After Effectsで動画を切り取る方法|Ctrl+Shift+Dで分割せず前後をトリミングするショートカットを解説

動画、映像

After Effectsで動画素材の不要部分を消したいとき、「Ctrl+Shift+Dでレイヤーを分割して、不要になった側を削除するしかない」と思うことがあります。しかし、After Effectsにはレイヤーの前後を現在位置で直接トリミングするショートカットが用意されています。

Windowsでは、現在の時間インジケーターより前を詰めたい場合はAlt+[、後ろを詰めたい場合はAlt+]を使います。macOSではそれぞれOption+[、Option+]です。これを使えば、Ctrl+Shift+Dで分割してから片方のレイヤーを削除する必要はありません。

After EffectsはPremiere Proのような編集専用ソフトとは考え方が少し異なり、レイヤーを重ねながら合成・アニメーション・エフェクト処理を行うことを得意としています。ただし、「不要部分は切らずに放置するのが普通」というわけではありません。この記事では、分割とトリミングの違い、実際によく使うショートカット、Premiere Proとの編集思想の違いまで整理します。

After Effectsには前後を直接切り取るショートカットがある

After Effectsでは、選択したレイヤーのインポイントまたはアウトポイントを、現在の時間インジケーターの位置まで直接トリミングできます。

操作 Windows macOS
現在位置より前をトリミング Alt+[ Option+[
現在位置より後ろをトリミング Alt+] Option+]
レイヤーを分割 Ctrl+Shift+D Command+Shift+D

Adobe公式ヘルプでも、Alt+[またはAlt+]で選択したレイヤーのインポイント・アウトポイントを現在位置へトリミングできると案内されています。

[参照] Adobe公式「After Effectsでのレイヤーの選択と配置」

動画の前部分を消すならAlt+[を使う

たとえば10秒の動画素材があり、最初の3秒が不要だとします。この場合、3秒地点へ現在の時間インジケーターを移動し、対象レイヤーを選択してAlt+[を押します。

すると、そのレイヤーの開始位置であるインポイントが3秒地点までトリミングされます。Ctrl+Shift+Dで2つのレイヤーに分割し、0~3秒側を選んでDeleteする必要はありません。

つまり「再生ヘッドより前を消したい」という操作に最も近いショートカットがAlt+[です。動画編集を始めたばかりの段階ではCtrl+Shift+Dを使いがちですが、単純な前後の不要部分削除ならトリミングのほうが操作数を減らせます。

動画の後ろ部分を消すならAlt+]を使う

反対に、動画の途中から後ろを使わない場合はAlt+]を使用します。

たとえば10秒の素材のうち0~6秒だけ必要なら、6秒地点へ現在の時間インジケーターを置き、レイヤーを選択してAlt+]を押します。これでアウトポイントが6秒地点になります。

前後を両方トリミングする場合は、開始地点でAlt+[、終了地点でAlt+]と操作します。この2つを覚えるだけでも、After Effectsで素材を整える速度はかなり上がります。

Ctrl+Shift+Dは「切り捨て」ではなく「分割」する操作

Ctrl+Shift+Dは、選択しているレイヤーを現在の時間位置で2つに分割するショートカットです。Adobe公式では「選択したレイヤーを分割」と説明されています。

この操作は、切った後の前半と後半を両方残して別々に加工したい場合に便利です。

たとえば0~5秒には通常の色、5秒以降には強いエフェクトをかけたい場合、5秒地点でCtrl+Shift+Dを押せば、前後を別レイヤーとして扱えるようになります。

一方、「5秒より前はいらない」というだけなら、分割して削除するよりAlt+[のほうが目的に合っています。

[参照] Adobe公式「After Effectsキーボードショートカット」

「[」だけと「Alt+[」は意味が違う

After Effectsでは角括弧を使ったショートカットが複数あり、混同しやすいポイントです。

ショートカット 動作
[ 選択レイヤーのインポイントを現在位置まで移動する
] 選択レイヤーのアウトポイントを現在位置まで移動する
Alt+[ インポイントを現在位置までトリミング・延長する
Alt+] アウトポイントを現在位置までトリミング・延長する

「[」だけの場合は、素材の長さを切るのではなく、レイヤー自体の位置が動きます。一方、Alt+[ではレイヤーの位置を大きく動かさず、その開始位置を現在時間へ変更します。

動画の不要部分をカットする目的なら、基本的にはAlt付きのほうを使います。

After Effectsではレイヤーの外側を切っても元動画は消えない

After Effectsのトリミングは、素材ファイルそのものを物理的に削除しているわけではありません。タイムライン上で「この範囲だけ使用する」と指定している状態です。

そのため、後からレイヤーの端を伸ばせば、元の映像を再び表示できる場合があります。この仕組みは非破壊編集の一種です。

たとえば10秒の動画を2~7秒にトリミングしても、元の10秒の動画ファイルから0~2秒や7~10秒が削除されるわけではありません。After Effects上で見えなくなっているだけです。

「切ったはずなのに素材自体は残っている」というのは正常な動作です。

After Effectsはレイヤーを上へ重ねていくソフトなのか

After Effectsでは複数のレイヤーを縦方向に重ねる使い方が非常に一般的です。テキスト、画像、動画、シェイプ、調整レイヤー、ライト、カメラなどを重ねて一つの画面を作ります。

その意味では、「どんどん上にレイヤーを載せていく」という理解はある程度正しいです。ただし、それは不要な映像部分を切らずに放置するという意味ではありません。

たとえば背景動画の上に人物素材、その上にテキスト、その上に光のエフェクトを配置するといった形で、役割ごとにレイヤーを重ねます。それぞれ必要な時間範囲に合わせてインポイント・アウトポイントをトリミングするのが一般的です。

After EffectsとPremiere Proでは編集の考え方が違う

After Effectsで動画を編集していると、Premiere Proなどの編集ソフトと比べて「カット編集がやりにくい」と感じることがあります。これは操作を知らないだけではなく、そもそものソフトの得意分野が異なるためです。

用途 After Effects Premiere Pro
大量のカット編集 やや不向き 得意
長尺動画の編集 やや不向き 得意
モーショングラフィックス 非常に得意 基本的なものに対応
映像合成 非常に得意 簡易的な処理が中心
細かなアニメーション 非常に得意 AEほど細かくない
多数のクリップをつなぐ 操作しにくい 非常に得意

After Effectsは「一本の長い動画を大量に切って並べる」ことより、あるカットやシーンに対して複数レイヤーを重ね、細かな演出を作る用途に向いています。

YouTubeなどの通常編集を全部AEでする必要はない

たとえば30分の撮影素材から不要部分を大量にカットし、10分のYouTube動画へまとめる作業であれば、Premiere Proのほうが効率的な場合があります。

Premiere Proでカット、音声、BGM、基本テロップまで編集し、アニメーションが必要な場面だけAfter Effectsで加工するという使い分けは一般的です。

一方、10秒程度の広告アニメーション、タイトル演出、ロゴアニメーション、VFX、モーショングラフィックスなどはAfter Effectsだけで制作することも珍しくありません。

そのため「After Effectsなのにカット編集がPremiereほど快適ではない」と感じても、それはソフトの設計目的の違いによる部分があります。

Alt+[とAlt+]を使うとレイヤー数を増やさずに済む

Ctrl+Shift+Dを多用すると、切るたびにレイヤー数が増えていきます。たとえば1本の動画を10回分割すれば、多数のレイヤーが作られます。

その後に不要部分をDeleteしていけば整理できますが、単純に前後を短くしたいだけならAlt+[とAlt+]を使ったほうがタイムラインをすっきり保てます。

たとえば1つの素材を2秒から8秒だけ使用したいなら、2秒地点でAlt+[、8秒地点でAlt+]とすれば、タイムライン上では1レイヤーのままです。

これはAfter Effectsで作業するうえで覚えておくと便利な基本操作です。

分割したほうがよい場面もある

Alt+[やAlt+]だけですべて済ませる必要はありません。分割には分割のメリットがあります。

たとえば映像の前半だけを白黒にし、後半だけカラーにしたい場合はCtrl+Shift+Dで分割すると、それぞれへ異なるエフェクトを簡単に設定できます。

また、一部分だけ速度変更したい、特定区間だけ位置や透明度を別管理したい、同じ素材から複数の断片を作りたい場合などにも分割が便利です。

つまり、不要部分を捨てるならトリミング、前後を別々に使うなら分割と覚えておくと判断しやすくなります。

レイヤーを大量に重ねても問題ないが整理は必要

After Effectsではレイヤー数が増えること自体は珍しくありません。複雑なモーショングラフィックスでは数十~数百レイヤーになることもあります。

ただし、不要なレイヤーまで放置して増やし続けることが推奨されているわけではありません。レイヤー名を付ける、ラベルを使う、プリコンポーズする、不要レイヤーを削除するなどして整理します。

特に複数のカットや演出を一つのコンポジションへ詰め込みすぎると管理しにくくなるため、シーン単位でプリコンポーズするなどの方法が使われます。

前後をトリミングするときの実践的な操作例

たとえば20秒の動画素材から5秒~12秒だけを使いたいとします。

手順1:動画レイヤーを選択します。

手順2:現在の時間インジケーターを5秒へ移動します。

手順3:WindowsならAlt+[、MacならOption+[を押します。

手順4:現在の時間インジケーターを12秒へ移動します。

手順5:WindowsならAlt+]、MacならOption+]を押します。

これだけで5~12秒の範囲だけを使用するレイヤーになります。Ctrl+Shift+Dを2回押して前後のレイヤーを削除する必要はありません。

よく使うレイヤー編集ショートカットを覚えるとAEはかなり速くなる

After Effectsではショートカットを覚えるとタイムライン操作が大幅に速くなります。特に次の操作は頻繁に使用します。

操作 Windows macOS
レイヤーを分割 Ctrl+Shift+D Command+Shift+D
前側をトリミング Alt+[ Option+[
後ろ側をトリミング Alt+] Option+]
インポイントへ移動 I I
アウトポイントへ移動 O O
レイヤーのインポイントを現在位置へ移動 [ [
レイヤーのアウトポイントを現在位置へ移動 ] ]

特にCtrl+Shift+D、Alt+[、Alt+]、I、Oの5種類を覚えておくと、動画素材の時間調整がかなり楽になります。

[参照] Adobe公式「After Effectsのキーボードショートカット一覧」

まとめ:不要部分ならCtrl+Shift+DではなくAlt+[・Alt+]が便利

After Effectsで動画素材の前後を削りたい場合、毎回Ctrl+Shift+Dでレイヤーを分割してから不要な側を削除する必要はありません。

WindowsではAlt+[で現在位置より前をトリミング、Alt+]で現在位置より後ろをトリミングできます。macOSではOption+[とOption+]です。

Ctrl+Shift+Dは「不要部分を削除するためのショートカット」ではなく、1枚のレイヤーを前後2枚に分割するための操作です。前後を別々に加工したい場合に使い、単純に不要部分を短くしたい場合はAlt+[・Alt+]を使うと効率的です。

また、After Effectsでは多数のレイヤーを重ねて映像を作ることは一般的ですが、不要部分をそのまま放置することが前提ではありません。必要な時間範囲へレイヤーをトリミングしながら、合成やアニメーションに必要なレイヤーを重ねていくのが基本です。

長時間の素材を大量にカットして一本の動画にまとめる作業ならPremiere Pro、細かな合成やモーショングラフィックスならAfter Effectsというように、それぞれの得意分野を理解して使い分けると動画制作全体の効率も上がります。

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