し替えてください」と簡潔に伝えればよいでしょう。会社の機密情報を私物環境へ保存してしまったなど、社内規程に関わる可能性がある場合は、自己判断で隠そうとせず上司や情報システム担当者へ確認する方が安全です。
メールを削除すれば相手側の添付ファイルも消えるとは限らないため、すでに送信済みのファイルについて問題が判明した場合は、必要に応じて受信者へ直接差し替えを依頼します。
会社指定のテンプレートがある場合はそれを優先する
Excelの技術的な問題とは別に、企業では報告書、経費精算、勤務表などに指定テンプレートを用意している場合があります。
この場合、自作Excelの内容が正しくても「指定書式で提出してください」と言われる可能性があります。しかし、これは情報セキュリティ事故とは別の話です。
自作のExcelを送ったことに気付いた場合は、社内マニュアルや過去の提出例を確認し、指定書式があれば必要に応じて作り直せばよいでしょう。
今後自宅で会社向けExcelを作るなら確認したいポイント
在宅勤務や自宅作業でExcel資料を作成する場合は、会社が許可した端末・アカウント・保存場所を利用するのが基本です。
例えば会社支給PCと会社のMicrosoft 365アカウントが用意されているなら、個人PCや個人OneDriveではなく、指定された環境を使用します。
また送信前には「送信先」「添付ファイル」「ファイル内の機密情報」「非表示データ」「マクロの有無」を確認する習慣を付けると、誤送信や不要な情報流出を防ぎやすくなります。
まとめ:自作Excelを会社へ送っただけなら直ちに問題とは限らない
自分で作ったExcel資料を会社へ送ること自体は、一般的には問題ではありません。普通の.xlsxファイルに表や計算式を作ったというだけなら、それが危険なファイルになるわけでもありません。
重要なのは、自宅の個人PCを使用することが会社で認められているか、会社の機密情報や個人情報を私物端末・個人クラウドへ保存していないか、不要なコメント・非表示シート・外部リンク・個人情報などがファイルに残っていないかという点です。
また、.xlsmなどのマクロ付きファイルの場合は、会社のセキュリティポリシーによって扱いが異なります。指定テンプレートが存在する場合は、その書式を使用する必要があることもあります。
すでに送信済みなら、送ったファイルのコピーを開いて内容、拡張子、ドキュメント検査、外部リンクなどを確認します。問題がなければ過度に心配する必要はなく、問題が見つかった場合だけ修正版の送付や社内担当者への確認を行うという順番で対処するとよいでしょう。


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