Adobe Illustratorを使っていると、毎回同じドキュメント設定で作業を開始したい場面があります。例えば、定規を常に表示したい、線の色や線幅を決めておきたい、塗りやアピアランスの初期状態を統一したいと感じることがあります。
しかし、Illustratorの[新規作成](⌘N)で作成されるドキュメントには、テンプレートとは別に管理されている初期設定があります。この記事では、Mac版Illustratorで新規ドキュメントの設定を効率化する方法や、変更できる項目・できない項目について解説します。
Illustratorの新規作成設定はテンプレートとは別に管理されている
Illustratorでは、テンプレートファイル(.ait)を利用すると、あらかじめ設定した状態のファイルを開くことができます。しかし、通常の⌘Nによる[新規作成]では、Illustratorが用意している新規ドキュメント設定が使用されます。
そのため、テンプレートを毎回開く方法ではなく、通常の新規作成そのものの初期状態を変更したい場合は、Illustrator内部の設定やスタートアップ用ファイルを調整する必要があります。
ただし、Illustratorの現行バージョンでは、すべての設定を自由に固定できるわけではありません。設定項目によって変更方法が異なります。
新規ドキュメント作成時に固定できる主な設定
Illustratorの[新規作成]画面では、アートボードサイズ、方向、カラーモード、解像度、裁ち落としなどの基本的なドキュメント設定を保存できます。
よく使う設定は[新規ドキュメントプロファイル]として登録することで、次回以降の新規作成時に利用できます。
例えば、印刷物を中心に制作する場合はCMYKカラー、Web制作の場合はRGBカラーなど、用途ごとにプロファイルを作成しておくと作業効率が上がります。
定規表示やガイド表示を新規作成時から有効にする方法
定規表示(⌘R)やガイド、スマートガイドなどの表示関連設定は、ドキュメント単位の表示設定として扱われます。
これらを毎回有効にしたい場合は、設定済みの新規ドキュメントプロファイルやテンプレートを利用する方法が一般的です。
Illustratorの通常の新規作成で、すべての表示設定を完全に固定する専用の項目は用意されていないため、作業環境に合わせた運用が必要になります。
塗り・線の色・線幅を初期状態として固定する方法
Illustratorで新しくオブジェクトを作成した際の塗りや線、線幅などは、アピアランス設定やツールの初期設定に影響されます。
例えば、長方形ツールで作成する図形の初期状態を変更したい場合は、何も選択していない状態で塗り・線・線幅を設定することで、新しく作成するオブジェクトに反映される場合があります。
ただし、この設定はドキュメント作成時の設定ではなく、Illustratorの作業環境設定に近いものです。そのため、新規ファイルごとの完全な固定とは異なります。
新規作成時の設定を効率的に固定するおすすめ方法
Illustratorで毎回同じ環境から作業を開始したい場合は、目的に応じて以下の方法を使い分けるのがおすすめです。
・新規ドキュメントプロファイルを作成する
よく使うサイズやカラーモードなどを保存できます。
・テンプレート(.ait)を作成する
定規表示、ガイド、レイヤー構成、初期オブジェクトなど細かな状態まで保存できます。
・ワークスペースや環境設定を調整する
パネル配置や作業環境を固定できます。
Illustratorのバージョンによって設定方法が変わる点に注意
Illustratorはアップデートによって新規作成画面や設定項目が変更されることがあります。以前のバージョンで利用できた設定が、最新バージョンでは場所が変わっている場合もあります。
特にMac版Illustratorでは、macOSのアップデートやIllustrator本体の更新によって設定ファイルの場所や挙動が変化することがあります。
そのため、現在利用しているIllustratorのバージョンに合わせて設定を確認することが重要です。
まとめ|Illustratorの⌘N設定は一部固定できるがテンプレート併用が現実的
Mac版Illustratorでは、新規作成(⌘N)のすべての初期状態を自由に変更して固定する機能は用意されていません。
ドキュメントサイズやカラーモードなどは新規ドキュメントプロファイルで管理でき、定規表示や細かなアピアランス設定まで含めたい場合はテンプレートを利用する方法が最も確実です。
毎回同じ環境で作業したい場合は、Illustratorの標準機能だけで完全固定を目指すより、自分専用のプロファイルやテンプレートを作成して運用することで効率よく制作できます。


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